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大菩薩峠 4 (ちくま文庫)
大菩薩峠(4)
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紙の本
女性たち。
2002/05/10 19:53
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中里介山は、昔の作家とは思えないほど人物描写が巧みだと思う。特に昔の時代小説などは勧善懲悪ばかりだが、「大菩薩峠」はそうではない。勧善懲悪どころか、主人公(というわけではない、と介山は言っていたそうだが)の机竜之介からして、「人を斬らねば生きてはゆけぬ」と辻斬りを繰り返す快楽殺人者である。それでいて彼の悲壮感も表しているのが好い。
女性も、お銀様はさることながら、お浜や、次第に無垢な心を歪めてゆくお君など、時代小説につき物の、まさしく「もの」のような「純情可憐な美女」や「男に都合の好い女」がいないのが凄い。