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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1994.8
  • 出版社: 早川書房
  • レーベル: ハヤカワ文庫 SF
  • サイズ:16cm/476p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-15-011072-7

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文庫

紙の本

ゼノサイド 上 (ハヤカワ文庫 SF)

著者 オースン・スコット・カード (著),田中 一江 (訳)

ゼノサイド 上 (ハヤカワ文庫 SF)

税込 968 8pt

ゼノサイド(上)

税込 990 9pt

ゼノサイド(上)

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みんなの評価3.9

評価内訳

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紙の本

人間のエゴむき出しの悲惨さ

2001/11/15 17:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なたね - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どうしても、人間という種族は「排他的」で「優越感」を持ちたがるのだろう。
 理解不能なものに対して押し付ける「偏ったルール」。このゼノサイドで描かれるのは徹底した人間悪の表現に他ならない。

 感情のおもむくままに人を傷つけ、異種生物のピギーを傷つけ、破壊した後の惨劇を見て「こんなはずじゃなかった」と反省するが、またなにかあればすぐに他者を傷つけようとする惑星ルジタニアの住民達。

 エンダーを支えようともしない彼が選んだ「家族」も、この住民だと考えれば、要所要所に出てくる腹正しい振る舞いもよくわかる。

 ここまで傷つけられたのだったら、こんな惑星放っておけばいいのに、とさえ思ってしまうような展開なのだが、そこにはちゃんと「バガー」や「ピギー」(そして無機質名はずのコンピュータ)などの人間以外の種族の暖かな姿で補われている。

 彼らの純粋な「生」への大きな希望が、悲惨でエゴ丸出しの人間の姿と対照的で、作者はこういうメッセージを送りたいのだ、と共感してしまう。

 胸を打たれるほど、悲惨で切ない大量残虐のシーンは、今でも人間がいつでもこういう姿になってしまうのだ、と警告されているようで私達の戒めとして心に強く残っている。

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紙の本

各種要素が織り合わさって一つの物語を成す……

2001/06/25 18:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こじましゅういち - この投稿者のレビュー一覧を見る

 エンダーが惑星ルジタニアに居を定めてから30年が過ぎた。エンダーももはや老人の域に達し、彼の義理の子どもたちもそれぞれの道を歩んでいる。しかし、スターウェイズ議会がルジタニアを破壊しようと送り出した粛清艦隊が接近しつつあった。アンシブルの間に住まう存在であるジェインは、議会と粛清艦隊とを結ぶアンシブル網を遮断する。しかし、その企みを調査していた植民星パスの有力者ハン親子がジェインの存在をかぎつけ、ジェインは自らの存在の危機に立たされる。ルジタニアでも種族間で問題が発生する。二重三重にもなった困難にエンダー達はいかにして立ち向かうのか…。

 各種要素が織り合わさって一つの物語を成す、エンダーシリーズの3作目。要素の一つ目は、ルジタニア粛清艦隊の接近とともに表面化する、ピギー、バガー、人間の種族間の確執。それぞれの思惑が絡み合い緊張が高まる。『死者の代弁者』において人間とピギーの間に交わされた盟約も、その真価を試されることになる。さらに、意表をつく第3の知性体の存在も…。
 二つ目の要素は、中国系の植民星パスにおける、フェイツーとチンジャオのハン親子、そして召使シー・ワンムの物語。ルジタニアとは遠く離れた場所で繰り広げられる物語は、まったく別個の物語のようでありながら、ジェインを介してルジタニアと深くかかわっている。
 そして三つ目の要素は…家族の絆。エンダーとその義理の子供たちの間の絆、ハン・フェイツーとハン・チンジャオとの間の絆。家族の絆をめぐる描写は、この物語全体の欠かせないベースとなっている。
 されど、これだけの要素をもちながら、全体としては豪快にも前後編の前編と行った趣き(後編はもちろん『エンダーの子どもたち』だ)。ここまで読んだら後はもう一気読みでしょう。

 物語の終盤で、エンダー達はルジタニアの生命体を粛清艦隊の手から逃がすことのできる手段を手に入れる。それがエンダー自身に途方もない結末をもたらすとも知らずに…。

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2005/09/28 23:17

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2006/06/02 22:04

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2008/05/30 01:53

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2016/11/29 08:47

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2018/11/12 22:32

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