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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.6
- 出版社: 音楽之友社
- サイズ:19cm/358,8p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-276-21125-5
紙の本
シネマ・ミーツ・クラシック 94人の大作曲家が書いた映画音楽
著者 西村 雄一郎 (著)
映画で君もクラシック通になれる! 「幸福な結婚」にも例えられ、切っても切れない関係にある映画と音楽。クラシック音楽を印象的に使った名画を作曲家別に紹介。映画だけでなく音楽...
シネマ・ミーツ・クラシック 94人の大作曲家が書いた映画音楽
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商品説明
映画で君もクラシック通になれる! 「幸福な結婚」にも例えられ、切っても切れない関係にある映画と音楽。クラシック音楽を印象的に使った名画を作曲家別に紹介。映画だけでなく音楽史の知識も得られる一冊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
西村 雄一郎
- 略歴
- 〈西村雄一郎〉1951年佐賀県生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。映画評論家。渡仏し『キネマ旬報』パリ駐在員として活躍。現在、桐朋学園大学、日本映画学校講師。著書に「巨匠たちの映画術」など。
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紙の本
いまクラシック本がおもしろい。この本も例外でなく、タイトルは軽いが読みごたえたっぷりの労作。
2000/07/10 20:49
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投稿者:中山康樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラシック本が元気だ。いつのころからか書店に行くとクラシックに関する書籍が目につくようになり、店によってはロックやジャズその他を上回る勢い。いまや音楽書コーナーの一等地を占めることも珍しくない。逆に元気がない、弱りきっているのがロックとジャズで、まあマニアという名のシロート・ライター(主にロック)やファン代表のふりした一発芸的ライター(主にジャズ)ばかりでは今日の惨状も当然、自らが招いた結果ともいえるが、とにかくクラシックが元気だ(雑誌は別)。
理由をあれこれ考えるに最大要因はCDの登場にあったとみる。つまりクラシックはCDによって甦り、それにともなって「脱音楽評論家・研究家」的な聴きかた/聴かれかたが一般化した。そこにあるのは、クラシックはおしゃれで楽しい、「教養」として聴かなくてもいいんだという空気、気分。そしてここからが肝心、これこそが今日のクラシック本隆盛のポイントだが、こういったCD的変化に呼応して新しい書き手が現れた。
とまあ以上のような流れではあると思うが、彼ら新しい書き手は「世評」や「定説」を無視あるいは新たな視点から捉え直すことによってクラシックを解放し、新しいリスナーひいては新しい読者を開拓することに成功した(ようにみえる)。というわけでここで言いたい、ロックやジャズのライター/業界はクラシックに先を越されたことを恥と思い、「CDが売れない」「本が売れない」と言う前に猛省すべきだ。そして、売れなくしているのは誰かということを認識すべきだ。
と怒っているところに、『黒澤明 音と映像』(立風書房)の著者の新刊『シネマ・ミーツ・クラシック』が届いた。「94人の大作曲家が書いた映画音楽」というサブタイトルが付いているがいささか不正確で、クラシックを使った映画、と捉えたほうがいい。ヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームスといった「教科書のなかの楽聖」に並んで、『ダイハード』『七人の侍』『いちご白書』『男はつらいよ・寅次郎忘れな草』『がんばれ!ベアーズ』『ゴッドファーザー』『シャイニング』といった映画が登場、どの曲がどんなシーンで使われたか、その理由は、エピソードはと興味深いインサイド・ストーリーが紹介される。たとえば『バリー・リンドン』からのこんなエピソード。「巨匠キューブリックは、このシーンにはこのクラシック曲だと作曲家に提示する監督である。そのために音楽を担当するはずだった大作曲家ニーノ・ロータは、彼の要求に閉口して、『シューベルトは、舞台となった18世紀には生まれていなかった!』とゴネ出して、この仕事から降りてしまった」。
著者の取材力とサーヴィス精神にクラシック本元気の秘密をみたような気がする。 (bk1ブックナビゲーター:中山康樹/音楽評論家 2000.7.11)