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収録作品一覧
ダーウィン氏の著作『種の起原について』が、生物的自然の現象の原因にかんする完全な学説として占める位置についての、批判的検討 | T・H・ハクスリ 著 | |
---|---|---|
『種の起原』への批判について | T・H・ハクスリ 著 | 57-90 |
ダーウィンの進化学説について | E・H・ヘッケル 著 | 91-116 |
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紙の本
進化論再考主要論文集
2018/10/15 18:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダーウィンの「種の起源」が刊行されて数十年間に出された論文や意見・講演を納めた論文集である。中には、ハーバード・スペンサーの有名な学説などが納められており、進化論が人口に膾炙している現代だからこそ読む価値がある。進化論の反論を示している文章もあるが、それらの説の大半が進化論を誤解していることに基づく。進化論を正確にかつ深く知るための一冊である。
紙の本
ダーウィン理論を吸収したさまざまな「精神的土壌」を掘り起こす
2001/09/18 17:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「土壌学」という研究分野が農学にはある。作物が大きく育っていく上で「土」という環境要素はそれだけ重要なのである。科学理論もそれと同じである。ダーウィン理論は生物は進化的に変化すると主張するとともに、そのメカニズム(自然淘汰)を提唱した。彼の理論は、現在の進化生物学のさまざまな研究テーマの実り豊かな種子を蒔いた。しかし同時に、ダーウィン理論そのものが、19世紀当時のさまざまな社会的・精神的・文化的な「土壌」の中でどのように育っていったかは、興味深い問題を提起している。
本書は、ダーウィン理論を同時代的に吸収していったさまざまな「土」をいまいちど吟味しようとして編まれた論文集である。トマス・ハクスリーやエルンスト・ヘッケル、そしてハーバート・スペンサーといった当時の論客たちの肉声を再び体験できる数少ない資料である。もちろん現代進化学の観点から、彼らの間違いを指摘することは容易だろう。しかし、私は、編者のスタンスである「われわれが後世、伝統の本道と見ているもののほかに、今では大きな霧に包まれて見失われそうになっている、あるいは見失われてしまっているが、かつては社会思想などの上で大きな影響力をもったもの」(p.120)にしっかり目を向けようという点に共感する。
ダーウィン理論はそれ自身がひとつの「歴史的存在」として、当時のさまざまな「土」に吸収され、その「土」の上に枝葉を広げてきた。現代のわれわれはともすればダーウィニズムの「花」あるいはその「果実」だけに目を奪われがちである。本書に所収された論考は、読者にあえて「土」に注意を向けさせることにより、ダーウィニズムの「ルーツ」を照らそうとしている。文庫本ではあるが、本書の意義は決して小さくない。
【目次】
解説 7
T・H・ハクスリ 25
ダーウィン氏の著作『種の起原について』が,生物的自然の
現象の原因にかんする完全な学説として占める位置について
の,批判的検討(1860年)
T・H・ハクスリ 57
『種の起原』への批判について(1864年)
E・H・ヘッケル 91
ダーウィンの進化学説について(1863年)
E・H・ヘッケル 117
綜合科学との関係における現代進化論について(1877年)
C・ライエル 153
変遷学説は人間の起原とどんな関係にあるか.ならびに創造
における人間の位置(1863年)
H・スペンサー 203
発展仮説(1868年)
H・スペンサー 217
生命の進化(1862年)
E・フォン・ハルトマン 251
ダーウィニズムにおける真理と誤謬(1875年)
ラヴォー・ド・レストラード 279
ダーウィニストたちの詭弁(1885年)
K・A・ティミリャーゼフ 291
生物進化の諸要因(1889年)
J・デューイ 321
ダーウィニズムの哲学への影響(1909年)
[付]他の重要な学者と問題 345
A・R・ウォレス 346
A・ワイスマン 353
E・デュ・ボア-レモン 359
K・ピアソン 361
H・ベルクソン 364
世界観・人間観とダーウィニズム 367
F・エンゲルスと『自然の弁証法』 374
日本の明治期 379