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火の柱(岩波文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4 1件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1976
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波文庫
  • サイズ:15cm/219p
  • 利用対象:一般
  • フィルムコート不可
文庫

紙の本

火の柱 (岩波文庫)

著者 木下 尚江 (作)

火の柱 (岩波文庫)

216(税込)

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評価内訳

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紙の本

今読んでも、とてもセンセーショナルな主張

2010/02/20 09:25

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:analog純 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この小説は、以前より読みたいと思っていたものでした。
 古本屋さんに行った時など、それとなく探したりしていたんですが、なかなか見つかりませんでした。ところがこの度、ひょんなことで手に入りまして、勇んで読み始めました。

 で、大枠の感想を述べますと、とても面白かったです。
 私は、いろんな事を知り、そして考えました。

 例えば、この小説は明治37年に「東京毎日新聞」に連載されたそうですが、その連載に至る経過がまず奮っています。
 当時筆者は、東京毎日新聞社社員でありました。
 経営方針会議で、次年度の新聞小説を誰に頼むかという議題になり、大家の原稿料は高く、ふさわしい作家がいないとすったもんだした時、筆者が、
 「小杉天外、広津柳浪級のものでよいなら僕が書きます」と名乗り出たと、まるで瓢箪から駒のような話であります。
 まぁ、そんな時代だったのでしょうが、今ではちょっと信じられないような経緯ですね。

 そして書いた本作が、非常に当たり、かつ、近代日本文学史上に名を残す、数少ないキリスト教的社会主義小説となったのでありました。

 しかし、当時の読者に受けた理由は、読めば直ぐに分かります。
 ストーリーはわかりやすく、話のテンポはよいし、善玉悪玉がはっきりしていて、盛り上げ方が又、とても上手であります。

 義理人情と金にがんじがらめに縛られる芸者。数奇な恩命に操られる幸薄き深窓の令嬢。社会正義に溢れる主人公の青年。二人の悲劇的かつ神聖な恋。そして、「金・権力・女」しか頭にない政治家・軍人・商人の姿。
 どの人物もとても特徴的で、ストーリーは血湧き肉躍る展開であります。

 私は少し考えたんですけれど、現在は、つまり遙かに表現の自由の説かれる現在のほうが、かえってこんな小説は書けないんじゃないかと。

 例えば、伊藤博文が、ぼろくそに書かれていますよ。
 一応「伊藤博文」とは書いてありません。「伊藤侯爵」「大勲位」「閣下」などと書かれていますが、その人物が「淫乱爺の耄碌」とか「穢らわしい」とか「伊藤侯と云ふものは我々婦人にとつては共同の讐敵」とか、書かれてあります。

 確かに伊藤博文の女癖の悪さは有名であったと、何かで読みました。
 山田風太郎の『エドの舞踏会』にはこの様に書いてあります。

 「伊藤博文は、有名な芸者屋で秘蔵の半玉が一本になるとき、その水揚げをしてやるのが彼のプロフェッショナル的な役目になっていて、その世界では「箒の御前」という異名をたてまつられているほどであった(後略)」

 モーツァルト・オペラの名作『フィガロの結婚』で話の発端になります「領主権」のたぐいですね。

 話を戻しますが、伊藤博文の女癖の悪さはいわゆる「公然の秘密」であったのでしょうが、本人が存命中であるにもかかわらずこんな内容の小説が「東京毎日新聞」の紙面に載るという事自体も、何というか、逆にその時代における新聞の社会的位置づけなんかが推し量れそうで興味深いですね。

 さて、そんなスキャンダラスな部分も加え、とにかくとても面白い小説です。
 筆者は、クリスチャンで社会運動家ですが、なかなかどうして、かなり作家的な適性と才能のある方であります。(特に、筆者が楽しみながらストーリーを作っているような様子が、とてもよいです。)

 ただ、上記の作品としての面白さは、現在の文学的評価で言いますと、長所とばかりは言えないですね、やはり。
 通俗性が勝りすぎており、残念ながら人間描写が類型的で深みに欠けます。

 しかし発表された時代を考えますと、本作の主張については、やはり感心せざるを得ません。
 筆者は本作で一貫して、日露戦争開戦直前という時代に、徹底的な「非戦論」「平和主義」を説いています。この先見性は、やはり文学史上に記憶されて然るべきものと思います。
 例えば以下のような主張が、本文中に散見されます。

 「富が年々増殖して貧民が歳々増加する、是れ程重大なる不道徳の現象がありますか、御覧なさい、今日の生活の原則は一に掠奪です、個人は個人を掠奪して居る、国は国を掠奪して居る、刑法が言ふ所の窃盗、彼は児戯です、神の見給ふ窃盗とは即ち、今日の社会が尤も尊敬して居る法律と愛国心です、所有権の神聖、兵役の義務、是れ皆な窃盗掠奪の符調に過ぎないのです、」

 特に後半部は、今読んでも、センセーショナルな主張ですね。
 司馬遼太郎は『坂の上の雲』で、若い国家の若者達が、純粋に坂の上に見える白い雲を追い掛けただけだと書きました。
 しかしその日露戦争前夜の日本が、本書においてかくも異なった姿で描かれていることについて、その「多様性」こそが重要であるのだと、私はぼんやり考えるのでありました。

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