このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
女探偵・葉村晶のもとに持ちこまれる様々な事件。例えば、市役所から突然送られてきたガンの通知…。その真相は、いつも切なく、少しこわい。あざやかなどんでん返しを見破れますか? 連作ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
若竹 七海
- 略歴
- 〈若竹七海〉1963年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て「ぼくのミステリな日常」でデビュー。著書に「船上にて」「八月の降霊会」「ヴィラ・マグノリアの殺人」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
若竹七海とくれば杉田ヒロミ、最強のタッグが描く、心に傷を負った探偵。読むしかない
2002/11/19 19:51
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、なんとも品のよい印象を与える作風の30代の作家たちがいる。『ガラスの麒麟』の加納朋子や『バルーンタウンの手品師』の松尾由美、そして『ヴィラ・マグノリアの殺人』『遺品』を書いた若竹七海などがそうだ。年代こそちがうが、『空飛ぶ馬』の北村薫もその一人と言ってもいい。その思いは若竹の今度の作品を読んでも変わらない。
長谷川探偵事務所に勤める葉村晶を主人公にした作品集だが、様々な雑誌に載った八短編を、書き下ろしの短編で上手くまとめている。品だけではなく、その手腕の冴えも見事としかいいようがない。実の姉に殺されそうになった葉村晶。しかも姉が自殺してしまったことで、真相を知ることも出来ないままに心の疵を癒せない若い女性。彼女に様々な事件を経験させることで、姉のことを忘れさせようとする探偵事務所の長谷川。女実業家 松村詩織、御曹司の詩人 西村孝、OLの市藤恵子など個性溢れる人々。彼等が発する「おんな探偵!」との呼びかけが微笑ましい。
作品は冬から始まり、三つ目の冬でまとまる九編。この季節については、本を読み終わった後で改めて目次を見直した時に気付いた。作品自体には季節は感じなかったものの、ヴァイオリニストのクレメルが演奏するピアソラのEight SeasonsのCDを思わせる洒落た目次構成には感心してしまう。
事件は決して大げさなものではなく、それでいて人間の心の襞みたいなところを描くので、繊細という印象。フロイト否定派の人には、こういった心理ものに近い推理は「またか」の印象を与えるだろうが、若竹の品がわざとらしさを感じさせない。彼女と名コンビのイラストレーター杉田ヒロミのカバー画も、内容とピタリと合っていて、その絶妙のバランスに感心。このコンビは強い。
紙の本
葉村晶復活
2001/01/05 17:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉村晶、職業探偵。
晶の周辺でおこる様々な事件は冷え冷えとして、晶が与える解決がまたせつない。人間の心のちょっとした隙間を突く、作者独特の冷たい切り口が光る。前作『プレゼント』から続く連作ミステリ。表題作他、「わたしの調査に手加減はない」「たぶん、暑かったから」「都合のいい地獄」など。タイトルからも、事件の温度が感じられる。切れ味すっきりと、読後複雑。ラストは好みが分かれそう。
紙の本
ミステリーコーナーより
2001/02/05 17:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福井健太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
好評を博した「プレゼント」に続く〈女探偵・葉村晶シリーズ〉第2弾。「白黒を付けないと気が済まない」性格の持ち主である葉村晶は、様々な事件に巻き込まれて——あるいは自ら首を突っ込み——背後に隠された真相を暴き出していく。そこには人間の悪意や策謀が渦巻いていた。巧みなストーリーテリングと「毒」が楽しめる9編を収めた、今年度最高のミステリ作品集の1つである。