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紙の本
人類の高らかなる勝利
2006/09/01 01:21
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人権」=「自由」この天賦の権利の獲得の為に、人類は、権力と戦ってきた。そして、人類史上初めてイギリスに登場した人権宣言が「マグナ・カルタ」である。これは、1215年のことである。市民革命の起こる17世紀より400年も前に成立していることは、驚きに値する。市民革命の時代になると各国で人権宣言が行なわれる。イギリスの「権利請願」「権利章典」、アメリカの「独立宣言」、フランスの「人および市民の権利宣言」と次々に成立していく。
そして20世紀。今までの社会システムと異なる国家が誕生する。ソビエト連邦に代表される社会主義国家である。社会主義国家の経済システムの良し悪しは、ともかく、社会主義国家は、「人権」に対する認識が薄いと言われた。その原因が憲法にあるのか?運用に有るのか?そこを自分なりに理解するのも本書を手にした大きな理由である。その結果、憲法に問題が有ったという認識に至った。第二次世界大戦後に成立したドイツ民主共和国憲法にその問題点は見出せた。第九条:すべての市民は、すべての者に適用される法律の制限内において、その意見を自由に、かつ公然と発表し、云々。即ち、時の権力者に拠って制定される法律の範囲内で言論の自由が保証されている。この憲法内容では、時の権力者の裁量によって、言論の自由が保証されているだけであって、これでは、自由は無い。我が国の明治憲法:大日本帝国憲法も多くの条項で法律に定めるとあった。すなわち、時の権力者に自由に扱われる憲法であったのである。これが、日本が泥沼の16年戦争に突入せしめた大きな理由であったのではないかと思う。
1948年、国際連合において、「世界人権宣言」が成立した。この内容は、どのような解釈にも耐え得る素晴らしい宣言であると思った。13世紀にマグナ・カルタが宣言されてから733年、遂に人類は、普遍的に通用する人権宣言を手にしたのである。
人類の歴史は、権力から「人権」を勝ち取る為の歴史であったと一面では言えると思う。21世紀の現在、世界中において、本当に人権が高らかに謳歌されているかと問われれば、疑問を持つ人も多いと思う。世界人権宣言が採択されて58年、何が問題であるのか?各人に付きつけられた疑問であると思った。