インターネット音楽配信わかる使える完全ガイド メジャー系も続々参入 最新曲が聴ける！買える！ （特選街ＢＯＯＫＳ）

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投稿者：近藤龍太郎　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　インターネットが便利なのはいまさら改めて言うまでもないことだが、その影響はさまざまな分野に波及しつつある。その一つに音楽分野がある。インターネットの影響と一口に言うが、影響の種類は実際にはさまざまである。商品カタログの代わりとなったり、ユーザーサポートの窓口となったり、一種の広告媒体ともなっている。けれども、もっともインパクトが大きくて影響力のあるのは、流通ルートを変える可能性であろう。

　オンラインでのショッピングはすでに開始されているが、もっと革命的なのが音楽分野である。もともと音楽データというのは形を持っていない。CDやMDというのは音楽を入れておく入れ物であって、音楽そのものではない。こう考えてみると、音楽そのものは、データをデジタル化してしまえば、いくらでもネットを通じて流通させることができるということがわかるだろう。

　ただし、問題もある。

　１つは課金（決済）の方法。もう一つは音楽データのサイズである。課金の方法は別としても、データ量の問題は解決しなくてはならない。CD１枚分が600〜700MBあるとすると、ダウンロードするのに64kbpsのISDNでは２時間以上はたっぷりかかってしまう。そこで、効率のよい圧縮方式がいろいろ考えられている。それが、MP3やATRAC3といったデータ形式である。また、受け取った音楽データを再生する方法や、アウトドアで聴く際にデータを入れるメディアや装置なども問題になる。

　現在は、インターネットを使った音楽配信がスタートしたばかりであり、規格は統一されていない。それだけに、いますぐ始めようと言う場合には、それぞれの得失をよく把握してから選ぶようにしなくてはならない。

　MP3形式を使えば、１枚のCDに約10枚分のデータが入る勘定になり、これを再生できる車載用のCDプレイヤーも発売されているから、カーオーディオも変わる可能性を秘めているわけである。

　本書は、こうした音楽配信の基礎知識からメモリープレイヤー、記録メディアの選び方、パソコンで聞く方法やファイルを作成する方法、CD-R/Wに焼く方法まで、現時点で考えられる情報はだいたい網羅しているから、これから始めてみようと言う人には最適だろう。　（bk1ブックナビゲーター：近藤龍太郎／電脳評論家・ＤＴＰデザイナー　2000.07.17）