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紙の本
ミステリーコーナーより
2001/01/18 19:43
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投稿者:吉野仁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なによりも登場人物1人1人の思いに心が揺さぶられた。サスペンスの進行と同時に、こちらの胸までが熱くなってくる小説なのだ。
舞台はニューヨーク近郊の町デンプシー。町の病院に、ひとりの白人女性が傷を負いながらかけこんできた。黒人の男に襲われ、幼い息子を乗せた車を奪われたという。やがて事件は思わぬ事態へと発展していく。
次から次へと様々な人物やエピソードが登場するため、ふだん海外小説を読みなれた読者でさえ冒頭場面からしばらくは戸惑ってしまうかもしれない。だが、後半からクライマックスにかけて小説だということを忘れさせるほど、まるで現実の出来事であるかのように身に迫ってくる。過去の人生、衣食住のスタイルから趣味や感受性など、主役ばかりでなく脇役までその存在感をしっかりと感じさせるエピソードをこれでもかと盛りこんでいるからだ。さらに、ダイナミックなクライマックスに痛切なラスト。圧巻の大作である。