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書店員レビュー
『所有する』事を禁じ...
ジュンク堂書店郡山店さん
『所有する』事を禁じられた世界に生きる少年達の物語です。
衣類も食料も配給制で、家族もいない彼ら。
持っているものはたった一台のコンピュウタ(端末機)と自分自身のボディ(身体)そしてスピリット(魂)。
でも彼らを管理する『世界』はその『自分自身』さえ保つ事を許してはくれません。
全てを捨てさせようとする世界で彼らは傷つき失いながら、それでも失うまいともがき、また傷つきます。
「きっと先に捨てるのはボディだ。」
そう言った主人公アナナスの願いは叶えられたのでしょうか。
モノが溢れすぎと云われて久しいですが、捨てる事が流行のように扱われだした今。
『持たない』事は幸せでしょうか?不幸せでしょうか?
『所有する』という本当の意味を考えさせてくれるかもしれません。
実用担当すず
紙の本
自分の中にそっとしまっておきたい本
2002/04/22 21:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鴇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもの長野まゆみのように、ストーリーを説明するのが難しい。というか、この本の場合はちょっと恥ずかしい。
長野まゆみの読者は圧倒的に女性が多いらしい。その理由を考えてみると、それは、「恥ずかしさ」のためだではないかと思う。恥ずかしいと言っても、作者が自分の文章に酔っているゆえの恥ずかしさでは決してない。上手くいえないのだが、保坂和志という作家の言葉を借りると「読む側にチューニングが必要」だと言うことだ。なぜって、長野まゆみが特異な作家だからだ。こういう文体で、こういう世界を書く人はこの人しかいないからだ。慣れていない私たちは、「チューニング」が必要となる。それが上手く出来ないと、恥ずかしい、と感じるのではないだろうか。
この本を読むときは、長野まゆみの世界にどっぷり浸ってもらいたい。社会性とか、そういう煩わしいものの一切が排除されたこの幻想世界を楽しいで欲しい。