紙の本
時代遅れ
2001/08/20 19:31
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投稿者:のらいぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る
しがない保険会社の勤め人だったクランシーが、こつこつと書き上げ、いちやくベストセラーになった。冷戦もとうの昔となった今では、兵器の薀蓄以外に、特に読むべきものは無い。
紙の本
緻密さが支えるスペクタル
2015/11/15 20:58
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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはまさしく超弩級の軍事サスペンス。ソ連の最新鋭原子力潜水艦がアメリカ亡命を企てるという設定の規模だけでない、それを察知して受け入れようとするアメリカ軍と、阻止しようとするソ連軍の、表には現れない軍事行動が緻密な組み立てによって大規模化していく過程がまずすごい。
それを裏付けるのは、政府や軍の組織についての正確なレポートや、兵器テクノロジーに関する情報だが、さらに物語に厚みを加えているのは、登場人物たちの造型の豊かさだ。
亡命を企てる艦長はソ連のエリート軍人であるが、実はリトアニア人であり、父親は第二次大戦と共産党における英雄であるが、故郷では毛嫌いされている。この複雑な過去があっての反逆という経緯があるゆえに、絵空事でない説得力のある物語が構築可能となる。その他の主要人物にも、些細な脇役にも、それぞれの能力や行動の動機生むのに相応しいだけの深さで、それまでの生涯が語られる。また軍や、CIAや、共産党という組織にも、その時々の意思決定を行う根拠足りうるいきさつがある。
実は主人公的存在は、決死の脱出行当事者でなく、CIAの分析官であるというのも少し変わっているかもしれない。艦長も主人公的扱いだが、アメリカ人的視点が必要ということはあるにせよ、悪役にされることが多いCIAだが、分析官は奇妙な情報を掴んだことから、政府としての緊急事態対応の最前線に駆り出され、主に軍関係だが、どこへ行ってもスパイ呼ばわりだ。味方であってもCIAという肩書きは胡散臭いものに見られるらしい。彼自身はスパイ活動はしておらず、バックエンドの分析官であるのにだ。そして彼は、初めて戦闘機に乗せられ、空母や潜水艦にまで乗せられ、ぎりぎりの危うい任務をこなしていく。それも単なるなりゆきではなく、彼に最前線の現場を経験させようという上層部の考えによるもので、組織論としても興味深いし、必然性のある展開であることが分かる。
大西洋全域にソ連とNATOの海軍が展開されて対峙して、壮大なスペクタルの様相に至るが、政治的な背景、世界戦略、個々の組織の都合や独善性が入り混じって、一人のヒーローの活躍などではまったく収まるわけのない、巨大で複合的な論理の所産だ。同時に無数の人物たちの動機と能力の集積でもあり、たとえばアメリカの作戦の鍵となったソナー員にも大きな存在感があるのだが、こうした一人一人の背景から民族政策や体制の課題といったものも浮き彫りになって来る。
主人公に限らず、あらゆる過程に分析的な視点があり、そこから世界を揺るがす事件を俯瞰する力技には引き込まれずにはいられない。この分野の作品を冒険小説というには無理があるかもしれないが、多くの人々、それに組織、国家というものが直面する危機に立ち向かうドラマでもある。
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暇つぶしに読むのに最適。暇つぶし本の最高峰に輝きます。映画が悪いわけじゃないけど、映画の100倍面白い。
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ロシア原潜レッドオクトーバーは無事亡命できるのか?!そしてジャックライアンはどう関わってくるのか?原潜好きにはもちろん、兵器や軍、諜報活動などについても興味がある人には読みごたえ十分。後につづくジャックライアンシリーズの中でも大きな位置を占めてくるだけに必ず読んでおきたい。
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初めて読んだトム・クランシー小説。時系列に進む米・ソ(ソ連時代 笑)諜報活動、深海での手に汗握る戦闘シーン等、これぞ正しくハイテク駆使の海洋冒険小説。映画もストーリーが随分変わっていたが面白かった。映像を見て、初めて本の内容が理解できた部分も多い。特に潜水艦の内部は興味深い。
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トムクランシーのジャックライアンシリーズは最近の2,3作品以外は全て読みました。
ジャックライアンの苦悩や考え方、最新のテクノロジーや
登場人物のそれぞれの生き方や思想が共感できるものが
多々あり、自分もジャックライアンのような
生き方、考え方をしていきたいと思いました。
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冷戦構造下の米ソ対立を背景としているので21世紀の今ではピンとこないかもしれませんが、単なる潜水艦戦としてだけでなく諜報戦も含めたスリリングな展開が興奮します。映画化もされ面白かったですが、原作の方がはるかに濃い内容です。
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今ではベストセラー作家となったトム・クランシーの
デビュー作。
当時は冒険・アクション物にハマっていて
手に取ったのだけど。
閉所恐怖症気味で船も嫌いな私にはイマイチでした。
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自分の読書歴をさかのぼると外せない作家。トム・クランシー。
まあほら、男の子だからミリタリーものにはまる時期があるわけです。この作家のほかの作品も夢中で読みました。
『パトリオット・ゲーム』や『今そこにある危機』の作者です。
しかし、日本とアメリカが戦争する話『日米開戦』を読んだときに、そこに書かれている日本があまりにもカリカチュアライズされているので白けてしまい。以降、この作家の本は読んでいません。
たぶん、夢中になって読んでいた作品も、相手国の人からするとそうだったんでしょうね。
でも、初期の作品は本当に面白かったような。
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出版と同時に読んだのでもう30年近く前の小説になる。
一部でソ連の崩壊を言う人がいたが一般にはまだまだ続くと思われていた冷戦体制の末期の話。
北極海の大氷原下には、米ソの大型の戦略ミサイル原潜多数が、おたがいの喉笛に合口を突きつけるような形で相手主要都市に照準した核ミサイルを抱えて遊弋していた。その任務は、自国が核攻撃を受けたとき、報復として相手国に向けて持てるすべての熱核ミサイルを打ち込むこと。これが相互確証破壊。
一艦一艦が完全に独立した軍とも言える戦略ミサイル原潜では、艦長の反乱や発狂に備えて核ミサイルのキーを2人で保管するシステムが取られていた。
などなど、一般に知られていなかった冷徹な事実を明示した功績は大きい。
冷戦が終了した今、このような場面はもう想定しにくいだろう。そういう意味では名作「寒い国から帰ってきたスパイ」や「鷲は舞い降りた」などのように、やがてはノスタルジーを感じさせる作品となるだろう。
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トムクランシーのデビュー作。1985年の出版、いまから20年以上前の作品とは思えない。なぜか一度この本捨ててしまい。また読みたくなって、探してやっと上下見つかった。ライアンがなぜCIAに入ってことなど、忘れてしまってました。古さを感じさせない、感じはさすがに凄いです、この作者。最近の作品は、マンネリ化してしまって残念。
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ロシアの原子力潜水艦がアメリカに亡命をするという話である。潜水艦の話はさすがに良く調べられているが、ロシアとアメリカの文化歴史は皆無である。話は単純なので、いかにもアメリカという気がする小説である。
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T.クランシーのデビュー作でありながら、熟達した語り口、プロットの巧妙さ、そして小説全体で保たれた緊張感。まぎれもない傑作であると思う。
小説は、冷戦時代にソ連最新鋭ミサイル潜水艦が、艦ごとアメリカに亡命という前代見聞のテーマをアメリカ側の情報戦を主軸に展開する。
映画より小説のほうが細部にわたって、きっちり仕込まれているので緊迫感が明確に伝わり、小説全体を引き締めている。
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ラミウス艦長指揮下の最新潜水艦レッドオクトーバーが逃亡した。レッドオクトーバーを追うソ連艦隊。ソ連潜水艦艦隊の異常な動きに反応するアメリカ。ジャック・ライアンのラミウス艦長亡命説。ラミウス艦長、レッドオクトーバーと接触するために大西洋上に展開する空母に降り立ったジャック・ライアン。レッドオクトーバーを探知し追尾するアメリカ潜水艦ダラス。
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レッド・オクトーバーを追え(The Hunt for Red October, 1984)
最新鋭のソ連原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」がアメリカへの亡命を希望。
ソ連に亡命を悟らせずにいかにレッド・オクトーバーを手に入れるか。
なお、この作品は1990年に映画化されている。
著者 :
トーマス・レオ・クランシー・ジュニア(Thomas Leo Clancy, Jr., 1947年4月12日 - 2013年10月1日)は、アメリカの小説家。
軍事や諜報活動を扱うテクノスリラー小説を数多く執筆し、また自身の名を冠したテレビゲームの監修も務めた。