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商品説明
【小学館文学賞(第44回)】【新美南吉児童文学賞(第13回)】【日本児童文学者協会新人賞(第28回)】中学校へ行けないまいは、祖母のもとで「魔女修行」をすることになった。それは、何でも自分で決めるということ…。児童文学者協会新人賞などを受賞した、生きる力を与えてくれる癒しの児童文学。94年刊の復刻版。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
梨木 香歩
- 略歴
- 〈梨木香歩〉1959年生まれ。英国の児童文学者ベティ・モーガン・ボーエンに師事。「裏庭」で児童文学ファンタジー大賞受賞。ほかに「丹生都比売」「エンジェル・エンジェル・エンジェル」など。
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紙の本
大いなる陰遁と、魂の再生、巣立ちを描いた人間讃歌
2012/01/09 19:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る
【西の魔女が死んだ】読了した。実に、実に、素晴らしい物語だった。
同時に、大切な思春期の、中でも、とりわけ難しい心の傷みの問題を、
これ程までに丁寧な描写で表現した小説を、僕は他に知らない。主人公まいの成長して行く様子が、
例えるなら、重症を負った野生動物がただひたすら静かに傷が癒えるのを待ち、
再び大空へと羽ばたくのと似てるなと思った。鋭敏過ぎる感受性を持っている為、
群れるクラスの集団に上手く馴染めず、独り輪の外へと飛び出す事を、自ら「選び取った」
中1のまいは、ストレスから喘息発作を起こし、ママに不登校をすることを宣言する。
弱り果てたママは『西の魔女』こと、おばあちゃんの所で、ひとまず、
まいを自由に暮らさせる道を選択する。この、おばあちゃんの人物造詣が、
物凄く人間臭くて、愛らしく魅力的なのだ。まいのことをとにかく愛し、子供相手としてでなく、
1人の人間として全身全霊を傾ける。一緒に裏の山に行って木苺を摘み、大鍋に一杯のジャムを作ったり、
金だらいを使った昔ながらの洗濯をしたり…。普通に、自然に、生きる中、
まいが都会で暮らしてた時から抱えている、孤独の正体とでも呼ぶべき描写がされる。
少しばかり長くなるが、ここに抜き書きさせて頂きたくおもう。
『まいは時々ひどいホームシック悩まされることがあった。
それは、たとえ自分の家にいるときでもやってきたから、
「ホームシック」と呼ぶのはおかしいのかもしれなかったが、
まいにとってはそれ以外の何者でもなかった。胸が締めつけられるような寂しさを感じてしまうのだ。』
『痛みを伴う孤独感を感じる。』どうだろうか?リアルな言葉で感覚を文章に変えていくのも
梨木さん特有の作風の魅力だと思う。おばあちゃんとの『魔女修行』の場面に移る。
ここで言う魔女とは、禍々しい魔法使い等ではなく、古代より人間が生きる中、
磨き上げられた第六感と名付けたくなる能力を持った者を指す呼称だ。
魔女は何より強く鍛えられた意志を持ち、光ある方角へと向かうのだと、
おばあちゃんはまいに噛んで含める如く、何度も、何度も、教え続ける。
日々を過ごしていく内に、まいにも色々な世界の在りようが分かるようになってくる。
だけど、どうしても1つだけ、怖くてたまらず、おばあちゃんにも言えずにいた秘密があった。
それは『人は死んだらどうなるの?』という疑問。おばあちゃんが、まいに提示した答えとは…… 。
最後の最期まで、おばあちゃんの魔女らしい振るまいに微笑み、爽やかな涙を流しました。
思春期の切なさと、成長を描いた傑作です、是非とも!!
紙の本
とにかく読みましょう
2001/12/20 00:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たるほ - この投稿者のレビュー一覧を見る
20代半ばほどに、初めて読んだ梨木香歩さんの本です。
「まいが生まれたことを感謝する」と言うおばあちゃん。こういう言葉だけで、どれだけ追いつめられた人ひと(子供だけではないでしょう)が、どれだけ救われるか。ひとの名前を丁寧に呼びかけていく印象が強いのは、裏庭にも通じるところがあると感じます(思いこみかな)。やたら、大人が読むことを意識したつまらない本/絵本が多い中、梨木香歩さんの本はどんな年齢の方にも、つよくおすすめできます。というか、読みましょう。 :-)
裏庭(文庫版)では、大きくなったまいの物語が読めます。
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柔らかなのに理論的な文章は好感度120%
2002/02/08 17:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
登校拒否を続ける少女「まい」は、西の魔女こと祖母のもとで、魔法の手ほどきを受ける。修行の要は自分で決める、ということだった。しかし、ファンタジー色は薄く、自然と祖母の暖かな視線に包まれて、自立してゆく少女の成長とともに、死という重いテーマにまで取り組んだ作品。死は、単なる終わりではない、と結論づけられるラストは希望に満ちていて素晴らしい。
噛み砕いた言葉で構成されているが、とても理論的な文章で好感も持てる。子供向けだと思われがちな作品だが、大人でも充分読める。というか、大人になってからこそ読むべき重厚なテーマだ。
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ステキなお話
2000/10/15 23:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゅりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わって「同年代の子に読んでもらいたい!」って、真っ先に思いました。本当に泣ける!!感動する!涙がポロリなんてもんじゃない。号泣です。本当に元気が出てくるし、やる気が出てくる。じゅりん的にラストが最高です。でも、言ってしまうと楽しみがなくなっちゃうんで、書きません。だから、読んでみてください。敏感な子供たちのこころが少しでも理解することが出来るでしょう。
走り書きになってしまいましたが、本当にオススメです。是非1度読んでみてください!ちなみに「西の魔女」って言うのは主人公「まい」のおばあちゃんのこと。「オズの魔法使い」の西の魔女じゃないですよ。すっごく、明るいイメージの残る作品です。これを読んで、「こころがポカポカした。」って言う人が増えたら、すっごく嬉しいです。この本に出会えて本当によかったなって思います。
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梨木さんの名前が広まった代表作。
2017/12/27 00:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
平成四年に出版された本作がデビュー作。
デビュー作にして非常に高度な仕上がりを持つ。
続く作品群も独自の世界観を広げている。
この作品で気に入り、追いかける対象の作家さんとした。
作品発表のインターバルがやや長めだが、きちんと仕上がったものが
出てくるので、魅力が一貫しているところと,当たり外れの差が
少ないところが気に入っている。
この作品は,中学生のまいがおばあちゃんの家でひと夏を
過ごす物語。きっかけは,まいが中学校に馴染めず
学校に行けなくなったからだ。
お母さんは,わが子を説教したりおだてたりせず,
おばあちゃんの家に預けることを選択する。お母さん曰く,
おばあちゃんは本物の魔女だった。
おばあちゃんの家で,まいの魔女修行が始まる。
魔女修行で,まいは自然の中から大切なものを学ぶ。
心を磨くということ。この物語の一番大事なことだ。
読み返すと,大変シンプルな書評になってしまった。
梨木さんの魅力を文書化することは本当に難しい。
読み終わって,娘と一緒に色鉛筆を用意した。
そして、まいが大事にしていた、秘密の場所にある銀龍草を
想像しながら描いてみた。
私の描いた銀龍草は,お世辞にもうまいとは言えないんだけれど,
自分の心がどこかに含まれている気がした。
本を読むって,こういう事なのかなと思った。
この気持ちが皆さんに伝われば言うことはない。
紙の本
自分の足で立つこと、歩いていくっていうことは?
2003/07/18 23:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミリーモリーマンデー - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学1年のまいは季節の変わり目の喘息の発作が治まっても学校に行けないでいた。ママはそんなまいを田舎のおばあちゃんの家に預けることにする。狭い教室での重く煮詰まった人間関係から抜け出して、気持ちのいい自然の中へ。そこで、まいは英国出身の祖母と(なんと、このおばあちゃんは魔女なの)土に親しみ、体を動かして(魔女修行もしながら)生活するうちに、すこしずつ身も心も健やかになっていくのだった。思春期の女の子のナイーヴ過ぎる心の動きが丁寧にえがかれている。「私もこんな感じだったのかも」。時に自分でももてあましてしまう程の感じやすさ、せつないような重苦しいような心がふるえたあの頃の感覚をなつかしく思い出した。思春期現在進行形の女の子にも読んでみて欲しいな。
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子供も大人も読んでほしい本
2001/05/12 21:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:May - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルはちょっぴりおどろおどろしい響きですが、とても繊細で暖かな物語です。児童文学ですが大人でも十分楽しめる内容です。あ、でもやっぱり思春期くらいの子に読んでほしいかな。まいの心理描写もそうですが、森や植物などの自然描写もとても瑞々しく生き生きとしていて素晴らしいです。最後のおばあちゃんからのメッセージには、思わず目が潤んでしまいました。
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すてきなおばあちゃん
2001/03/18 20:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
学校で仲間はずれにされ、もう二度と学校へは行かない、と決めた女の子が主人公。
両親はいっとき彼女を祖母に預けることにする。祖母との暮らしで心が癒されていく様子が描かれている。そして祖母から自分は魔女の家系だ、ということを教わった彼女は上等な魔女になるため、意志を強くする訓練を始める。
主人公の女の子が真面目さと個性をもつがゆえに仲間はずれにされる。しかしもともとしっかり者の彼女が優しい祖母のおかげで自分というものをだんだんと取り戻していく様子が感動的だ。
それにしても本当にすてきなおばあちゃんだった。
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魔女って本当にいると思う?
2000/07/30 11:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かれん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「西の魔女が死んだ」…最初なんて物騒なタイトルかと思いました。
でも、中身はぜんぜん違います。
主人公のまいは、中学生。クラスのグループから外れて、学校に行けなくなってしまいました。
いわゆる不登校。でも、まいの両親は まいに決して理由を問い質しません。
しばらく、田舎のおばあちゃんちで のんびり過ごすように言います。
そのおばあちゃん… お母さんの母親。イギリス人。
山に囲まれた田舎の洋風の家に一人で住み、自給自足の生活をしています。
ジャムを作ったり、朝は採れたての卵を食べたり…
でも、おばあちゃんには秘密が…
おばあちゃんのおばあちゃんは魔女でした。
きっと、まいにも その血が流れているはず…もちろん、おばあちゃんにも。
死んだらどうなるの? 魔女になるにはどうすればいいの?
おばあちゃんは、いつも真剣に答えてくれます。
ちょっといいなぁ〜と思うおばあちゃんです。
自分の問いかけにきちんと答えてくれる、話を聞いてくれる、
今の子供たちは、こういう当たり前のことを求めているのかも。
私も このおばあちゃんに会いたくなりました。