紙の本
わずらわしさと同時に甘い予感
2009/02/06 23:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン エトセトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋に疲れたら、愛することを始めましょう。
一直線に、気持ちと行動を表現できるだけの体力時代を過ぎた頃、
記憶と感情が交差して、ほんの少しの煩わしさを楽しめるようになった男と女。
微妙な心理を大胆に、体の反応をさりげなく描いているところは、
さすがに林真理子、あなどれない。
男が読んで面白い、女が読んで、さらに面白い。
甘い予感は、女の特権だけではありません。
二人を包む情景を何気なく雪景色に照らし合わせているあたりは、
直木賞作家ならではの味わいです。
恋に、男と女に、そして愛、
間に合ううちに読んでおくべき一冊。
真理子ワールドへようこそ。
電子書籍
最終便に間に合えば
2019/03/01 10:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もも - この投稿者のレビュー一覧を見る
30年以上前に書かれた作品。自分はこの作品をリアルタイムで読んだ。が、内容はすっかり忘れており、読んだあと、面白かったあ、と感じたことだけ覚えている。30年を経て、再読したが、今回もやはり面白かっあ。当時の世相など思いだし、懐かしさも感じながら読んだ。年若い男女の恋愛のかけひきの感情は、今も昔もそんなに変わっていないのでは、と思った。
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林真理子さんの短編小説。『最終便に間に合えば』に出てくる男の人の自己中な態度や頼りない態度がいらいらする感じ(笑)
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OLから造花クリエーターに転進した美登里は、旅行先の札幌で7年前に別れた男と再会する。空港へ向うタクシーの中、男は昔のように美登里を誘惑してくるが…。大人の情事を冷めた目で捉えた表題作に、古都を舞台に齢下の男との甘美な恋愛を描いた「京都まで」の直木賞受賞2作品他を収録する充実の短篇集。
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直木賞受賞作品である「最終便に間に合えば」と「京都まで」を収録。
全5話の短篇集。
エンジェルのペンは作家のお話は
小説なんだけど何故かリアル。
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直木賞受賞の短編集。男女の機微に鋭い。けど、編集者とか作家とかクリエイター系の人々が多く出てきて、やはり私小説めいてる。そこがいいんだけど、ちょっと食傷気味にも。
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林真理子の初期の短編集。
なんだかぼーっとしている印象。
作家などクリエイティブな女の主人公が多かった。
それより、OLの気持ちの方がわかるなぁと思った。
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浦野所有。
久々にババを引いた、というのが正直な感想です。文春文庫版に収録されている5編のうち表題作と「京都まで」で、著者は直木賞を受賞しています。しかし、いまだかつてこれほどつまらない直木賞作品を読んだことはなかったなぁ。
「マシ」といえるのが「京都まで」なんですが、あとの4編はすべて読む価値なし。何というか、読んだあとの気分がよくありません。「マズいものを食って、味の濃いジュースを何杯飲んでも口の中に味が残る」というような後味の悪さです。一人で生きる強い女性。男に頼りたいけど、もてないから仕方なしに強い女を演じ続ける女性。そんな主人公が、自分を格好よく見せるために取りつくろいながら、さも「私は自然体ですよ」的な雰囲気をかもし出す世界が繰り広げられています。登場する男のダメっぷりは痛烈でもありますが、何がいけないのか、おもしろくないんだよなぁ。
林真理子の『週刊文春』の連載エッセイはおもしろいんで期待が大きかっただけに、ちょっとがっかりでした。
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第94回直木賞。
女実業家が元カレと札幌で再会し、最終の飛行機で東京に帰るまでのレストラン~タクシーでの物語。
付き合ってた頃のエピソードとともにすすんででいくが、当時とは2人とも立場や経験が違うから、今となっては手練れのかけひき。
OLならではの孤独や狡猾さが描かれ、林真理子らしい1冊。
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一話目の「最終便~」にむかついた。面白かったからむかついた。
こういう駆け引きは腹が立つ。
京都の若い男の話も面白かった。そんなもんだよなあ。
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女のキモチを知り尽くしている女。聞いただけでゾクっとして後ずさりしてしまいそう。著者の作品のイメージは男にとって脅威そのものだとそういう予感がしていたのでずっと本棚で熟成させておいた。知りたいけど知りたくない。知りたくないけど知りたい。けだし時の流れははやいもの。この漬物はよくツカットル。
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今読むと中途半端に時代を感じてしまう。その当時に流行小説として読むか、もうあと何年かしていい具合に熟成したのを読むほうがよかったかも。
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第94回直木賞受賞作品。
直木賞受賞二話を含む五話の短編集でした。
当然と言えば当然ですが、五話とも圧倒的な女性目線で話が進み、男性は情けない存在として描かれている物語。
「最終便に間に合えば」(主人公:永田美登里)・・・直木賞受賞
「エンジェルのペン」(主人公:曾根浩子)
「てるてる坊主」(主人公:礼子)
「ワイン」(主人公:曾根洋子)
「京都まで」(主人公:佐野久仁子)・・・直木賞受賞
「てるてる坊主」以外の物語は独身女性が主人公で何かしら文筆業にも関わっている設定が自分の知らない世界で面白く読む事が出来ました。
細かい事ですが、「エンジェルのペン」と「ワイン」の主人公の苗字が同じなのも気になりました。
全体的なテーマとしては女性特有の恋愛観、結婚観、価値観、そしてプライドや切なさであり男性読者には身につまされる五話の物語でした。
でも女性が何事にも一生懸命になるのは共感が出来ます。
評価は短編であるが故の物足りなさと脇役として登場する男達が魅力が無いと感じてしまい星2つとしてしまいました。
女性が感じる複雑で切ない感情の機微を知りたいと思った時には、お薦めです。
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個人的には『京都まで』が好きです。三十代の女性の閉塞感や切実さ、対照的に日常から解き放たれたときの開放感が、ひしひしと伝わってきます。冬の京都の身を切るような寒さの描写も、小説の切迫感を増していると思います。
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林真理子さんの短編集。直木賞作品。
先日他の一冊を読んだ時には、えっ?直木賞作家でしょ?って思ったのだけど読みやすいからつい再チャレンジしてしまいました。
でもチャレンジしてよかった。こっちのほうが面白かったです。
しかも1988年出版っていうからすごい。負け犬ブームのだいぶ前じゃん(笑)
バブルな雰囲気も意外と好きだったりして。。
こういう気持ちわかる、こういう男いる、こんな女知ってる・・・見栄やプライド、意地に埋もれたダメダメな男女の話だけど、どこかしら共感できちゃう。
難しい本読みたくないなあというときや、残業帰りで疲れてるときでもスルスル読めます。
通勤片道で1話いけるっていいよね?!