「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
雁の寺 (文春文庫)
雁の寺(全)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
こんな悲しい話、あってなるものか。慈念よ、やすらかに。
2016/09/17 21:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
慈念は生涯を通して笑ったことはあったのだろうか。庫裏の生々しい情事を目の当たりにし、苦々しい気持ちで小僧を勤め、その奇妙な見てくれで誰からも好奇の眼で見つめられ、そんな中でもある種悟ったように寺の雑務、行事に没頭していた。皆から雑に扱われ疎外されてもそういうことには動じない強さがあった。慈念の心にはいつも二人の母がいた。田舎に住み貧困にあえぎながらも、愛を注いでくれた育ての母。でも産みの母の面影が慈念を悩ます。父親に対峙し真実を求めた時、悲劇が慈念を襲う。結末が悲しすぎて涙も出ない。慈念を抱きしめたい。