紙の本
柳田国男氏による日本の妖怪・幽霊と私たちの「畏怖」という感情について考察した一冊です!
2020/03/29 10:05
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本民俗学の権威である柳田国男氏による日本の妖怪や幽霊といったものの本質を解き明かそうとした興味深い作品です。同書では、「かはたれ」、「妖怪古意」、「おばけの声」、「幻覚の実験」、「川童の話」、「川童の渡り」など30のテーマで議論が行われ、日本人が伝統的にもっている「畏怖」というものの原始的な形、そして、時代に伴ったその変遷について考察していきます。なかなか面白い一冊です。
紙の本
永遠のロングセラー
2017/02/12 14:45
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投稿者:アジア坊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんなに妖怪ブームになる前からずっと文庫で出ていたこの作品。学術文庫は偉いなあと思います。何十年も前に初めて読みましたが、柳田の独特の文体がじわじわと妖怪とは何かを考えさせてくれる構成は今読んでも素晴らしいものでした。
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妖怪と幽霊の違いから、各地方に伝わる妖怪伝説について。日本を代表する民俗学者、柳田國男による"妖怪談義"。
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良くも悪くも「民俗学」を創始したのはこの方だなというのがよく分かる。
「遠野物語」より面白いかもしれない。
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誰もそういうことを言わないのは何故なんだろうか。柳田國男の文章は杜撰だ。決めつけておいては自明だで済ませたり、他人の意見を理由も語らずに議論する価値すらないと切り捨てる。曖昧な分野を切り開いた人の一人として存在価値は認めるが、彼が行なった杜撰な議論が今の民俗学の元になっているとしたら危険だ。せめて自分の足で歩いた宮本常一のように朴訥な、一次資料に自分が触れることを重視した人がいたことが救いだと思う。
以前からこうした存在として柳田國男を私は嫌ってきた。どんな本を買っても、彼の文章の半ばで嫌気がさすのだ。私の知るところでは、というニュアンスが表われ、議論は消え、柳田國男という神が表われてしまうのだ。同時代の人は大変だったろうなと思う。切ることも許されなかった、だめな議論。たまたまナディッフで見つけた講談社学術文庫、柳田國男著「妖怪談義」もそういう内容だろうな、とは思った。しかし、こちらはすでに京極夏彦で鍛えている。
ここが違った。面白いのだ。面白く読めるのだ。理由は簡単だ。柳田の独りよがりは簡単に切り捨てて読める。京極堂の言動からこの本に登場する妖怪たちの素性はほとんど熟知している。それを柳田がどう受け止めていたのか、という見方で読むからだ。議論の拙さすら、こうして読めば味わいになる。そして南方熊楠に対する敵意に近い文章はお笑いでもある。
さて。とはいえ、この柳田國男を神のごとくに奉っている民俗学者が多々いる訳で、日本の学界というものはちょっと笑える。
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雑誌に掲載されたのを題名の趣旨にそってまとめた感じです。
考察は面白い箇所もありましたが、考え方や語り口に感じる違和感に時代と読みにくさを感じました。
時々聞いたことの無い怪異を周知の事として扱っている章もあるので妖怪初心者が手始めに読むにはきつかったです。
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●2008年9月1日頃読了
各地の妖怪や伝承について記してあります。
小豆洗いや河童についてが印象深かったかな。
最後は妖怪名彙と題して、簡単な妖怪辞典のようになってました。
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妖怪を学問の対象としたこと。それも単なるキャラクター研究ではなく、畏怖・畏敬の対象として捉えたことには、大きな意義があったと思う。が、そういったことをぬきにして無心で向き合う本書は、見たこともないほど玉石が混交した読み物だ。
たとえば、川の神に瓜を捧げる風習と河童のキュウリ好きを関連付ける考察がある。これはたいへんな慧眼であって、私は興奮のあまり口をあんぐり開けてしまった(外で読んでいたのに)。河童が実は零落した河神であるということを示唆しているわけであるが、キュウリがその傍証となっているのが驚きだ。見たところ河童の戯画的な面を強調しているかのようなキュウリが。
その一方で、眉をひそめたくなる記述も多い。ところどころに登場する差別意識に満ちた文章は、今日なら出版も覚束ないのでは。また山中の猿人説などは、久しぶりに川口浩の探検隊を思い出してしまった。
とはいえそれもまた、この時代の意識レベルを知るための史料として有効…という見方もできるかも。
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『妖怪談義』。柳田國男の文章は、初めて読むとちょっとキツイですが、もしも『ゲゲゲの鬼太郎』が大好きだという人なら手元に置いておいても損はない一冊です。
何故なら、鬼太郎の味方である妖怪たち、例えば子泣き爺に砂かけ婆に一反木綿…といったあの連中たちは、全てこの『妖怪談義』で紹介されている妖怪がモデルになっているからです。
(ちなみに鬼太郎の敵になる妖怪は、鳥山石燕の画図百鬼夜行に登場するものが用いられています)
もちろん柳田國男はイラストまではつけていません。『妖怪談義』に登場するのは、まだ実体を持たず、カタカナの言葉で表現された「妖怪以前」のものに過ぎません。
いや、もともと妖怪というのは「怪奇現象」という言葉と同じように使われていたそうですから、この書物に登場する妖怪たちというのは我々が妖怪と言われて思い浮かぶイメージ、それ以前のものなのでしょう。未だ実体を持たず、山や林の暗がりの奥に潜んでいた怪奇現象の主そのものです。
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柳田先生の軽い研究総括&概説といったところ。
妖怪勉強したい人には必読!
読みやすいし、面白い話や考察が盛りだくさんですよー!
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元々は利益や富を齎す存在であったモノが、有り得ないと思う人々の心によりその恐怖感や不信感のみが抜き取られ、さらにその話をより一般向けに組み替えることで怪談となされ、同感する者の心に巣食って今に至る、というのが恐怖心の根源、なのかな。まだ序盤しか読んでいないのでわからないが。
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【つぶやきブックレビュー】立秋過ぎてなお猛暑。妖怪本でもいかが?妖怪を真面目に語ります。
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN04293132
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おばけの鳴き声、神隠しの時間帯と黄昏の語源、河童がよく相撲をとる理由、天狗の正体など。妖怪ばなしを単なる戯れ事と片付けず、「信じないのは勿論われわれの権利であるが、何も理由がなくこんな話の発生することはあるまい。説明ができないからといって無視しようとするのは横着だ」という態度で臨む。これぞまさに民俗学。
ーーやはり宇宙第一の不思議は、人間その物であるといわねばならない。ーー
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妖怪について大まじめに。しかも認める方向で。
河童や山男、一つ目のもの、大人などについて、その背後にある無形の歴史について問いかけを集めた一冊。
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他の人のレビューを見て
これ学術書なのか!?
と思って仕舞いました。
趣味のオカルトとして読むと楽しいです。