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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1994.7
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/572p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-327509-X
紙の本
一瞬の夏
著者 沢木 耕太郎 (著)
【新田次郎文学賞(第1回)】元東洋ミドル級チャンピオンが4年ぶりに再起する…1度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに夢を託し、人生を賭ける男たち。第1回新田次郎賞受賞作...
一瞬の夏
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商品説明
【新田次郎文学賞(第1回)】元東洋ミドル級チャンピオンが4年ぶりに再起する…1度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに夢を託し、人生を賭ける男たち。第1回新田次郎賞受賞作の新装版。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
沢木 耕太郎
- 略歴
- 〈沢木耕太郎〉1947年東京都生まれ。横浜国立大学卒業。ノンフィクション作家。「テロルの決算」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。ほかに「バーボン・ストリート」「敗れざる者たち」「人の砂漠」など。
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紙の本
黒い男
2006/05/04 06:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は沢木作品の最高傑作である。「スタイルの冒険」を常に模索している沢木のある種の到達点である。おそらく、どんな小説、ノンフィクション作品の中でも、最も優れているだろう(ぼくの知ってる範囲では)。
「スポーツライター」を自称する沢木の求めていたのは、ものすごく贅沢なものだ。それは「自分もその当事者になる」ということだ。ふつうのライターはそうではない。何か起こった事象に対して、常に受身である。しかし、本書は違う。「自分の見たものしか書かない」はたして、これがノンフィクションといえるのだろうか?いや、これこそがノンフィクションではなかろうか!スポーツというものはとても魅力的なものだ。Wカップをみてもわかるとおり、あんなに「熱狂」するものはない。その「熱狂の記録」である。「私小説的」ともいえる。つまり「物語」を作ることだ。しかし、ノンフィクションにおいて、それはタブーだ。その行為はあまりに「恣意的」になってしまうからだ。「細部にこそテーマは宿る」この言葉は本書のためにあるような気がする。「夢を追いかける、熱い男の物語」そんな言葉が頭をよぎる。まさに「一瞬の夏」である。
紙の本
一瞬の光
2002/06/28 18:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hanako - この投稿者のレビュー一覧を見る
事実をありのままに書くだけではなく、著者の眼を通じて見た世界を、描く。著者の眼というフィルターを通った世界は、客観性を失ってはいないが、著者の心象風景が色濃く映し出されている。
ノンフィクションでもフィクションでもない、独特のスタイルを持った著者の、最も“らしい”作品であると思う。
なぜなら、本作品では、著者は見る側に徹しておらず、当事者であるからだ。つまり体験記とも呼べる訳であるが、「体験」という言葉はこの作品に相応しくない。ある一人のボクサーに入れ込み、試合の交渉まですることになった著者は、裏切られ、悩みながらも、そのボクサーを“見る”ことをやめることができない。ボクシング、そしてある一人のボクサーの、一瞬の光に魅せられた男たちの、あつい夏の物語である。
現在、スポーツライターとしても活躍している著者の、原点とも言える作品であると思う。