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紙の本
読みやすくわかりやすい、仏教の入門講義録
2006/03/15 13:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が学長を勤めた花園大学の講義をまとめたものでしょう。あとがきに「若き学生のために、難解といわれた禅学を平易に解き明かすその心は、常に「自己を見つめる」ことであった。・・・この17編は大学のキャンパスから生まれた。」とあります。仏教の専門家を目ざす人向けに話された内容なので、無理に解りやすくしすぎず、「仏教の宣伝」っぽい感じもないのでかえって一般の我々が読んでも良くわかる仏教の説明になっています。語りかける、という講義形式もわかりやすい理由のひとつになっていると思います。
唯物論と仏教、念仏と禅、曹洞宗と臨済宗の違い、儒教やキリスト教と共通するところ、などが大づかみにわかりやすく書かれています。簡単な禅のやり方について説明している章(座禅のすすめ)もあり、それも参考になります。一日ほんの数分、瞑想の時間をとることはどんどんスピードの速くなるこの時代、かえって役立つかもしれません。
ヒッピーや毛沢東の改革など、当時の話題を扱って説いた部分は現在読むと少し違った考えが出てくるところと思います。それも、聴衆の学生さんの興味をひく必要などもあって、仕方のなかったところかもしれません。天皇制、戦争についてのあたりは異論もでるところでしょうが「仏教者」としての立場が明確にわかる、変に表面上をつくろわない書き方はかえって好感を持ってニュートラルに読めるように思えます。
著者の「十牛図 禅の悟りにいたる十のプロセスを以前読みましたが、深いところまでわかったかはどうかはわかりませんが、こちらも「禅」や「生きかた」を説いた良い本です。
少々古くはなりましたが、仏教をあらためて学んでみたい、と思ったときには読みやすく、わかりやすい入門書です。