紙の本
ただ、こどもたちのために
2018/06/10 05:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本作家かこさとし(加古里子)さんは亡くなる直前の今年(2018年)3月から4月にかけておよそ一ヶ月間、NHKの取材を受けていました。
その姿が「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で、先日放映されました。
タイトルが「ただ、こどもたちのために かこさとし 最後の記録」。
まさに「こどもたちのために」終生、絵本を描き続けた人かこさんの姿がカメラにおさめられた貴重な記録映像でした。
番組の最後に使われたのが、1995年に刊行されたかこさんの科学絵本シリーズの一冊であるこの本でした。(この絵本の執筆では加古里子という漢字表記を使っています)
この絵本はかこさんの人気シリーズである「だるまちゃん」や「からすのパンやさん」とは一味も二味も違います。
どちらかといえば、デビュー作である『だむのおじさんたち』(1959年)に近いものです。
タイトル『人間』とあるとおり、宇宙の誕生から地球の成り立ち、その小さな星に生き物が生まれ、やがて私たち「人間」が誕生する、壮大な世界観がまず描かれます。
その次には子供がどのように誕生して成長するのか、ここでは性教育のような描かれ方をしています。
この単元でかこさんはかつて子どもが自分が母親のどこから生まれたかわからないという疑問に答える形で、ていねいに綴られています。
こういうあたりが、「こどもたちのために」描いたかこさんらしい一面です。
そして、人間の身体の成り立ち、人間の歴史とつながっていきます。
かこさんはこの絵本を制作するにあたって10年以上の歳月を有しました。
それだけ強い思いが結実した絵本だといえます。
紙の本
科学に根ざしたかこさんの絵本
2022/01/20 17:56
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間という生きものについて、かこさとしさんが、確かな科学と親しみやすい絵で解説している一冊。大判なのでちょっとかさばるのが難点だが、子どもに読み聞かせるのにも、大人が理解するにもとても良い本。
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カラスのパンやさんの作者だと、今になって気づきました(;^_^A
かきこみの細かさは、確かに!と納得。
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子供用だけど、うちの子にはまだ難しすぎるので、かいつまんで読聞かせました。そのあと自分でじっくり読んだ。ビッグバンから現在まで、進化の歴史はスケールが大きくてドキドキしてくる。
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宇宙・生命そして歴史や文化までを網羅した絵本であるが、大人が読んでも発見がある深い深い絵本。
長崎大学:教育学部 教員 長島雅裕
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[墨田区図書館]
何かの拍子に、「からすのパンやさん」や「だるまさん」で有名な「かこさとし」が、「加古里子」でこの手の科学読本も出している、と知って借りてきた本の一冊。
でもあまりにも本が旧そうだったのと面白くなさそうだった感があったこともあり、結局このシリーズの他の本も読まずに延長を繰り返していたところを先日返してしまい、この一冊だけ残っていたんだけれど、やっと形だけでも開いて目を通してくれてよかったなー。
この本、表表紙の裏が面白い。「人間」というのは、現在の人間の体の仕組みだとか生活だとかではなく、というか、に関わらず、人間という種そのものの歴史についても焦点を当てていて、この表紙裏では、「人間の歴史の図表」と銘打って、時間軸に対して代表的な期の紹介、主な種別の進化(分化)の年表とも連動して、それぞれの発生時を、時間軸に照らし合わせて示してくれている。でもこの綿密な図も著者の指示あってだろうなと思ってみると、なんと著者自らが書いていたらしい。こんなことなら、同シリーズの他の本も返さずに一緒に置いておけばよかった、と軽い後悔もしたけれど、欲張らないでおこう。
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り。1241
6y1m
じ。590
3y6m
ちょっと難しすぎるところもある
恐竜のあたりは興味を持ってかいちゃんがりおちゃんに読んでって頼んでりおちゃんが何度か読んであげてくれたらしい
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この壮大な科学絵本は、名作だ。
タイトルが秀逸。というか、人間を描くのにこうなるとは!
まだ子どもだった時、これを手に取ったことがあった気がする。恐竜の所とか、人体の所とか、絵の雰囲気をなんか覚えてた。
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人間とは何かを様々な方向から見ていておもしろい。
人間の死の部分で落ち込んでしまった。
孫や家族と思われる人達が死を嘆いている。
人間の情報は後の世代に受け継がれていく。
私は結婚できず、子どももいない。
当たり前の人生を送ることができていない。
私は子どもの頃、かこさとしさんの本をそんなに読む事がなかったと思う。
普通ではない自分を感じてしまっていたから。
ただ、今の自分は学ばなければいけない。
普通とは何か。
多数派。又は自分が多数派であると判断しているだけ。
つまり、人それぞれの人生、選択であり、私は少数派であるだけ。
それに気づかせてくれた。
ありがとうございます。
あとがきに子ども相談の中で母親のお腹に傷痕がなく、母親の子どもではないかもしれないという投稿があり、赤ちゃんが出てくる所を絵本に載せたとあり、印象的だった。
私も近所で家で出産した家の子どもから聞いた時に信じられないくらいの驚きだった。
かこさんの思いやりが伝わった。
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先年亡くなった加古里子が「人間」を描く絵本。
全体で50ページ程度だが、内容は多岐に渡り、中身は著しく濃い。
宇宙の始まりから人間の出現まで。
子供が成長して大人になるまで。
人体を形成するさまざまな要素、そしてそのネットワーク。
歴史の中で人が生み出してきた道具。
綺羅星のごとき科学者や芸術家。
繰り返されてきた多くの紛争。
人を苦しめてきた病気の数々。
生物としてのヒト、生理医学的に見た人体、社会的見地からの民族、文明文化から見た人類といった、「人間」のさまざまな局面が1冊に詰め込まれている。
絵本というより百科事典のようでもある。
前半の宇宙や地球の歴史を語る部分では、見開きごとにスケールの違う年表が下部に付される。
人体ネットワークの全体像、各部の仕組みを示す拡大像。
考える人を形成する科学者たちの肖像。
あまたの芸術家たちの顔や芸術作品で描き出されるモナリザの絵。
近年の各分野の発展を元に、見開き2ページを1つのトピックとして、平易な言葉と分かりやすい図解で解説していく。
トピックに関連する単語も羅列され、もちろん巻末には索引が付く。読者が興味を持てばさらに発展的な学習にもつなげられる作りになっている。
詳細な細かい絵は、見るたびに新たな発見を誘うようでもある。
その詳細さに半ば圧倒されつつ、加古はすべてを把握したい願いが強かったのか、と思いながら読み進める。
だが、そのうち、いや、違う、これは加古から子どもたちへの贈り物であり、バトンであるのだ、と思いいたる。
ほら、見てごらん。人間は、こうして発展してきた。
よいことも悪いこともあるけれど、すべて含めて、君たちに手渡される。
未来を創るのは君たちだ。
そんな作者の声が聞こえて来そうな気迫の1冊。
*ちょっと気になったのは、「デボ核酸」という言葉。DNAを指している箇所だが、デオキシリボ核酸とリボ核酸を混同されていたものか? もう1つ、ヒトの臨終間際の話だと思うが、「血色消去」という言葉もあまり耳慣れない。死に際して青ざめることを指しているのだと思うが、あまり一般的な用語ではないのでは。
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人間は昔から進化してきた生き物だ。
その「進化」とは2つの意味がある。1つは猿からヒトへと進化したと言う意味、1つは常に新しい発見をしている意味だ。後者は今でも続いている進化だ。
これはいいことでもあるが、悪い方向へ行ってしまうこともある。
だが、どんな発見をしても進化していくに置いて大切なのは興味や好奇心を失わないことだと僕は思う。
読みながら、そんなことを考えました。
(小6の息子が書きました)
*”ちいさなえほんや ひだまり”さんセレクト「10才までに読みたい こころが豊かになる110冊」より
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人は昔猿だったんだよねとの子供からの質問があったので読んでみました。
進化が絵でわかります
赤ちゃんが生まれてからの成長の過程もおもしろい
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エレメンタリーの第二のグレートレッスン向けに最適な一冊です!地球の始まりから詳細に時代ごとの生き物やその進化の過程が述べられており、本当に感激するくらい上手くまとめられています。しっかりとした事実に基づく表記で内容も正確です。あとは子供への伝え方次第、ですね。
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最初から読むのではなく、年齢に応じた読み方が必要な本。
宇宙誕生、人間の身体、人類の歴史から構成されていて、最初は真ん中から読む方が親しみやすいかと。生き物の進化は一度テレビで映像を見たところ理解できた模様。ビックバンから読むのは難易度が高い。
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「生物の発生からはじまる「人間」の総合形
人間とは何で、なぜ生まれてきたのか、そしてその身体はどのように作られているのでしょう? 人間は地球に現れた生物の一つであり、その地球は宇宙の誕生によってもたらされました。そんな人間という生物が出現した背景や歴史から始まり、生命の誕生や骨・筋肉・内臓・脳神経など身体各部の機能、そしてその機能を持った人間が生み出した活動と文化史にいたるまで、複雑で多岐にわたる内容を、子どもたちにむけて簡潔明快に示しました。」