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ニコライ・ゴーゴリ (平凡社ライブラリー)
「ロリータ」「賜物」の作家による、機知縦横の文学講義。「検察官」「死せる魂」「外套」を中心に、文学史的通念を笑殺しつつ、破格の手際でゴーゴリ世界の本体を解析。1973年刊...
ニコライ・ゴーゴリ (平凡社ライブラリー)
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商品説明
「ロリータ」「賜物」の作家による、機知縦横の文学講義。「検察官」「死せる魂」「外套」を中心に、文学史的通念を笑殺しつつ、破格の手際でゴーゴリ世界の本体を解析。1973年刊の再刊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
V.ナボコフ
- 略歴
- 〈ナボコフ〉1899〜1977。ロシアの貴族出身。ロシア革命で亡命。ケンブリッジ大学卒業。アメリカに帰化し、「ロリータ」で脚光を浴びる。ほかの著書に「青白い炎」など。
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誠実な解説ってことはこういうこと!
2001/01/20 18:12
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
外国語で小説を書かざるえなかった作者が、翻訳と言葉の持つ意味と魅力を丁寧に整理した本。言葉の響きも最近では失われたものの一つで、メロディのない言葉の響きをどれだけ集中して聞くことができるのか自分でもかなりの疑問だ。
確かに本書の中にあるように、ある種の一流の作品が原文で読む価値をもってることは間違いない事実ですけれど、誠実な翻訳にもその価値があると信じたい。まぁ誠実さにもよりますが。
詳しくは
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真の文学とは過去においていかなるものであったか、こんにちいかなるものであるか、将来いかなるものでなけらばならないか
2013/02/07 16:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mopsy - この投稿者のレビュー一覧を見る
評伝なので当然ゴーゴリの人生と作品を照らし合わせて論じてあるのですがほぼ『外套』『検察官』『死せる魂』に的をしぼってあります。ゴーゴリを語ることによってナボコフの文学観がよくあらわれているのでそちらを目当てに読んでみるのもいいと思います。
たとえば以下のような箇所
フィクションが教育的であったり、教訓的であったり、民族的であったり、あるいは楓糖蜜やオリーブ油のように健康的であったりすることを要求する人々に対し、わたしは執念深い恨みを抱いている。
まやかしの美しさをあらわすposhlustというロシア語の概念について論じた部分はこの本を読んでみようかという人なら間違いなく強い共感を覚えると思います。ゴーゴリや文学だけにとどまらず、人間の生み出すあらゆるものを評価するときに必ず役立つ概念だと思います。
何度でも言っておくが、poshlustはいかさまぶりが明らかでない場合、また、その真 似してみせる価値が芸術、思想ないし情緒の最高水準に属するものと、正当にも、 あるいは誤って見做される場合、とりわけ強烈であり有毒である。つまり日刊紙の文芸欄にかくもposhlustilyな書評が載る類の書物_ベストセラー、「感動的で深遠で美しい」小説類のことである。
ゴーゴリは単なるファルスとして読まれたり、ある政治体制を風刺したものと断定されたりしがちですが、ナボコフはどちらも否定しています。ゴーゴリは創造的な読者のための作家であり、その作品は当時のロシアの読者のためだけのものではなく、より普遍的なものです。
『外套』で展開されるゴーゴリの世界についての箇所
まったき無益さの支配するこの世界、無益な卑下と無益な支配に満ち満ちたこの世 界にあって、情熱・欲望・創造的衝動の達しうる最高段階は一枚の新しい外套であ り、仕立て屋も客もこれを跪拝する。(中略)
わたしは多くの国を訪れたが、アカーキー・アカーキエヴィチの外套に似たなにもの かは、たまたま知り合ったあれこれの人々、ゴーゴリのことなぞ耳にしたこともない人々の熱烈な夢であった。