紙の本
豪華絢爛スペースオペラ!!
2001/11/30 04:49
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投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもちゃ箱をひっくり返したような、なんでもありのめちゃくちゃ面白いスペースオペラだ。
あらゆる種属が他の種属によって知性化され、どの種属も綿々と続く系列の中に位置付けられる宇宙。その中にあって、いかなる系列にも属さず自力で宇宙進出をなしとげた地球人類は、異端種属として物議を醸していた。
人類の手によって知性化されたイルカたちが乗り組む探険船〈ストリーカー〉は、ある辺境宙域で、漂流する月ほどもある5万隻の大宇宙船団を発見。〈ストリーカー〉はさっそくこの発見を地球に報告するが、その通信を傍受していたあらゆる列強諸種属が、〈ストリーカー〉を捕獲し漂流船団のポジションを手に入れるため、いっせいに宇宙艦隊を繰り出したのだ。彼らは、この船団こそ、数十億年前に自力で宇宙進出をなしとげ、あらゆる種属の祖となった、伝説の〈始祖〉種属の遺産だと考えたのである。損傷を受けつつも逃走する〈ストリーカー〉は、クスセメニー星域の海洋惑星キスラップに潜み、修理の時間を稼ぐ。
キスラップの海底に潜み、脱出の機をうかがう〈ストリーカー〉。そして宇宙空間では、列強諸種属の宇宙艦隊が〈ストリーカー〉をめぐって激突、大宇宙戦が繰り広げられる。さらには、この惑星キスラップにも、太古からの秘密が隠されていたのだ!!
というわけで、こういう稚気満々なスペースオペラが好きな人は、迷わず読みましょう。
この作品は、ブリンの「知性化」シリーズの1冊目である。他に、〈ストリーカー〉事件が引き起こした植民星での出来事を描く『知性化戦争』、この事件の200年前を舞台にした物語『サンダイバー』、そして最近ようやく翻訳刊行が始まった、〈知性化の嵐〉3部作の第1巻『変革への序章』が出ている。今後も〈知性化の嵐〉の第2巻、第3巻の刊行が待っているわけで、目が離せないシリーズだ。
紙の本
海洋アクション
2001/08/28 19:04
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投稿者:石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「サンダイバー」「知性化戦争」と三部作をなすSFアクション。巨大な古代異星人の船団を発見したがために、列強の宇宙人たちに狙われた地球人宇宙船が海洋惑星に不時着。必死の反撃を図る。ミリタリーSFとしての趣向に加えて、進化をめぐる思弁性や、荒唐無稽なガジェットの大判振る舞いで、飽きることなく読める。
紙の本
これを読まずしてエンタメは語れない
2014/01/12 19:16
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投稿者:やすみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙は始祖が知性化した種族の子孫達で(というかそれだけで)溢れてまして、地球人だけ知性化されずに進化した、ってことで嫌われてるんですよ
そんな鬼子的な立場の地球人が、強力な種族を相手に大活躍するシリーズ物です
面白いのは、保証します
この小説のトム・オーリーってキャラは、今まで読んだあらゆるフィクションの中でも、一番カッコいいかも
この小説の前にサンダイバーってのがありまして、それは意外と本格推理小説になってまして、それもオススメです
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チンプとイルカを知性化したという、この一点で銀河知性化種族の仲間となった人類。列強種族の迫害の中、なけなしのリソースをはたいて探査船ストリーカーを送り出した。
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邦訳されている『知性化シリーズ』の第一作目。
上下巻に分かれたなかなかの分量の作品ですね。
偉大なる『始祖』に連なる可能性がある、謎の漂流船団と接触を果たしたばかりに列強種族に追い回される羽目になった、人間・ネオドルフィン・ネオチンプの乗った船、ストリーカー号が追いつめられキスラップという惑星の海に逃げ込んだところから物語は始まります。
ストリーカーの発見の顛末は、おそらくこの前の作品である”Sun−Diver”で描かれていると思うのですが、こちらはまだ邦訳されていないようです。いや、それから邦訳してほしいんだけど^^;
しかし、第一作目を読まずともいきなり物語に引き込まれるのはさすがというべきでしょうか。
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ヒューゴー賞、ネビュラ賞をダブル受賞したデイビッド・ブリンの知性化シリーズの第2作目。
人類によって"知性化"されたイルカがクルーとして乗り込む宇宙船ストリーカー。
偶然にも銀河の重大な秘密を発見してしまったために、それを嗅ぎつけた銀河の列強種族の追っ手からの逃走劇というのが大まかなストーリの流れ。
読んでみて感じた本作の魅力は、非常によく作りこまれた世界観ですね。
特に、知性化されたイルカ達の社会の描写がすばらしい。彼らが日常的にどのようなことを理想とし、何を恥と感じるかといった社会規範であったり、つい出てしまう習性、そしてイルカ同士で行われる俳句調の独特な歌によるコミュニケーションや人間との折衝言語であるアングリックの使い分けなど、物語を構成する舞台背景の描写が非常に丁寧に描かれていています。
また、本作ではイルカ達ほど細かく描写されているわけではありませんが、人類よりも遥かに強大な力を持った銀河の種族たち、彼らもまた他の種を知性化して自らの類族として従えていて、このあたりの種族ごとの描写も面白いです。
知性化シリーズとしては2作目ですが、1作目のサンダイバーでは世界観があまり詳しく説明されず、読む順番としては1作目のサンダイバーから入るより本作から入った方が分かりやすいみたいですね。
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他星との戦闘によって、ある惑星に不時着した地球の宇宙船「ストリーカー」の脱出劇という局面だけを切り取った構成がかっこいい。他星が狙ってきた理由、ストリーカー内部での乗組員間の確執・衝突が脱出作戦の中に描かれるのだ。
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「イルカが出てくるSFだよ」と 友人に勧められて 読みました。
私的には ストライクです 上下巻一気に読みました。
ラストも ハッピーエンドだけじゃない SFらしい残酷さもきちんとあるところが 好きです。
再読 ほとんど忘れているwww
当時私は この話をきちんと読んでいたのか?
でも やっぱり好き
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ガイアに惹かれて2分冊にトライ。
人類と知性化されたイルカの混成地球軍が古代の漂流艦隊を発見。この貴重な発見を横取りしようとする反地球軍がわんさか存在する。さて、この漂流艦隊はなに?ってなオープニングだ。
設定の複雑かつ異様さ慣れてくると(宇宙のランデブーのように)物語に没頭できるようになる。
ところが、読み進めるに従ってちょっとしたショートストーリーがたくさん出てきて、主題が何であるのかが分かりにくくなってしまう。古代の漂流艦隊の謎は解明されないし、戦場での不思議な体験もイマイチ説明し尽くされていない。
確かに読み物としてはワクワクドキドキなんだろうが、うまく表現できないけれど未開のジャングルに漂着した人間と犬が力を合わせてジャングルを脱出するだけなんて筋に見えてしまう。
なぜかフィットしないこの作品。理由は単純だった。ヒューゴー/ネビュラ・ダブルクラウン作品だからなんだな。残念。
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知性化された「イルカ」がメインクルーな宇宙船って、
と思ったが結構面白かった。
多視点での痛快冒険スペースオペラ?
登場人物が多く、なかなか名前を覚えきれず少し苦労。
他作品にも連なる壮大な背景設定はユニーク。
終盤の話を収束させてゆく流れは、
やや大味だが B 級的なワクワク感を楽しめる。
1983 年 ネビュラ賞長篇小説部門受賞作品。
1984 年 ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品。
1984 年 ローカス賞 SF 長篇部門受賞作品。
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http://shinshu.fm/MHz/67.61/archives/0000314162.html
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登場人物が人類なのかイルカなのかチンパンジーなのか、読んでいる途中で混乱することがあった。人類かと思っていたら、突然、尾びれで水の中を進んでいたりなどだ。ここに注意すると楽しく読める。ほとんどの登場人物がイルカなんだと腹から納得すれば、頭の中に素晴らしい興味深い景色が一気に広がる。
登場人物が多くて、知性化されたイルカは“人”扱いなので、イルカは一頭二頭と数えるのではなく、ひとりふたりと数える。その辺りが混乱の元ではあるが、巻頭の登場人物紹介などを参照しながら読み進めると、そのうち慣れてくる。
上巻だけではストーリーが完結しないので、下巻もあわせて読むのが良い。
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ブリンの知性化シリーズ 兎に角私の琴線にふれる!
表紙 8点加藤 直之
展開 8点1983年著作
文章 8点
内容 900点
合計 924点
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デイヴィッド・ブリンの<知性化>シリーズ第2弾!
著者の同シリーズは第3弾の「知性化戦争」が初読でしたので、時系列的には逆行しておりますが、それぞれ独立した物語なので特に支障なし。とはいえ、「知性化戦争」でも時折触れられていた”探検船<ストリーカー>の銀河を揺るがす大発見”について、ようやく全貌を知ることができました。
人間とイルカで編成された初の宇宙探検船<ストリーカー>は、銀河の辺境で大宇宙船団を発見する。一隻が地球の月ほどの大きさをもつ五万隻の船団は、どうやら太古から存在しており、銀河に住まうあらゆる宇宙種族の<始祖>と関係があるようだ。情報を聞きつけたタンデューやソロ族といった列強諸族は、その秘密を手中に収めるべく、それぞれ大戦隊を派遣。追われるストリーカーはモーグラン宙域で奇襲を受けるも辛くも脱出。現在、傷ついた船を修理すべく、惑星キスラップの海底に身を隠すが、列強諸族はいまにも迫っており…
列強諸族、始祖、タンデュー、ソロ族…、知性化シリーズはとにかく造語が多い!これに加えて、人間やイルカの登場人物も多いので、混乱することもしばしば。とはいえ、親切なことに巻頭に用語一覧が掲載されており、混乱した時は読み返せるのでちょっと安心。
さて、物語はというと、これがまあおもしろい。
「知性化戦争」では、知性化されたチンパンジーが主役といっていい役割でしたが、本作ではイルカがそれに該当します(もちろん人間のトムやジリアンも活躍しますが)。物語の要旨はあらすじのとおりなのですが、列強諸族の追撃から逃げる一方で、知性化されたイルカの内紛や惑星キスラップの秘密が組み合わさり、これらをきっかけに<知性化>の背景を知ることになっていきます。
と、「知性化戦争」でも感じましたが、こういったSF色のしっかりした骨太の世界観に圧倒されるのです。本書で繰り広げられる物語は作中の時間軸でもほんの僅かな期間ですし、その舞台は惑星キスラップ(およびその宙域)を出ません。そんな限られた時間と範囲の物語にもかかわらず、壮大な印象を抱くのは、ひとえに著者が作り出す<知性化>の世界観が緻密で雄大、奥行きの感じるものだからでしょう。そんな圧巻の世界で、心滾る熱い展開をみせられたら、これはもうおもしろくないはずがありません。
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始めは登場する人物(やフィンやチンプや他種族)の多さにとまどうこともあった。しかしながら、途中からはそれも気にならず物語にのめり込むこととなった。
今まで、このスタータイド・ライジングのように、地球人の他に多くの(2、3どころではない)他種族が登場するという設定の小説に出会ったことはなかった。それでいて、あまりにも無茶苦茶な展開があるかといえばそうではなく、見事に描かれている世界に感動すら覚える。
広大な宇宙を舞台としているにも関わらず、これだけ多くの種族に囲まれ、追い詰められ…、「宇宙は狭い」と感じるに至ったのはこれが始めてである。もはや逃げ場を失った宇宙船ストリーカーの行く末はどうなるのか、気になって仕様がない。