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夜の蟬(創元推理文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 143件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1996.2
  • 出版社: 東京創元社
  • レーベル: 創元推理文庫
  • サイズ:15cm/280p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-488-41302-1
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

夜の蟬 (創元推理文庫 円紫さんと私シリーズ)

著者 北村 薫 (著)

【日本推理作家協会賞(第44回)】【「TRC MARC」の商品解説】

夜の蟬 (創元推理文庫 円紫さんと私シリーズ)

626(税込)
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みんなのレビュー143件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

姉妹って。

2015/08/29 16:31

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る

円紫さんと私シリーズでは、一番好きな作品です。姉妹とか兄弟って、身近ではあるけれど、だからこそ難しい関係でもあり。そういうところがすごくよく表現されています。もちろん、ミステリーとしてもよくできています。

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紙の本

「そう、その異常さが怖いのです。」

2000/12/31 17:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第44回日本推理作家協会賞受賞。衝撃の第一作『空飛ぶ馬』以来、性別すらわからない覆面作家だった著者が、そのベールを脱ぐきっかけになった、円紫さんと<私>シリーズ第二作。
 何気ない日常の断片を、さらりと金魚でも掬うかのように取り上げ、軽快な謎解き物語が始まる。人の情の温かさに溢れていた『空飛ぶ馬』と設定を同じくしているが、本作では<私>の友人や姉という、より身近な人々を軸に、<私>の心の緊張が痛いほどに伝わる場面も。
 温かい人達の温かい視線のなかで、人間の悪意の惨さを見せつけられるという点で、人間描写の巧みさはシリーズ中秀逸。大げさな言葉も、大がかりな状況設定も使わず、誰にでも潜んでいるはずの内面の悪魔が描かれる。文章が芸術だということを改めて感じさせられた作品。

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紙の本

内面の悪意の怖さ

2001/10/09 13:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かずね - この投稿者のレビュー一覧を見る

円紫さんシリーズ第2作目です。今回も日常の身近にある謎を解き明かしていきます。前作に比べて「私」の 私小説という感じを受けました。『六月の花嫁』は読後感も爽やかでとても楽しんで読むことができました。けれど『朧夜の底』と『夜の蝉』は人の心の裏というか心の黒い部分を見たようでぞくりと少し怖い感じがしました。 1作目もそうでしたが、何度も読み返して味わいたいそんな作品だなとおもいました。

<収録作品> 「朧夜の底」・「六月の花嫁」・「夜の蝉」

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紙の本

成長物語

2002/04/19 13:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

「空飛ぶ馬」につづく「円紫さんと私」シリーズ第2作。謎解きとしては前作のほうが上。なので、本書は「私」の成長物語として読むべきだろう。北村薫の味わい深い文章も読みどころのひとつ。

「朧夜の底」では、「私」の友人の正ちゃんがアルバイトをしている書店で、本の向きが逆さになるという小さな事件(というかイタズラ)が起きる。一体何のためにそんなことを?
この謎を円紫さんが解いたとき、犯人(?)の心理が浮き彫りにされる。

「六月の花嫁」そして表題作「夜の蝉」でも、メインとなる謎は人間の心理である。それはどちらかというと「悪意」ともいうべきもので、人間のダークな部分、つまり誰もが持っているであろう暗い残酷な一面が、謎として提出される。

本書が「私」の成長物語であるということはつまり、「私」が人間の悪意に触れ、それを克服することにより、少しずつ大人になっていくということ。円紫さんは、その大人の代表であり「私」を導く案内人でもある。

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紙の本

『姉』の持つなまめかしさ

2002/07/13 18:26

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あさの - この投稿者のレビュー一覧を見る

円紫さんと女子大生の『私』シリーズ二作目。
シリーズ中、この『夜の蝉』には奇妙な色気がある。それは色気、というよりもなまめかしさ。
ホームズというよりは車椅子探偵に近い円紫さんが、不思議なくらいに『性』と隔離されているのに比べ、ここに出てくる少女──江美ちゃんや正ちゃん──とわたし、の関係がきわどく感じるのは何故だろう。そして極めつけが『姉』である。主人公と姉の関係は、恋愛関係に近い。それは幼い時にぶつけられた激しいまでの姉の感情を、どちらかというとオクテな『私』は受け止めることができず、それ以来二人の間にある、愛する者と愛される者との疎通のない思いが、かもしだす『きわどさ』だ。
『兄弟』というのは元々、一つのものを奪い合う関係として始まりを迎える。それは親の愛から始まり、やがては存在する場所や権利にまで及ぶ。『私』はつねに『姉』から侵略者として扱われた記憶から抜けられない。本の世界にのめり込むのも、姉の美貌への羨望や気後れ、とともに、『姉』と同じ世界を見ることができない、家の中の一番身近なところに『触れられない』ものがある、という緊張感からの逃避ではなかったか。それを実にさりげなく、今までのシリーズに散りばめながら、その緊張感はこの『夜の蝉』に結論を見せる。
実は姉はずっと昔に、その緊縛から放たれていたことが、最後に披露される。その瞬間に、主人公の心は、やっと怖い夢から覚めるように解放される。
夜の静寂を破る蝉の羽音。その恐怖。
主人公の眸の先の『姉』はいつも奇妙になまめかしい。それはまだクーラーで殺されていない夏の夜の空気に似ている。

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紙の本

この人の文章が好きで、少し怖い

2002/07/31 23:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:HRKN - この投稿者のレビュー一覧を見る

北村氏の円紫師匠登場のシリーズ、完成度という面から言えば本作が随一ではないかと思う。あまりにも深い。ミステリに、謎の提示とその解決の驚きのみを求めるのであれば、本作が与えてくれるものは少ないかも知れない。だが、人間を愛する者、文章を愛する者にとっては本当に響き響く内容だ。謎が解かれねばならない理由、解かれることで起こる感情、それが現実感を持って迫ってくる。決して嘘臭くなく、現実離れせずに。これほどに温度を持った文章を書ける北村氏が、少し怖い。

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紙の本

円紫さんと私シリーズ第2作。色の魔法に魅了される。

2017/05/13 00:07

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

女子大生の私。国文科に通っている。学校の先輩に落語家の
円紫さんがいる。ある時,教授の引き合わせでインタビューを
することになった。
その時,私がなにげなく話した不思議な謎を円紫さんが鮮やかに
解いてしまい,探偵と私の交流が始まる。

円紫さんと私シリーズは,「空飛ぶ馬」「夜の蝉」「秋の花」
「六の宮の姫君」「朝霧」の五作からなる。
読む順番が大事なシリーズなので,ご留意頂きたい。

デビュー後の第一作は,肩の力が入り過ぎて失敗している
パターンが多いが,北村薫さんは大成功を収めた作家さん
だと思う。
このシリーズは,五作とも個性がきちんと書き分けられていて,
どれが一番かは意見が大いに分かれている。私も大いに迷う。
せっかく書評を書くのなら,初めて北村薫さんに触れた
「夜の蝉」を紹介しようと思い,読み直してみた。

三本の連作短編だ。「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」。
推理部分を物語の推進力にしながら,三篇とも主人公の
心がふんだんに織り込まれている。
主人公の周りで,少しずつ時間が流れていることが,
手に取るように分かる。

「夜の蝉」の作品全体を通し,主人公の女性への成長を
テーマにしているように感じる。著者は国語教師だったから,
日常的に女子高生と接していた。
その経験が随所に生かされているのかもしれない。
大学生という設定も良い。
幼さのちょっと残る主人公が,大人すぎておらず心の成長が
分かりやすい。

表題作でもある三本目の「夜の蝉」が,その意味で
最も印象的だ。物語の謎は解決したのに,続く物語の
紙数の多さ。こちらが本題ではなかろうか,という気持ちになる。
普通の推理小説は,犯人逮捕で幕切れのはずだ。

主人公が姉に気付かせてもらう,人の目に映る自分。
目の醒めるような色彩感覚とともに,強烈な覚醒感が
描かれている。姉がぶっきらぼうに渡すオレンジ色の
タンクトップが眩しくて仕方がない。

姉との対比が軸のため,女性への成長というテーマが
思い浮かんだが,それは大人への成長というテーマにも
直結している。

「成長」というテーマは,シリーズの最後まで続く。
人生の多感な時期は,それだけで壮大なドラマと
いうことをあらためて気付かされる。
推理小説に分類されるが,再読しても魅力は色あせない。

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2004/10/20 21:26

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2005/05/28 20:20

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