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外国語上達法 (岩波新書 黄版)
外国語上達法
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目次
- 1 はじめに ── 外国語習得にはコツがある
- 2 目的と目標 ── なぜ学ぶのか、ゴールはどこか
- 3 必要なもの ──〝語学の神様〟はこう語った
- 4 語彙 ── 覚えるべき千の単語とは
- 5 文法 ──〝愛される文法〟のために
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紙の本
外国語学習のための正統派テキスト
2001/07/13 12:25
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
「こうやればTOEIC900点」とか、「こうして英語を克服した」といったハウツー本が書店にはたくさんあります。しかし、この本は、そのようなハウツー本とは違い、外国語上達のための即効的な特効薬(2週間で英会話ができる、といったような)とはなりえませんが、外国語の学習者に興味深い視点を提供してくれる、優れた本です。
この本がおもしろい理由をまとめると、次のようになると思います
一。「外国語上達法」というだけあって、英語に限定していないこと。あらゆる言語に使える方法論や「コツ」を紹介している。
二。著者は言語学の専門家であるため、単なるノウハウを紹介するのではなく、科学的な裏付けのある、持論を論理的に展開していること。とりわけ、「文法」のおもしろさについて、うまく説明している。
三。辞書選び、教師選び、学習書選びといった、普通のテキストがあまり触れない内容について、ページを割いている。
といったところでしょうか。200ページ強の小冊子ですが、外国語学習に関する考え方の転換をはかることができます。特に、ハウツー本に飽きてしまったひとにはおすすめできる一冊です。
紙の本
本当に幼いころに。
2008/10/13 06:17
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
出会った、同年輩の子どもに、「僕英語知ってるよ。A、B、C」とわめきたてたのが、今にして思えば、最初の「現場」での外国語体験だったのだろうか。今にして思えば、英語圏出身者かどうかも判らない、その子は目をパチクリして戸惑っていたような気がする。やはり、日本語で「こんにちは」とか話しかけた方がよかったのだろう。いきなり、「アイウエオ」と目の前で唱えられても、こっちも困る。
小学校等での早期英語教育の導入が本決まりになったようである。
TVなどで垣間見る、「英語であそぶ」子ども達はみな元気そうで。「R」と「L」の発音のためにだけでも、この試みは意味があるように思える。
しかし、一抹の不安がよぎる。やはり、正確な発音、文法・語彙などの運用能力、人とコミュニケーションを遂行する能力、そして日本語での思考力が相互にどのように発達していくのかは難問である。
穿った言い方をすれば、完璧な発音を以て、よどみなく英語を話す、困った人というのは、英語圏にも日本語圏にも溢れている。
日本語のしっかりとした基礎を養ってからでも。遅くはない。と断言したくても、できないのは、現在の米国国務長官の頭文字が「R」か「L」かどっちか、と問われたら困ってしまう、「手遅れ」の人ゆえの悲しさか。
比較言語学の文字通りの権威であり、『ロボット』(岩波文庫)をはじめとするチェコの大作家カレル・チャペックの作品の翻訳者としても名高い、著者のロングセラーである本書は、こんな一文で始まる。
「私は語学が苦手である。」(本書p.2)
告白すれば、本書をはじめて手にしたとき、ここで、むかっ腹を立ててしまったものだ。チェコ語、グルジア語、果ては古代教会スラブ語をマスターしておいて何という書き出しだろう。
しかし、今、この文に触れると、正直、目頭が熱くなってくる。この一文は著者の心からの叫びだったに違いない。だからこそ、著者は最後まで様々な言語、言語学を学び続けて倦むことなく、前進し続けたのだろう。
さて、本書1.「はじめに」においてはまず、著者の経験に基づいて外国語学習にはやはり、コツがあると定義される。そしておそらくは、優先順位と難易度順を鑑み。2.「目的と目標」(とにかく、この見極めが一番大事。)、3.必要なもの(「時間とお金」)、4.語彙(使用頻度の高い1000語をまず覚えることから地平が見える。そしてそれらの語の多くは短い語である)、5.文法(各学習書の巻末の10頁前後の変化表などをマスター)、6.学習書(薄くてかつ語彙集等が巻末等に付属している、しっかりした本を)、7.教師、8.辞書、9.発音、10.会話、11.レアリア(「ある時期の生活や文芸作品などに特徴的な細かい事実や具体的なデータ」などの知識の重要性)、12.まとめ、という構成である。
初版から20年余りが経過しているが、本書の「看板」に偽りはない。
レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』(川田順造訳・中央公論新社)は次のような一文で始まっていたように、記憶している。
「私は旅が嫌いだ。」
紙の本
これぞ王道
2002/05/25 15:07
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
外国語習得で大切なのは時間と金。で、その時間と金をかけて何を学べばいいかというと単語と文法。
自らを天才ではないといいながらもマルチリンガルであった千野先生によるコトバは、ストレートで説得力がある。辞書や教師の選び方、発音の大切さなども説いており、とても読みがいのある名著。
紙の本
面白かったです
2021/12/03 10:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうやったらネイティブのように言葉を操れるようになるのだろう。そもそも努力でその域に入ることができるのだろうか。この本の最終章で「レアリア」という言葉が出てきます。その国、その地域固有の共通認識を指すこのレアリアという言葉が母語話者と言語学習者の決定的な違いを表している気がいたしました。言語をより深く知るために、やはり体験に基づく知識は大切なんだと再認識した次第です。
紙の本
どの語学もしないままで終わること
2019/10/17 00:40
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:1ベクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
母国語以外の外国語を一つも一生懸命学ばないで人生を終えても良いのかな、と思わせて下さる本です。十分に必要な学ぶ理由が得られたとき、ここに紹介されている導きはとても有効なものになるでしょう。
必要なもの、教師と辞書。文法と単語。そして傍らに千野先生のこの本。ロンブ・カトーさんの『私の外国語学習法』と双璧です。優しい笑顔で厳しく、踏み込みを待って下さっている気がします。
紙の本
言語学習の正論
2012/10/14 01:06
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はるか - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本に書いてあることは全て正論ですね。なんか普通に、多言語学習者にとって大切なこと。私は経験者として(もともと母語が中国語です。英語と日本語が得意、他の言語も自習しています)、同意な点は多いです。それでも、普段は意識しない。私は知らない内に、この本に言ってるルールを守っています。そして、言語をマスターしました。
大多数の人々は(たぶん英語の先生も含めて)、その「コツ」が知りません。だから、皆が英語の学習に四苦八苦するですね。でも、言語学習は簡単ではありません。根気と努力が必要です。その証拠に、著者も言ってます「私は語学が苦手である。」
このように纏めて読むと、かなり為になる。私みたいな言語マニアには面白いです。つい何度も読み返しました。おすすめです。