紙の本
構造と力 記号論を超えて
著者 浅田 彰 (著)
構造主義/ポスト構造主義の思想を一貫したパースペクティヴのもとに明晰に再構成。〈知〉のフロンティアを位置づけた伝説の哲学書。レヴィ=ストロースらの構造主義の方法を定位した...
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商品説明
構造主義/ポスト構造主義の思想を一貫したパースペクティヴのもとに明晰に再構成。〈知〉のフロンティアを位置づけた伝説の哲学書。
レヴィ=ストロースらの構造主義の方法を定位したうえでポスト構造主義の展望を示し、ドゥルーズ=ガタリらの理論からその理路を探る。現代思想の鮮明な地図を描き、当時26歳の著者による大胆かつ軽妙な筆致で時代の空気を捉えて空前のベストセラーとなった本書。1983年の刊行から現在まで多くの読者に読まれ、刷を重ねている。【商品解説】
目次
- 本書の構成について
- 序に代えて
- 《知への漸進的横滑り》を開始するための準備運動の試み――千の否のあと大学の可能性を問う
- 1 目的としての知と手段としての知
- 2 宗教としての知と技術としての知
- 3 〈教養〉のジャングルの中へ
- おわりに
- I 構造主義/ポスト構造主義のパースペクティヴ
著者紹介
浅田 彰
- 略歴
- 浅田彰(あさだ あきら)1957年、神戸市に生まれる。1979年、京都大学経済学部卒業。同大学院、人文科学研究所助手、経済研究所助教授を経て、現在、京都芸術大学大学院学術研究センター所長。専攻は経済学・社会思想史。著書:『逃亡論』(筑摩書房)、『ヘルメスの音楽』(筑摩書房)、『脳を考える脳』(朝日出版社)、『ダブル・バインドを超えて』(南想社/学苑社)、『科学的思考とは何か』(共著・中公新書)、『天使が通る』(共著・新潮社)、ほか
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紙の本
ラカンと読者の限界まで示すイジワルな本
2004/11/29 10:32
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.コージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はラカンの解説本であり同時にその限界を示しつつ、それを超えるものとしてニーチェ・マルクス・フロイトの「力の思想」を示している。つまり今後の展開を読者に委ねた内容になっている。
もうひとつ結果としてだが読者に委ねているものがある。それは読解力についてだ。2次元の位相の単一性を証明するメビウスの輪を示しながら、それを3次元の位相の単一性の証明であるクラインの壺に置き換えて商品と貨幣の無限連鎖を説明するところなどが圧巻。ただし「3次元の位相の単一性」は紙上(2次元)や物(3次元)で表記、表現できないので、想像力のない人には理解できないというところはご愛嬌。本書は読者の理解力の限界?まで試しているのかもしれない。
紙の本
あの時代が生んだ「過去の遺物」。
2009/04/21 22:27
16人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:反形而上学者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ご存じ、浅田彰氏のデビュー作にして、いまだに読み継がれている彼の代表作でもある。
しかし、出版から25年たってこの本を読むと、非常に中途半端な構成の本であることに気づく。それは本書が純粋な「論文集」ではないということに起因していると思われる。
対談があったり、インタビューがあったり、いわば、「浅田彰お披露目の書」でるというのが、一番適切な表現ではないかと思う。ラカンにしてもドゥルーズ=ガタリにしても、何ページかで語れるようなものでは無いし、そこまで本書に期待しても無理というものだろう。
そう、あくまでも「天才・浅田彰お披露目の書」だからである。
浅田氏は本書において「ラカンについての詳しい論文」を予告しているが、この約束は、25年経った今でも果たされていない。いや、彼自身の「論文集」なる著作自体が存在していないのだ。
浅田氏は本書によって鮮烈なデビューを果たし、どのような論文でも執筆、出版できるだけの境遇にいたが、ついぞ、その行為は遂行されなかった。
浅田氏には翻訳した本もない。ジジェクの存在を知り、それを自ら翻訳せずに、鈴木晶氏に翻訳させたりしている。私にはこういう彼の神経が解らない。
皆さんご存じのように、2008年度で長年居た京都大学の准教授を辞めて、京都造形芸術大学大学院の大学院長に就任した。もちろん全く新しい環境に期待したいが、ここでも「口先」だけで芸術家の卵達を指導していくのだろうか。
少し「悪口雑言」が過ぎると、私自身も思うが、長い間「書ける人間」が、「仕事の出来る境遇にある恵まれた人間」が、「のうのう」としていること自体が私には信じられないのである。
ほとんどの人間がもう浅田彰氏には期待はしていないと思うが、駄目を承知で私は頭の片隅で期待したいと思う・・・。
紙の本
時代
2002/07/10 07:17
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおい - この投稿者のレビュー一覧を見る
いま読むと、この本ってものすごくわかりにくい本ではないだろうか。一種の名文であるし、爽快だし、実に見事に見取り図を描いているように見えるが、結局この本は読書案内としては鋭すぎるし、これだけを読んで何かを納得することはかなり難しいし、結局自分で考えて本を読めということになってしまうように思う。実際、ここで参照されている著作や思想は僕には馴染みの深いものばかりではあるが、ん? とか、「ちょっと待ちたまえ」というところが頻出する。巧い言い方だなあと感心しつつ、また言葉が置かれる位置について再考させられつつ、それでもなおモヤモヤしたものが残ってちゃぶ台をひっくり返すようにこの本を捨てラカンなりドゥルーズなりに戻らざるを得なくなる。何でこれがベストセラーになったのか? うーん謎だ。
紙の本
クラインの壺さえ真に受けなければ、手際のよいまとめ本
2000/10/01 20:23
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山形浩生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすいし、フランスっぽい現代思想の見通しを得るにはよい本です。
ただし、大きなフレームになっているクラインの壺のたとえは、まったくまちがっているので、それは真に受けないこと。詳しくは
http://www.post1.com/home/hiyori13/other/asada.html