紙の本
今読んでもすごく新鮮!脳みそゆさぶられますよ。
2002/02/15 01:00
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投稿者:ぱおっち - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは今から15年くらい前の作品で、当時はバブル真っ盛りの頃だったでしょうが、この物語の舞台は不況に喘ぐ犯罪国家日本です。あまりに今の日本を反映していてうすら寒くなってくるほど似通っています。大戦後にすべての文化やアイデンティティーを捨ててアメリカの賤民になった日本が、唯一の拠り所だった経済の破綻によって混乱していく。日本人は自分で考えることを放棄している、自分以外の誰かに生きていく術を求めている。ひとりのカリスマが、日本国家を淘汰するために立ち上がった… ある種とても恐い話ですが、あまりにも的を得ているので納得せざるをえない説得力があります。すごい作品です。
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本棚に入れる一冊目は何にしようと悩んだけれど、やっぱり、愛幻。しかも、単行本バージョン。なんといっても、横尾忠則のリサ・ライオンの表紙が美しい。文庫はだめ〜。週刊誌連載だったために、生かされていない伏線もあるけれど、高校生だった私は、続きが読みたくて学校を早退して下巻を買った思い出がある。とにかく、鈴原冬二が好きだった(笑)。冬二になりたかった。冬二じゃないのが悔しかった。下巻に続く
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この本がバブル期の1987年に出版されたということが凄いかも。学生さんにオススメかな。あんままともに影響されすぎても現実に対応できないかもしれんけど(笑)とにかく生き抜いてやるっていうやる気はムチャクチャ出る本ではないかと思います。
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当に読破っ!二十歳そこそこで…苦しかったはず…。不思議なもので、いま、こうやってブクログ書いてると、また読みたくなる本が多いことに気付きます。やって、よかったのかな…
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08/4/26 ★★★★☆
「限りなく〜」で村上龍に嫌気がさしたが、
この本の暴力的な世界観は、今迄に読んでこなかった種類であることに惹かれてぐいぐい読んだ。
鈴原冬ニはかっこいいの一言。
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ぶっちゃけ、あらゆる意味で衝撃を受けたのが、もうかれこれ15年以上前のことです。
描写とか、文体とか、設定とか。
そういう細かいことは全て皆無なほど、存在感のある作品。
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初めて読んだ村上龍の本がこれ、そしてはまった。
他の作品が最初だったらこれほどははまらなかったな、たぶん。
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コインロッカーベイビーズ、五分後の世界、半島を出よあたりが好きなら、この本を嫌うはずがなかろう!!と思いつつ、なんとなく読むのがもったいなくて7年くらい放置してました。
‘村上龍で読みたい本なんてもうないよ’ってなるのが寂しかったんや・・・。
やっぱりおもしろいよー。
村上龍はこういうスケールがでかくて緻密な取材と誇大妄想が必要で、「いや、べつにそんな事ないと思うけど・・・」と思うような持論と偏見をさも世界の真理みたいに説くような作品をガンガン書くべきだと思います。
こんなんこの人にしか書けないもん。
だって村上龍的ネームバリューが無いと、話の下地に必要な情報が集まらんと思う。そしてその情報が一番重要だと思う。
下地が無かったらコレ、ライトノベルになってしまいますよ。
話のスケールが大きすぎて‘あらすじ’みたいになってるところも多々ありますが、圧倒的なパワーがね、もう凄い。
下巻も気合入れて読むぞー!
09.11.11
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村上龍の力技。
ものすごいパワーを感じます。
これは他の誰にも書けないでしょう。
とても「りゅうズバー」のMCやってた人とは思えませんw
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購入
このような未来は極端で、誰もが望んでいないだろう。
しかし望まない未来だからって想像出来ない訳ではないし、
その想像力をもっともっと見たい、という欲が掻き立てられる。
緻密な取材に裏打ちされ、「狩猟」というコンセプトにまとめられた構成がお見事。
村上龍は何を伝えたくてこの物語を書いたのか。
「未来への警告」であるか。
とにかくおもしろい!
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かなり昔に読みましたが、今でも印象に残ってます。理不尽な未来像があり、巧みな言葉使いに、人の言動、全てが響いてきます。村上龍さんの中でもオススメできる物語
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私の中ではベスト2です。当時23歳の多感な時期にとてつもない衝撃を与えた作品。
あれから15年経過した今なお本棚から私を威圧してきます!
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「この世はしょせん弱肉強食。強ければ生き弱ければ死ぬ」って、るろうに剣心の志々雄が言っていました。日本的な共同体の崩壊が叫ばれて、市場での自由競争が歓迎される。そんなことは今やいうまでもなく自明な時代になりました。会社に縛られない個人の生き方である「ノマド」が話題になり、そのための英語やスキルは現代の刀といってもいいくらいにみんな欲しがる。自己実現や夢みたいな甘い言葉がささやかれて、自由で充実したワタシが礼賛されているそんな雰囲気を強く感じる今日この頃。確かにそういう側面もあるのかもしれません。でも「個」として生きていくのはそんなキラキラしたものなんかじゃなく、もっと切実で「いかに生き残るか」を考えなくちゃならないのではないか。そして、これからますます否応なく「個」として生きていくことになってしまう。そんなとき大切になるのは、動物としての「生命力」なのではないか。そんな「生命力」をこの作品からいただきました。
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今更ながらに村上龍。政治経済に詳しいわけではないけれど、疲弊しひとつになろうとする世界、それに反発する民族主義、カリスマを求める風潮というのは現代に似通っていると感じた。この話が書かれたのはバブル絶頂期だけれど、その時にすでに今の世界を見越していたのかと思うほど。文章にこめられた憎悪と絶望(そして再生?)はエヴァに見事に引き継がれてると感じた(登場人物の名前がこの小説からとられてる)。とりあえず前評判見ずに下巻にすすみますー(読書メーターにも同内容投稿)
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近年の有名作に比べて書き込みの多い作品。外で起きていることの描写が詳しい。これを読むと、他の作品は、ただまったりしているのではなく、膨大な情報量からそぎおとしてそぎおとした描写なのだなと思えて、そのためだけにも読んでよかった。話そのものは大変ドラマチック。