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収録作品一覧
地下室の悪夢 | 39-74 | |
---|---|---|
波が砕ける夜の海辺で | 75-92 | |
やつらの出入口 | 93-118 |
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紙の本
暗い処にいるモノ
2001/02/27 07:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kyowya - この投稿者のレビュー一覧を見る
処女の血、墓場の土、馬の蹄……悪魔を呼び出すための材料を全て飲み込んだクリーニング工場の圧搾機は、血を求めた。子取り鬼に子供を殺された男は、旨そうに博士を食べている子取り鬼を見た。
人間は暗い処にいるモノを知らない。しかし、暗い処にいるモノはいつでも人間を見ていて、飲み込もうとしている。
紙の本
溢れんばかりのアイデアの迸り
2017/01/01 23:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
キング初の短編集。日本では本書と『トウモロコシ畑の子供たち』の二分冊で刊行された。
はしがきにも書かれているようにデビュー作『キャリー』以来、『呪われた町』、『シャイニング』と立て続けにベストセラーのヒットを叩き出した当時新進気鋭のキングが、その溢れんばかりに表出する創作の泉から紡ぎ出したのが本書と次の『トウモロコシ畑の子供たち』に分冊された初の短編集である。
今まで自分の頭の中で膨らませてきた空想の世界が世に受け入れられたことがさらに彼の創作意欲を駆り立て、兎にも角にも書かずにいられない状態だったのではないだろうか。
その滾々と湧き出る創作の泉によって語られる題材ははしがきで語っているように恐怖についてのお話の数々だ。
古い工場の地下室に巣食う巨大ネズミの群れ。
突如発生した新型ウィルスによって死滅しつつある世界。
宇宙飛行士が憑りつかれた無数の目が体表に現れる奇病。
人の生き血を吸ったことで殺戮マシーンと化した圧搾機。
子取り鬼に子供を連れ去られた男の奇妙な話。
腐ったビールがもとでゼリー状の怪物へと変わっていく父親。
殺し屋を襲う箱から現れた一個小隊の軍隊。
突然意志を持ち、人間に襲い掛かるトラック達。
かつて兄を殺した不良グループが数年の時を経て再び現れる。
忌まわしき歴史を持つ廃れた村に宿る先祖の怨霊。
これらは昔からホラー映画やホラー小説、パニック映画に親しんできたキングの原初体験に材を採ったもので題材としては決して珍しいものではない。ただ当時は『エクソシスト』やゾンビ映画の『ナイト・オブ・リビングデッド』といったホラー映画全盛期であり、とにかく今でもその名が残る名作が発表されていた頃でもあった。
そんなまさにホラーが旬を迎えている時期に根っからの物語作家であるキングが同じような恐怖小説を書かずにいられるだろうか。
その溢れ出る衝動の赴くままにここでは物語が綴られている。
しかしこの着想のヴァラエティには驚かされる。今ではマンガや映画のモチーフにもされている化け物や怪異もあるが、1978年に発表された本書がそれらのオリジナルではないかと思うくらいだ。
本書の個人的ベストは「やつらはときどき帰ってくる」だ。この作品は少年時代にトラウマを植え付けられた不良グループたちが教師になった主人公の前に再びそのままの姿で現れ、悪夢の日々が甦るという作品だが、扱っているテーマが不良たちによる虐めという誰もが持っている嫌な思い出を扱っているところに怖さを感じる。無数の目が体に現れたり、小さな兵隊が襲ってきたり、トラック達が突然人を襲うようになったりと、テーマとしては面白いがどこか寓話的な他の作品よりもこの作品は誰もが体験した恐怖を扱っているところが卓越している。
また最後の短編「呪われた村<ジェルサレムズ・ロット>」は長編とは設定が全く異なることに驚いた。一応長編の方も再度確認したが特にリンクはしていないようだ。ただ後者は全編手記によって構成されるという短編ゆえの意欲的な冒険がなされ、最後の一行に至るまでのサプライズに富んでおり、長編の忍び来る恐怖とはまた違った味わいがあって興味深い。
さて本書は最初に述べたようにキング初の短編集でありながら、次の『トウモロコシ畑の子供たち』と分冊して刊行された。いわば前哨戦と云ってもいいかもしれない。それでいて現在高評価されている漫画家へも影響を与えたほどの作品集。次作もキングの若さゆえのアイデアの迸りを期待したい。
紙の本
スティーヴン・キング入門に最適。
2003/02/14 01:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:forest - この投稿者のレビュー一覧を見る
キング原作の映画「地下室の悪夢」を見て、原作を呼んでみたいと思い
購入しました。
映画ではいくらか救いのある終わり方になってるのですが、こっちは
救いようがありませんね。それがまたキングのホラー小説の特徴でもあるそうですが。
「やつらはときどき…」は主人公はついに妻を殺されて昔の不良の幽霊と戦うんですが
決して正しいやり方で戦うのではなくて悪霊の力を借りるんですよね。
これがまたダーク。
「人間圧搾機」はちょっとしたトラブルで機械が悪魔憑きに変わってしまう…。
それは誰にもわからない恐怖をかもし出しています。
私が気に入ったのは「やつらはときどき帰ってくる」と「やつらの出入口」です。
次は「図書館警察」が面白そうなので購入の検討してます。