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紙の本
著者 川端 道喜 (著)
和菓子の京都 (岩波新書 新赤版)
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評価内訳
2012/10/31 12:52
投稿元:
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十五代川端道喜の著 序章 京都人気質入門ー祇園界隈 いきなり本題に入るのはやぼというわけで、祇園から京都を語ります。祇園の街の地図(5頁)を見るとこの本の書かれた当時(1990年)が思われます。 第1章 道喜の粽がたり 川端家が御粽司(おんちまきし)というのは、御所御用で御がついたといいます。以下、粽のルーツ、光秀の真実、厄除と伝統、吉野葛はいづこへ、消えゆく笹、粽の作り方、餡をめぐる冒険、親から受け継いだこと、特注の粽と小題を並べてみました。ここがこの本の白眉です。じっくり味わいたいところです。しかしながら本が入手しにくいことから、TStudyのブログの方に少し引用してあります。ご参考までに。 第2章 葩餅、肴から茶菓子へ 御所の鏡餅の菱葩の葩という薄い餅が葩餅として伝わったと考えているようです。葩餅を作る話は苦労の連続のようです。なぜ葩餅を茶道の家元に主力を置いて、一般の人にあまりすすめないか。持ち帰る途中で、餅皮が破れて味噌が流れるからだそうです。家元は業躰さんが運ぶのに慣れているからだといいます。食べる方の苦労の話になります。「御懐紙に包んで、端を少し折り曲げて、口元を隠して、そのままかぶって食べ」(82頁)るのが失敗の少ない召し上がり方だそうです。 第3章 宮中の歳時記、茶の湯の四季 川端家の御用も明治天皇の東行で大きく変わります。明治4年の『月々御定式御用控』により、1年の歳事を振り返ります。お金の話が面白い。『御用記』には金額が書いていない。盆暮の支払時期に予算に応じて払われたらしい。 払えないものは献上扱いになったといいます。 第4章 京菓子の生活文化 茶の菓子としての京菓子の歴史を述べています。利休の時代は武将の茶であったものが、力をつけた町人も参加するようになる「茶の湯の大衆化」で京菓子が生まれたと見ているようです。「本来茶菓子というのは、茶屋の隣りにある水屋で客数に合わせて亭主が作るべきものだったのが、そのうちに菓子屋をよんで水屋で作らせるように」(128頁)なったといいます。茶道も明治の初期に京都の人口が激変することで衰退します。京の菓子屋も生き残りのため共同で「御菓子券」を発行するなどしたと書いています。この商品券のようなものは、菓子券を売った時点でお金がはいるけど、菓子券をもってやってくる人にお金をもらわずに菓子を作って渡すので、夜逃げ詐欺などがでて結局は失敗に終わります。 著者は「京菓子の場合、茶道との関係で、最初は武家に、そのうちに町人のなかに浸透して大衆化した」(147頁)とみています。茶の湯が男性から女性に移って領域が拡大したことが和菓子お需要拡大につながったというわけです。ここでは豊かな生活とは何かいうことを考えさせられます。 第5章 御所、幕府そして川端家 御所の西の「六丁衆」という町衆との関わりで川端家の歴史を述べています。六丁衆の歴史も明治になり御所がなくなるとともに終わることになります。 川端家が御所と関わりを持った御朝物(おあさもの)の献上の話や、千利休との交流の話がありました。信長や秀吉との関わりで著者は独特の解釈をしており面白いと思いました。歴史家がここまでフォローするといいなあ。江戸時代は東福門院に可愛がられたそうです。東福門院下賜の品々の説明が189頁から192頁にかけてあります。そういえば、建礼門の東隣りにある「道喜門」については、門の写真と家伝である『家の鏡』の由緒書きのところの写真を176頁に載せているだけで本文では説明していないところが京都人らしさでしょうか(注)。明治になって天皇が東京に行ってしまい、皇室というパトロンを失ってしまい、茶道の方に入り込んでいくことになります。 終章 伝統をこえて 楠本健吉さんや荻昌弘さんなどとの交遊の後、京の職人気質に触れています。「京都の老舗で家訓がズラズラッとあるというのは、直接製造にかかわっていない、つまり職人でない大店です。菓子屋にはそういう家風というのはそんなにないというのが当り前で、めったやたらに家訓をつくってしばりつけると、むしろかえって早く崩壊するんじゃないかと思うくらいです。」(205頁) 川端家の申し送りは、「品物を吟味して濫造せざること」(同)だそうで、「けっしてたくさん作るなという意味ではなく、乱れた作り方をするなという意味」(同)なんだそうです。合理化を否定してはいません。伝統についての話で終わります。 「私は伝統というものが、必ずしも昔のままであることに固執しなければにらんというものではないと思っているのです。ある程度、その時代の背景にのっていかなければなりません。一番大事なことは、いかに自分をいつわらずに生きていくか、いつわらない商売をしていくかということだろうと思います。」(206頁) (注) 『京都御所西一松町物語』(杉山正明、日本経済新聞社、2011年)を走り読みしていたので、川端道喜の話しは知っていたけど、著者は自慢噺にしたくない書きぶりですかね。
2011/06/13 17:08
読みがいがあった。本に語られる壮大な歴史のなかで、俺にできることは、粽を買いもとめて旨い旨いといって食うことだ。
2015/01/05 17:39
川端道喜が書いたというレア本。最近復刊したそうな。 川端道喜のお菓子、食べてみたいんだけど値段も高いしあまり出してないし、お高いところに止まってる和菓子屋のイメージがあった。 けれど中の事情もあるそうで、割りと赤裸々に良い面も悪い面も語られていた。 これでさらにはなびら餅と粽が食べたくなったのは仕方がない。
2012/07/23 22:02
ちまきを作り、はなびらもちを作る老舗和菓子屋から見た京都の歴史、和菓子屋の気概。決して大きく儲けず小さな店を続ける京都人の気質にも言及あり、なるほどと思う次第。
2015/11/03 23:01
1990年発行で、著者は出版年に他界されているとのこと。まるで京都の和菓子の老舗当主が目の前で話しているような興味深い本だった。 天皇が明治に京都に出て行った後、出入りしていた業者はどうなったか。とらやのように、東京に付いて行った者もいれば、川端道喜のように京都に残るのを選択した者もいた。著者によれば、当時の当主は2回、東京に大膳の作法を教えに行ったが、その後は困窮し、茶道の家元に近づき、今も初釜などには茶菓子を納入しているという。 それまで天皇家との関係は深く、京都御所には建礼門の隣に専用の「道喜門」があったほど。面白かったのは、天皇家にはお金がなく、やたらと「献上品」という記録が出てくるとの下り。江戸時代でも3万石程度しか幕府からもらえず、質素倹約を強いられている中で、宮中祭祀もあり、献上に頼らざるを得なかったとのこと。 本書に出てくる、茶道の初釜に使われる葩餅、表千家と裏千家の間にある「宗旦銀杏」を使ったぎんなん餅、そして代表的な商品である吉野葛を使ったちまき、一度は食べてみたいという気にさせられた。
2014/12/18 18:29
応仁の乱のころから続く京都の老舗和菓子屋の主人が、京都人のものの見方考え方を解説する本。 商人として図太く生きていく部分と、職人として譲れない部分、歴史を背負った京都人のバランスを取っていくところがとても興味深い。 ちまきはおいしそう。
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