紙の本
従軍慰安婦は、世界中の軍隊がどこでもやっていること。悪いことでもなんでもない。
2005/11/23 14:01
39人中、24人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
従軍慰安婦について、意図的な事実の歪曲が横行している。英語でセックス・スレイブなどとおどろおどろしい訳語まで作って、世界に誤った情報を発信している輩が居る。そう、この吉見とそれにつらなるサヨク一味の反日・日本人。岩波書店や朝日新聞もその応援団で高橋哲哉なども、その一派だ。どうしてこいつらは日本に関するウソの情報を世界に、そして日本に発信することにここまで暗い情熱をかたむけるのだろう。従軍慰安婦とは、ただの売春婦で、世界中の軍隊は、その移動と共に売春婦も引き連れていどうした。これは世界的な常識である。だって年頃の若い男が大挙して集団で移動するんだモノ。どうしたって下の世話をする必要に迫られる。それには売春婦が不可欠で、戦争後進国の日本は単に西欧のシステムを真似しただけなのである。ニコラス・ケイジ主演の映画に「コレリ大尉のマンドリン」というのがある。これはギリシャの島を占領したイタリア軍の物語なのであるが、この島に進駐して生きたイタリア軍は、大量の女性を引き連れて島に上陸してくる。「おいおいイタリア軍は奥さん同伴で戦争してたのかよ」と思ったのは、左翼に間違った情報を刷り込まれていた私のカン違いで、これが、いわゆる、ひとつの「従軍慰安婦」なんですな。そう、イタリア軍もギリシャの島、ちっぽけな島にまで従軍慰安婦同伴で戦争しにやってきていたんですよ。無抵抗でイタリア軍に降伏したギリシャの島は平和そのもので、夜な夜なイタリア軍は従軍慰安婦とビーチでランチキパーティー。おっぱい丸出しでイタリア軍にしなだれかかるイタリアの従軍慰安婦の様子が克明に描かれています。これは英国軍も、フランス軍も、ドイツ軍も、みーんなやっていたことなんですな。だから西欧人は従軍慰安婦の問題を「問題視」する日本人や韓国人、中国人のことがさっぱり理解できない。「どうして戦争につき物のセックスの話を穿り返すのか」との質問に「それは東洋の文化の問題」と答えたドイツ女性がいたのには正直驚いた。だから、もう従軍慰安婦の問題で日本人が必要以上に韓国だの中国だのに申し訳なく思うのは間違いだし、韓国中国をたきつける高橋哲哉ら反日・日本人一味の策謀を、そろそろ正面から論破する覚悟を良識ある日本人は固めるときが来ている様に思う。
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「従軍慰安婦」問題を見極めるために
2001/04/03 18:45
19人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高杉親知 - この投稿者のレビュー一覧を見る
男性社会の日本において、従軍慰安婦問題は受けて立たなければならない問題だ。最近は従軍慰安婦問題を消し去ろうとする論陣が多く、従軍慰安婦が軍の強制連行であったか否かが現在焦点となっている。この本によれば軍が連行したという証拠は多くはないがゼロではない。インドネシアのオランダ人少女を複数連行し慰安婦として働かせていたことで、1948年バタビアでのオランダ軍事法廷で11人の日本人が死刑を含む有罪判決を受けているのだ。なお、これは被害者がヨーロッパ人であったため綿密な調査が行われたが、アジア人への被害は連合国が追及することはなかった。これが現在もなお慰安婦問題が解決しない原因だ。
そもそも、強制連行でなくても軍が慰安婦斡旋業者から慰安婦を「調達」していたのは事実であり、軍自体が慰安所を運営していたのも事実であるので、それを軍の強制連行の有無という問題に矮小化するのはおかしいのではないか? 慰安婦斡旋業者にだまされて連れてこられたという証言をする被害者の女性は少なくなく、また軍はそのような状況を黙認していたのだから強制連行だけにこだわるのは間違いだ。
この本で知って驚いたのは、元産経新聞社長・フジテレビ社長の鹿内信隆や元首相の中曽根康弘が、慰安所を作る勉強をしただの実際に作ったなどと楽しげに思い出話をしていることだ。
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性産業と軍隊の癒着
2006/01/19 06:44
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イッペイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
従軍慰安婦が性奴隷、セックススレイブ、と呼ばれることがある。しかし、本書を読んでこの認識が間違っていたことがわかる。
なぜなら従軍慰安婦は過酷な搾取を受けていた性労働者だったのである。従軍慰安婦の募集と並行して業者の募集も行われていたという。軍はセックスビジネスのノウハウも必要としていたのである。
従軍慰安婦を拘束するやり方は過大な前借金を利用する方法だったという。性労働者を縛り付ける方法は過去も現在も変わらない。戦時も平時も変わらない。
従軍慰安婦は軍に同行していたわけだが、銃弾が飛び交う中を現金の代わりに渡された紙の軍票をつめたリュックを背負って逃げ惑う様子が描かれている。リアルである。
軍票はただの紙切れになった。また奨励された貯金は未払いに終わった。外国人であるがゆえに。インフレで目減りしたとはいえ日本人の貯金は払い戻されたにもかかわらず。
産軍複合体という言葉がある。この言葉は軍幹部と産業の共同利害構造を端的に表現している。慰安施設はこうした軍とビジネスの癒着の典型であろう。
軍の予算はすべて国民の税金である。慰安所の利用に際して払うお金は兵士の給料の一部。施設の建設、業者への支払いは軍の幹部が管理している。
業者は軍から受け取った金から慰安婦に支払う。さて、最終的に慰安婦に渡るお金はいかほどか。
慰安婦たちは二重に搾取されていた。本書を読んでのぼくの感想である。性的に。そして金銭的に。
戦争というビジネスでは兵器ビジネスが最大のものであろう。しかし慰安所もまたビジネスであり軍幹部と性ビジネス業者の利権であった。
慰安婦たちは戦争という醜いビジネスの被害者であった。このビジネスは国民の税金を使ってなされたのである。このビジネスの結果に対してわれわれ国民は相応の結果責任をとるべきことは当然であろう。
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「慰安婦」についての研究をだいたい網羅している。「慰安婦」問題を学ぶ者にとってバイブル的な一冊だろう。1995年に書かれた本なのに今でもあまり状況が変わってないことを実感させられる。
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従軍慰安婦 評者が小学校ぐらいの時に習った記憶が無い。高校の時ですら教科書に太字でサラッと書いてあるぐらいだったように思う。
しかし、つい数十年前の出来事が石器時代のように簡単に片づけられるのだろうか。
本書は従軍慰安婦について公文書や元従軍慰安婦だった方たちのインタビュー、記録を中心に議論を展開させている。
そこには従軍慰安婦の成り立ち、実態などが赤裸々に綴られている。慰安婦となった女性は性病を患ったり戦後、アジアの中でも差別に悩まされることとなる。
ただし、本書が刊行された時点で既に終戦から50年以上経っており、筆者が認めているようにインタビューでは記憶が曖昧な部分、証言内容の矛盾など必ずしも信憑性があるとは言い難いものもある。
また、終戦前に資料を焼却したり、まだ非公開文書もあるためか推測に頼らざるを得ない部分もあるように感じた。
しかし、勘違いや推測のため全てを否定することや、連合軍も従軍慰安婦のようなものを設置していたことからあたかも正当化されるかのようなことが許される理由はない。
仮に必要悪と理由づけされるのであれば、全てのケースにおいて正当化させられかねない。果たしてそれが是とされるべきなのだろうか?
従軍慰安婦は他国も行ったかどうかが問題ではなく、人としての尊厳の問題である。
本書が刊行されて以降、政府も一定の謝罪は行っているが、国連加盟においてもアジアからほとんど支持されない現状を見ると、日本が世界から尊敬を集められるには程遠い。
オランダには抑留者への補償して1000万ドルを支払ったが、アジアに対してはどうだったのだろうか?これは評者が今後検討しなければならない課題である。
そもそもこれだけの問題を単刀直入に否定するネトウヨはどれほど丹念な検討を行ったのだろうか?
アジアの盟主としての尊厳を勝ち得た時、日本は本当の意味での一流国家となるのではないだろうか。
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まず最初に読んで欲しい本!!「慰安所」設置の状況や拡大の様子、女性たちの徴収や生活などが包括的に書かれています。当時の国際法に基づいた判断なども。「日本軍『慰安婦』問題」についての概略はこの本1冊ですっきりわかります。
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自分なりの見識を持っておこうと、教科書でも読むようなつもりで読んだら、気分が悪くなった。
旧日本軍が前線に慰安所を持っていたこと、そこに外国人の女性が大勢いたことは事実であって、いまもめているのはそれが日本軍の強制連行だったのかどうかという点らしいのだが、ぼくはそこにたどり着くずっと以前で気持ち悪くなった。
日本軍が慰安所を必要としたのは、日本の軍人が前線で現地の女性を強姦するのに手を焼いたためだというのだ。言われてみれば当たり前かもしれないが、ぼくはまるで気付かなかった。この前提については強制連行を肯定する論者も、否定する論者も異論はないようだ。
もちろん強姦は当時の日本軍においても重罪だったが、軍がたいそうなリソースを割いて慰安所でも用意しないとどうにもならん、と思うくらいに珍しくもない出来事だったようだ。しかも著者は「強姦事件を起こした兵士は、犯罪として追求されることをおそれて、強姦した女性を殺害することも少なくなかった」とさらっと書いている。
こういうのを最低と言わずして、何を最低というのだろう?
名著「草の根のファシズム」の吉見義明の仕事。
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昨今の不穏な空気を感じとっているのか今年に入ってからこちら、戦争ネタに敏感になっている。靖国問題も懸案のひとつだ。ともあれ今回は一度きちんと事実を把握しなければと思い歴史家である吉見さんのご本を読んでみた。非常にショックだったのは、いとも簡単にスラスラ読めるのである。従軍慰安婦に関する本など今まで一度も読んだことなどないのに、特につっかえることなくスラスラ読めるのである。
この事実が示す一つの帰結は、わたしの中に従軍慰安婦を創り出す要素が詰まっているということである。自分の中にないものには、???という反応が続き読み進めるのが困難なはずだからである。脳科学や哲学思想の本を読むときには項も簡単に読み進められない。つまり、従軍慰安婦を生み出した様々な要素が既にわたしの中に巣食っていたというわけである。なんとも悍ましいことではあるが認めざるを得まい。
日本に生まれて、日本で育っているのである。その歴史は土地に付着しわたしの身体特に脳内に檻のようにじわじわと溜まっていたのであろう。さぁ…どうしたものだろうか?
Mahalo
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朝鮮人の軍による強制連行の有無ばかりが議論されているが、強制連行の有無以前に、人権侵害とされるべき問題と思う。
日本人従軍慰安婦が社会問題とならなかったことをよいことに、軍の関与を否定しているいうに思う。
生死の境を彷徨った兵隊がストレスから解放されるための儀式だったのだろうか?
日本軍にかかわらす戦争遂行のために必要な施設。肯定できる戦争などあるのか?
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公文書がいかに大切か分かる本。慰安所は国が公的に作った性暴力の場であり、女性の人権を踏み躙って良い場所。何をするのか知らないで連れられてくる人もいた。これは今のAV出演強要問題、性行同意年齢引き上げなければいけない理由とも深く繋がってますね。公文書に傷をつけた安倍前総理、議員バッジ剥奪されてくれ。
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アジア・太平洋戦争の敗戦記念日を前に、過去の過ちに向き合おうと、1995年に出版された吉見義明氏の従軍慰安婦を読んだ。
1991年12月、はじめて3人の韓国人元従軍慰安婦が、日本政府の謝罪と補償を求めて東京地裁に提訴し、日本人に衝撃をあたえた。しかし、慰安婦は産業慰安婦と混同され、お金欲しさに日本を訴えているなどの歴史修正主義が、被害女性をより苦しめ続けている。著者の吉見義明氏は、従軍慰安婦・戦時性奴隷について、明治期以降の公娼制度、軍国主義の勃興を背景に、「からゆきさん」から軍慰安所の大量設置、そして日本女性も含めて、朝鮮、中国をはじめアジア地域への女性の被害と軍慰安所の拡大を歴史学者として丹念に検証する。各国の女性は甘言や詐欺で集められ、劣悪な生活環境で性奴隷を強いられ、外出の自由も許されず、戦場にも強制的に連行され、敗色濃厚となれば戦地に取り残され、無残な死を遂げた乙女たち。敗戦後は、米国侵略軍の性のはけ口として、敗戦後3日目には米兵向けの慰安所設置が急がれた記録など、軍や政府が女性を性のはけ口として、そして女性の人権を全く無視した丹念な記録に、過去の過ちを振り返る事の重要性を噛みしめた。
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第二次世界大戦期、日本軍主導で行った公娼制度、従軍慰安婦問題を取り扱った一冊。
アジア圏で行われた悲惨で残虐な行為を、数少ない文献やヒアリングから解き明かしていく。
いくつかの問題点が浮き彫りになるのだが、軍ないしは国家主導なこと、人種差別的なこと、性差別的なこと、そして戦争と言う状況下において非常に暴力的なことが挙げられる。
特に否定派でも肯定派でもないが、また読んでて面白くもないが、知識として知っておいて損はなかったな。