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夏目漱石とシャーロック・ホームズが出会うというしょうもないっちゃあしょうもない話だが、この作品は各々の登場人物へのリサーチや時代考証もそれなりにきちんとしていて完成度が結構高い。ミステリとしても面白いし、ギャグとしてもかなり笑える。夏目漱石の一人称で物語の半分は進むが、シャーロック・ホームズとの出会いのシーンでホームズに馬鹿にされたのが悔しかったのか常にホームズをけなす方向で話を進めるのも面白い。もちろん物語の後の半分はワトソンの一人称で進むんだが・・・
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えーと二次遭遇モノ。英国留学中の漱石がとある事件に巻き込まれて、ホームズを訪ねる。漱石視点とワトソン視点で語られるが、2人のホームズ像の違いが笑える。巧く纏めてあって面白く読めました。…ホームズが御手洗、ワトソンが石岡君に見えるのはしょうがないか(苦笑)。
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漱石視点とワトソン視点の違いが面白いです。ミステリとしても島田さんの作品の中でかなり完成度が高い方ではないでしょうか。
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英国へ留学した夏目漱石とシャーロックホームズが出会い、不思議な事件を解決する。ワトソンと漱石の視点で交互に描かれているのだがそれぞれの食い違いがなんとも痛快。子供の頃から慣れ親しんできたホームズをそんな扱いにするのかと・・でもラストはホロリと良かったです。
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ホームズのパスティッシュの中ではもしかすると最低最悪のホームズかもしれない。けれど、私の中では最高のパスティッシュだ。
ホームズの有名な描写の数々が、とんでもない狂人の行動・言動として描かれるその力業に感服。しかし、読後感は本当に爽快。島田荘司ならではの読み応え。
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お・も・し・ろ・い!とにかく読め!としか言いようがない。ホームズに盲目な人にはおススメしません(笑)
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夢のコラボレーションとはまさにこの事。
しかも作者は島田荘司さん。
漱石がロンドンに留学していたというのは有名な話ですが、実はその年代、かのシャーロック・ホームズがベーカー街で活躍していた時期でもあるのです。
この小説は、実際にホームズがベーカー街221Bに住み、漱石がそこに相談に行く…という夢のような内容になっています。
しかもこの小説の体裁が、発見されたワトソンの未発表作品と、漱石の「倫敦覚書」を併せて、とある作者が書いているというものになっているのが面白い。
ワトソンの文章と漱石の文章が、交互に展開されていくのです。
そこでは、ワトソン側の記述と、漱石側の記述にかなりの齟齬があることがわかります。
どちらが真実かは、さて推して知るべしとのこと。
面白い試みですねえ。
個人的に面白いのは、島田先生がかねてより仰っていたホームズについて。それが小説として書かれていること。
島田先生は、御手洗シリーズの中で、主人公御手洗の口から、よくホームズについてを語らせています。それはワトソンが書いたホームズという人物を覆す内容であるのですが、今回、漱石側の記述ではそれが現実となっているのです。
私はそこが面白いと思いました。
しかし、島田先生のホームズへの愛も伝わる内容となっていました。
ラストは何とも素敵な幕であります。事件もきちんと解決し、ホームズの破綻した人物像も綺麗にまとまっている。文句のつけようがないラストです。
ミステリー小説としても、謎はシンプルだし内容も平易なので、かなり読みやすいものになっています。
実のところ、謎自体の答えは前半でほとんど予想できてしまいます。
しかしこの小説の醍醐味は、謎それ自体ではなく、ワトソン側と漱石側の文章が錯綜し、2つの視点から事件の全容を見ることできるということでしょう。
そして何より、ホームズという人物そのもの。
それが、この本の最大のミステリーといえそうです。
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ホームズが実在していたら、夏目漱石は彼に出会っていたかもしれない!?
世紀末のロンドンで起きたミイラ事件を、ワトソンと漱石の未発表原稿を元に纏めた設定の小説。
ワトソン視点と夏目視点のホームズのギャップが笑いを誘います。
シャーロキアンである島田荘司の、ホームズへの愛が溢れた(笑)一冊!
面白かった!
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島田荘司の作品で、これが一番好きです。
ワトソン目線と漱石目線の二通りで展開されるんですが、漱石から見たホームズがあまりにも酷く書かれているのが、すごく面白いです。
他の方も書かれていることですが、わたしも光文社文庫版が好きです。
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勇躍英国へ留学した夏目漱石は下宿先で夜毎、亡霊に悩まされ、シャーロック・ホームズに相談に行った。折しもそこに金持未亡人が訪れて言うには永らく生き別れた弟と再会したのだが彼は中国で恐しい呪いをかけられ一夜にしてミイラになってしまった、と。居合せた漱石もこの難事件解決に一役買うことになるのだが…。本格推理長編。
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ロンドンに留学中だった夏目漱石がホームズに出会う、
言わばパロディ的なお話しになってます。
漱石から見たホームズと
ワトソンから見たホームズの描写が違い過ぎて
それだけでもかなり楽しめました(´ω`)♪
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英国留学中の夏目漱石は下宿する先々で、夜な夜な気味の悪い体験に悩まされていた。師事している先生の勧めで名探偵シャーロック・ホームズを訪ねたものの、漱石は悩みの種をまた一つ増やしたに過ぎなかった…。同じ出来事を、夏目漱石とワトソンの視点で交互に描いているのが面白い。英国での不安やホームズの奇人ぶりに戸惑う様が漱石流の皮肉混じりの文体で語られ、一方、奇行の実態を取り繕い、ホームズをあくまで名探偵として扱うワトソンの記録というドイル流のホームズ譚。この食い違いを楽しみながら読み進んだ。西郷隆盛に例えられたマイクロフト、コケイン、初対面の人への推理、ワトソンの結婚回数、得意の変装、「間違い第1号だ」、プライオリ、コーンウォル、芝居がかった逮捕劇などなど…ホームズシリーズを再読したばかりの自分にはニヤリとさせられる箇所が多く、ご馳走だった。ワトソン語りの部分は知らず知らず本物を読んでる気持ちになった。肝心のミイラ殺人事件の捜査は遅々として進まず、漱石が一役買って、ホームズが正気に戻ってどうにかこうにか解決した感がある。その間に、漱石とワトソン(+正気に戻ったホームズ)の間に友情が芽生えたのは、微笑ましい。漱石帰国間近の終盤は、やや性急すぎる幕引きだが、ラストのヴァイオリン演奏はファンサービス♪あ〜面白かった!この本を紹介してくださったTetchyさん、ハローbreezeさんに感謝します!
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ホームズをドイル以外が書いた話は初めてじゃないのですが、日本人がホームズを書いたのは初めて読みました。すっごくおもしろかったです!特に、ワトソンの書いた文章と漱石の書いた文章の違いが!ホームズの変人ぶりが強烈でした。そして漱石とホームズ、ワトソンとの最後の別れの場面には胸が熱くなりました。おすすめです!
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非凡才能シリーズ第二弾。語り手がワトソンになったり、漱石になったりしながら、古きよきホームズ事件を下敷きに倫敦を描いている。
とにかく すこぶる ホームズ作品の空気をかもし出しており、事件の背景やトリックや解決などは、まさにホームズ流である。同じ事件を漱石側から見たセクションでは、漱石っぽい書き方になっている。いやぁ、すばらしい才能だと感心する。
この作品はミステリーというよりも、作者の天才度を記録した作品といえそうだ。筋としてはトリックも含めてすぐに見えてくるのだが、ホームズ作品の色を濃くしたパロディっぽいタッチは本当にすばらしい。とにかくユニークな作品。
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ホームズに対してワトソンと漱石の視点から書いているのが斬新。
又、実際に漱石がロンドンの生活になじめず鬱症状が出たことは有名だが、
それをホームズへの依頼すると言う点を結びつけたアイデアに感服。