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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.5
- 出版社: 毎日新聞社
- サイズ:20cm/307p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-620-10614-3
紙の本
本能寺 下
著者 池宮 彰一郎 (著)
「光秀こそ我が後継者」 信長の未来構想は夢幻のごとく儚く潰え、運命の天正10年6月2日、明智勢は本能寺に殺到する。背後に潜む歴史の闇。本能寺ノ変、衝撃の真相とは。『毎日新...
本能寺 下
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商品説明
「光秀こそ我が後継者」 信長の未来構想は夢幻のごとく儚く潰え、運命の天正10年6月2日、明智勢は本能寺に殺到する。背後に潜む歴史の闇。本能寺ノ変、衝撃の真相とは。『毎日新聞』連載を大幅改稿。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
池宮 彰一郎
- 略歴
- 〈池宮彰一郎〉1923年東京都生まれ。脚本家、小説家。デビュー作「四十七人の刺客」で新田次郎文学賞受賞、映画化もされた。他の著書に「高杉晋作」「島津奔る」「遁げろ家康」など。
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紙の本
長篠の戦いから本能寺まで.
2000/08/30 00:27
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投稿者:(格) - この投稿者のレビュー一覧を見る
天王寺砦の戦いあたりから信長に微妙な変化が始まる。まず、勝ちを六分で治めるという余裕ができはじめ、それが、部下の弛緩、危機の醸成に繋がっていく。そして、それに気づき、譜代の部下をも処断していく。突然、過去の業績を理由に処断したというのが今までの解釈であったが、ここでは、それ相応の腐敗があったと推測し、それを処断するため、そして、敵に隙を見せないために、過去を理由に処断したという。合理的な解釈である。
そして、秀吉。信長の方針が見えないことから誤解し、いっそう働く。それが、信長の秀吉観に影響し、ついに自分の後継者には向かないと決断させる。このあたり、現代から考えればまあ、正しそうに思えるが、だからといって、その時代にほんとうに信長がここまで考えたか。誰にもわかりはしまい。まして、光秀ならどんな世を作り得たか。信長の判断が正しかったかどうか。
次に宣教師を通した徹底した西洋史の勉強。このあたり、記録に残っていないとしながら、ここまではっきり書くのは、以後の推測への伏線だ。上巻では、信長の天下統一後のビジョンは残っていないと言っていたのが、ここではっきりと著者は記述する。記録にないのだから、著者の推測にすぎないのだが、それにしても大胆。まあ、天才信長。このくらいのことは考えたか。周りは当然、そのことの意義、価値を理解できるはずもない。そして、それを知る秀吉の思惑。ここまでは理解できなくはない。もしかしたら、そういうことだったのかもしれない。しかし、だから、本能寺というのは、ちょっと飛躍。論理に無理がある。たしかに斬新な解釈ではある。
著者の推測が秀吉の思惑までは正しかったとして、光秀がもっと合理的思考をしていたとしたら、いったい、世の中はどうなったか、と考えるのは楽しい。