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商品説明
「…水を水とすることが舞台という空間の上では案外むずかしいのである」。演劇という表現の容量を広げ、性能を少しでも高めたい。演劇への望みを託した本。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
太田省吾はエリック・サティのように、「各人が自由に自分の足跡を残せる、白い路を示してくれる」(ジャン・コクトー)。
2005/01/22 01:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る
鈴木忠志とともに日本の現代演劇を精緻な理論で支えてきた演劇人、それが太田省吾である。僕は彼らの舞台を見たことがない。ただ彼らの本を読み、折に触れて読み返しながら、たしかになにか力強いもの、希望のようなものを感じ、受け取ってきた。それによって生きやすくなったかといえば、むしろ逆であるようなのだけれど。すべてが崩れ落ちてしまいそうなとき、彼らは“そこ”からスタートすることができる“時空”のおとずれを、静かにささやきかけてくれる。
太田省吾は『劇の希望』(『舞台の水』入門篇)のなかで「劇的」なるものを疑う。「劇表現の自由」を得るために「劇的素材」と「劇的手法」を疑う。
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彼は哲学者・竹田青嗣の言葉を引きながら論を進める。
>(竹田『問題としての昭和』)
「信」の問題を回避するとき、「劇」は「人生の退屈な部分を削除したもの」(アメリカの某テレビ局の社長談)になる。しかしそれは「芸能」の方法である、と彼は言う。
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吉本隆明の『空虚としての主題』を引いたうえで、太田省吾は言う。(彼にとって、「物語」=「劇的」なるものである。)
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この路の先にたとえば、宮沢章夫の『不在』という、『ハムレット』を下敷きにした小説が書かれている。