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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1990.12
  • 出版社: 新人物往来社
  • サイズ:20cm/238p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-404-01791-X

紙の本

信玄の妻 円光院三条夫人

著者 上野 晴朗 (著)

信玄の妻 円光院三条夫人

税込 2,670 24pt

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みんなのレビュー2件

みんなの評価4.0

評価内訳

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  • 星 1 (0件)

紙の本

テレビの影響力って怖い

2004/06/28 14:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タララン - この投稿者のレビュー一覧を見る

考証といい史料の吟味といい念入りな現地調査といい
素晴らしい本です。買ってよかったです。
信玄の正室三条夫人は世間にあふれる信玄の側室で勝頼の母の諏訪御寮人への
ひいきに基づく小説やドラマの被害者だった事がよく分かりました。
本当に三条夫人を悪く描いているフィクションばかりですね。
清華七家の三条家の家柄を鼻にかけて武家を馬鹿にし
信玄の側室の諏訪御寮人に嫉妬して辛くあたったとか
信玄より三歳年上で姉さん女房ぶっていたとか色黒でひらめのような
顔の不器量な大女だったとか。しかしこれらは全く根拠のない作家たちの
憶測と諏訪御寮人へのひいきに基づいたでたらめだった事が判明しました。
三条夫人が嫉妬深いとか高慢とか不器量とかいう同時代の史料も
なかったし。特に新田次郎の小説での描かれ方なんてかなりひどいです。
しかもこの人は後で「三条夫人の事はよく調べないで書いてしまった。」と
書き残してますからね。実際の三条夫人は信玄と同じ年齢で
美女で仏への信仰心が厚くて
春の陽のような暖かく穏和な人柄で武田家の屋敷の女性達からの
人望も厚く彼女達の相談にもよくのってあげ信玄との夫婦仲も
このうえなく良好だったそうです。三条夫人のお墓がある
山梨県の甲府市の「円光院」に残っている「葬儀目録」に書き残されてある
三条夫人の葬儀に出席した快川国師やその他の
僧達が生前の三条夫人について語った法語によると。
それに「円光院寺伝」によると
信玄は自分が日頃信仰していた刀八毘沙門天と勝軍地蔵の二体を
信州駒場での臨終間近に密かに家臣の馬場美濃守信房
に託し自分の遺体と共に円光院に埋葬してくれるように
遺言したというのです。しかし円光院のご住職によると
勝頼が反対してこの信玄の遺言は実行されなかったとか。
ますます諏訪御寮人が信玄の最愛の妻という巷に
広く流布している説は根拠が弱くなっていきますね。
私は三条夫人が信玄の最愛の妻だったような気がするのですが。
大体仲が悪い夫婦の間に五人も子供がいるわけないじゃん!と思うんですがね。
必ずしも武将の後継者になった息子の母が一番愛されていた妻とは
言いきれないですし。それに三条夫人の息子は義信以下誰も
後継者になれない理由がありましたし。二男は盲目で三男は早世。

しかしフィクションの特にテレビの影響力は怖いですね。
この本によると新田次郎原作の大河ドラマ「武田信玄」の影響で円光院は十数年にわたって荒廃してしまったとか。そもそもこの本が書かれる事になったきっかけも大河ドラマ「武田信玄」での三条夫人の悪い描かれ方に円光院の
ご住職が怒りお嘆きになったからだとか。嘘も何百回もずっと言いつづけていれば
本当になるという怖さも感じましたね。あまりにも気の毒な三条夫人の
悪妻説の定着の過程を見ていると。三条夫人を公平に扱った小説や歴史の本
なども全然ないような気がしますし。やっぱり歴史小説や歴史ドラマをそのまま鵜呑みにして信用してしまってはいけないですね。読者や視聴者側も簡単に
信用してしまわない見識を持つのが必要なのではないでしょうか?

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2011/05/29 11:37

投稿元:ブクログ

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