紙の本
はつ恋の微笑ましさ
2001/01/28 11:22
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
短くて、比較的単純な話だとは思うんだが、何度手にしても微笑ましさを感じるのは、その題材がはつ恋だからだろうか? それにしてもロシアの小説らしく、最初のエピソードが言い訳するような説明で始まるあたりも含めて微笑ましい。
それにしても、ちょっとしたエピソードもはつ恋らしくて、夜明け方にちょっと目をさましたりするんだよなぁ。詳しくは
紙の本
恋の楽しさと怖さを描く
2015/10/21 23:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る
年老いた主人公が、昔を振り返るお話。
その名の通り初恋の物語だが、古典名作というだけあって、単なるラブコメディではない。恋とはどんなものなのかを主人公が知る場面がとても好き。
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魔性の少女・ジナイーダの存在だけで好評価。コケティッシュ、フェミニン、権謀術数、「少女」。だから海外文学は好きなんだ。
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ああ、青春よ!
ひょっとすると、お前の魅力の秘密はつまるところ、一切を成しうることにあるのではなくて、一切を成しうると考えることができるところに、あるのかもしれない。
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恋愛小説の古典的名作であることは間違いないのだが、これは恋愛小説の域を超越している名作ではないか! 「恋愛とは」だけでなく、「青春とは」そして「人生とは」まで包括している。ラスト数ページの盛り上がりはかなりのものだ。
16歳の主人公ウラジミールが、年上の令嬢ジナイーダに恋をするというのはそこまで変わった設定ではないが、物語中盤からウラジミールを悩ませる「彼女は誰に恋をしているのか」という部分によって、物語は深みを増している。「恋は盲目」ということは、ウラジミールを通して描かれるだけでなく、間接的にしか描かれないジナイーダの恋を通しても匂わせられる。その二重構造で、恋の痛々しさを描ききっているのだ。さらに、その丁寧な描写が、「人生とは」という叫びまでつながってくるからまた見事。
『女の愛を恐れよ。かの幸を、かの毒を恐れよ』……
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「はつ恋」とはウラジミールの初恋であり、またジナイーダの初恋だった。自らが恋におちて初めて、彼女は今まで自分が男性達をもてあそんできたことの残酷さを思い知る。
ジナイーダの遊びは『真珠夫人』の瑠璃子のサロンに似ている。菊池寛は、これを読んでいただろうか。そればっかり、気になった。
原題:Первая Любовь ピェールヴァヤ・リュボーフィ(wikipediaによる表記)
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こんな初恋がしたいとも思わないけどやっぱりロシアの文学というのは素晴らしいのでしょう。俺の初恋はこんなにハードではなかった。自分を投影することは絶対出来ないけど、主人公の切ない気持ちがわかるラブストーリー。
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あまずっぱく切ない恋とは無縁。文体の綺麗さに思わず忘れそうになるがこれ結構昼ドラ並のディープな展開じゃありませんか??!!・・・とはいえ、盲目的に恋する女性につっぱしる少年の姿に共感。
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青春のままのジナイーダの思い出がラストで祈られる。気に入った方はアレクサンドルペトロフの「春のめざめ」も気に入るはず・・
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ロシア文学第一弾。物語の始めから終わりまで哀愁漂う一冊だった。わたしのロシア文学に火をつけてくれた。ありがとう!
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嫁が昔読んだとかで家にあったので読んでみた。
昔チェーホフの作品を同じ訳者で読んだ時は非常に読みやすかったように
思ったのですがはつ恋は少し読みづらかった印象。
とはいえ130ページほどの本なのですんなり読めます。
内容に関する予備知識は全く無い状況で読み始めましたが
結構予想できない展開に惹き付けられました。
あらすじを簡単にまとめれば内容はほんの少ししかないし
非常に詰まらん内容だと思うのですが
そこは文豪ツルゲーネフの尋常じゃない表現力により
名作と仕上がっております。
「はつ恋」という誰しもが味わったことのある
甘酸っぱい経験をこんな風にも表現できるんだなぁと
少し感心してしまいました。
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ツルゲーネフたん。(なんのロシア萌え)たしか馬で木立の生えた広い土地を走っていたような気がするんだ…しげみに黒スグリとか生えてた気がするんだ…きれいな気の強いロシアっぽい女の子と、広い空の下馬で駆けてたようなそんな憧憬を思い出すんだけど内容覚えてねーよなんだよおれ!
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初のロシア文学。
名前は覚えにくいし、なんだか回りくどい書き方(翻訳のせい?と言っては失礼だが、原文で読まない限り本当のニュアンスはどうしたって伝わらない)だし、今だからこそ読めるようになった類の本だと思う。
主人公はさておき(というのも私自身が女だからだが)、
ジナイーダがほんとうにほんとうに可愛い。いじらしい。
頭がいい娘なのだろう、その美しさと賢さでたくさんの青年を虜にする。
虜にしていることだって、彼女が気付いていないはずもない。
青年たちはそうと分かっていながら彼女に惹かれずにいられない。
そのことにすら、彼女はもちろん気付いている。
一枚上手なのだ。
けれど、ジナイーダは叶わぬ相手に恋をしてしまう。
青年たち相手にはとても賢く振る舞うのに何故、自分の恋の感情はうまく扱えないのか。
あぁ若いとはこういうことなんだなぁ。としみじみ思った。
そして、まだ若い自分自身の身の上をふと思って、どきどきしてしまう。
恋ってコントロールできない感情なのだ。
この物語で恋をしている人物はみな、そんな不器用な人たちばかり。
でも、それでも、恋の感情はとても美しく描かれる。
それも、この物語の魅力だ。
2010.5.31
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身も心も投げ出してしまいたくなるような「はつ恋」についての感情を美しい文章で書かれていました。
主人公を惑わす令嬢、ジナイーダへの複雑な思い。
そして、令嬢ジナイーダの恋へ身を滅ぼす姿。全て印象的な小説でした。
「そうだ、とわたしは思った、―これが恋なのだ、これが情熱というものなのだ、これが身を心も捧げ尽くすということなのだ。」
なんだか、初恋の及ぼす脅威、恋という得体の知れないものへ対する不安すら感じる言葉でした。
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彼女に恋をした16歳のウラジミール。それを知りながら接してくる小悪魔・ジナイーダ。
切なかったのは最後の方の二人のやりとり、ウラジミールの父親とジナイーダの関係が明らかになった後のこと。
『ほんとに、わたし、そんな女じゃないの。わたし知っててよ、あなたがわたしのことを、悪く思ってらっしゃることぐらい』
『僕が?』
『そう、あなたが……あなたがよ』
『僕が?』と、わたしは悲しげに繰返した。そしてわたしの胸は、うち克つことのできない名状すべからざる陶酔にいざなわれて、あやしく震え始めた。
『この僕が? いいえ信じて下さい、ジナイーダ・アレクサンドロヴナ、あなたがたとえ、どんなことをなさろうと、たとえどんなに僕がいじめられたろうと、僕は一生涯あなたを愛します、崇拝します』