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紙の本
夏目漱石と作者の関係が面白い
2023/06/01 10:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この文庫の解説「中勘助の随筆」の中で渡辺外喜三郎氏は「世間一般に考えられているような、そこはかとなく書きつくれば式の随筆ではなくて、きちんと何年何月何日という日付をはっきりもった随筆で、一寸見たところは日記とかわらない。だったら、日記と言えばいいではないかと疑問に思うかもしれないが、書く態度が違うのである」と述べている、まったくの同感で、その内容は肉親の死にまつわること(最愛の妹、母、そしてお互いに憎しみあっていた兄)、そして嫂に関すること(どうも作者は彼女に情愛をもっていたような)となかなかエッセイという英訳では片付くことのできない情念、怨念のようなものが文体ににじみ出ている、そして、夏目漱石氏との師弟関係についての学生時代から「銀の匙」が世に出ることになるまでのくだり、貴重なものを読ませてもらった
紙の本
散文も詩も味わいたい
2022/02/04 02:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「銀の匙」が文章が気に入った方なら、
2冊目の中勘助作品として、手にとってみても
いいかもしれない文庫本です。
繊細で透徹した文体をお楽しみあれ。
散文に挟み込まれている詩が気に入ったならば、
同じ岩波文庫の一冊で、谷川俊太郎編の
「中勘助詩集」におすすみください。
紙の本
少しでも多くの人に知ってほしい
2002/08/08 11:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねんねじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏目漱石に推薦され無名の新人であった中勘助の「銀の匙」が連載されたのはあまりにも有名です。そんな、勘助と漱石の数少ない交流がこの随筆の「夏目先生と私」の中で語られています。漱石の「私の個人主義」のなかで語られている、いやでいやでしょうがないのに兄に無理やり釣りに連れて行かれる少年は「銀の匙」からひいた。そんな面白いエピソードも書かれています。また、面白いのは、漱石の勘助に対する誤解を勘助が冷静に分析しているところです。
中勘助という人はとても不思議な人で、詩をとても愛しており散文は嫌っていたようなのですが、それにも関わらず彼の散文はこの上なく美しく、詩以上に詩的なことです。彼の随筆を読むと、人間嫌い、ナルシスト、自己中心的そんな面も否応なく見えてきます。しかし、彼がそんな人間だったからこそ、あのような匂いたつような文章が書けたのだと思えてきます。