紙の本
懇切丁寧
2001/03/13 13:27
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ディーン・クーンツといえば、海外ではかなり有名な作家らしいが、日本であまり知る人はいないだろう。
本書はタイトルの通り、「ベストセラー小説」の書き方が事細かに説明されている。読者が楽しんで読むことができるかどうか、に重点が置かれていて、文体、テーマ、ジャンルに新人作家が陥る罠などまで懇切丁寧に教えてくれている。
これが日本で通用するかはわからないが、僕のように小説を書こうなどとは思っていない人でも、それなりに楽しく読める。
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アメリカ発・小説作法
2002/03/24 22:04
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書が書かれたのは少々昔で、作者はアメリカ人である為、第三章の「移り変わる出版市場」は全面的には参考にならないかもしれない。しかしそれ以外は、驚くほど参考になるものばかりだった。例えば文体などは日本文と英文という違いがありながら、日本人の書いた小説指南書と殆ど同様のことを言っている。残念なのは、引き合いに出されている作者の文章が和訳されている為(和訳された文章は、作り物臭かったり幼稚な物が多い)、その良さが上手く分からなかったことだ。尤も、英文で書かれても分からないのだから、仕方ないのだが……。
第14章で紹介されている作品群は、どれだけ日本で出版されているのだろう? 外国の小説は殆ど読んだことがないのだが、どれか読んでみたくなってきた。
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読んで楽しい小説作法の指南書
2002/02/24 04:23
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投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて笑っちゃうほど単純明快。プロットの大切さと、ひたすらアクション! アクション! とアクションを盛り込むことの重要さを説く著者の声に耳を傾けていると、なんとなく軍隊で鬼軍曹にしごかれているような気持ちになる。この本に書かれているアドバイスが必ずしも効果的だとは思わないが、それでも読んでいて面白い。自作の作品をひきあいにだし、雄弁にベストセラーの書き方を指導するクーンツは、なんだか憎めない熱血教師のようだ。巻末に記された読書ガイド「読んで読んで読みまくれ」も熱い。さすがベストセラーの書き方を指南するだけあってサービス精神も旺盛。読んで楽しい小説作法の指南書。
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実践できるかは別。
2018/07/12 10:28
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ合衆国の作家が、1981年に出版した本。時代や日本に合っていないと感じられる部分がある。しかし、やはり職業作家としての意識は強い。プロとしての心得てして読むのがいい。
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エンターテイメントを作るなら、読むべし
2001/03/31 22:43
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投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んで面白い小説の書き方講座というのはさして多くはなかったが、こいつは傑作。読んでいてわくわくする。
一部で話題になっていたので買ってみたが、大正解。面白い小説を書きたい人間には必読である。この『ベストセラー小説の書き方』は、娯楽小説、ジャンルに囚われない「面白い小説」の書き方について示した本なのだ。
たとえば登場人物の造形に関する指摘は、非常に興味深い。人物は外見描写や行動能力ではなく、その性格的弱点や美質が重要なのであるというのは、非常に心に響くものがあった。
外見の表現などにはさほど気を配らなくても、そのキャラクターなりの心の動き、動機、決心を決める要素を参加者には提出してもらうべきだろう。
背景設定の使い方に関する指摘も、単に世界設定を見せつけるための描写ではなく、ストーリーとキャラクターの個性を引き出すための道具として使うという考え方は、心に止めておいて損はないだろう。
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ベストセラー小説の書き方
2016/07/12 13:40
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投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
地元書店の「お薦め文庫」のコーナーで紹介されていたので、気になって手に取ったところ、著者の波長と合いそうだったので購入した。
タイトルこそ「ベストセラー小説」と銘打っているが、実際は「売れる『アメリカ流エンターテインメント小説』の書き方である。発刊されてから30年以上経過しているため、アメリカ国内の出版事情やセールス方法を扱った冒頭3章については、古さが目立つ。また作者の考え方を、そのまま日本の事例に当てはめるのは無理がある。とはいえキャラクターの造形方法、プロットの立て方、スランプ克服法など、豊富な経験に裏付けられた彼の見解は、今もなお説得力を持つ。筆者は短い簡潔な文体が好みのようで、形容詞を豊富に使った、日本流の長い文体を愛好する読者には、違和感をもつ可能性もある。最終章で取り上げられる「読んでおくべき作家」のリストは、著者の好みであるということをあらかじめお断りしておく。しかし、この本で取り上げられた作家たちは、作家志望の人間は、必ず目を通すべきである。そしてベストセラー作家になるためには、とにかく読み、書くこと。それ以外の近道はない。
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アメリカの人が書いた本。読んでも損にはなりません程度。「新人賞の獲り方おしえます」を読んだ方がいいんじゃないかと。
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「ベストセラーとは何か」
100万部以上売ることである。すげぇ。
売れるからって、読者に迎合するだけじゃ面白い作品にならず。真剣に面白いベストセラーを書くにはどうすべきかを語りきった逸品。
陥りやすいダメなことがらについて「一部の、天才か、ほかの事柄が秀逸であるが故に成功しているだけで、素人が手を出すもんじゃない(意訳)」と切り捨ててるところがかっこいい。惚れる。
己の書きたいテーマで、構成を考えプロットを練り、魅力的な登場人物を効果的に描写し、さらに説得力のある背景を用意する。
至極まっとうで面白い。
リアリティに欠ける作品を読んでいて、「些細ではあるが、おやっと思う箇所にぶつかった。そこでつまづくたびに、作品が創造しようとしているリアリティの世界から、ふと現実に引き戻されてしまう」は、すごくあるある、と思う。
面白い小説は作品世界に耽溺できる。
最初の1〜3ページで書う本を選ぶもその通り。1〜3ページ読んで合わないと思う本を読了することは、(よっぽど暇か、活字に飢えてない限り)無い。
書きたいものを書いてるからいい、分かってくれる人が居るからいい、と、特定のジャンル小説しか書かない作家に、著者は問いかける。
「なぜTOPを目指さないのか」
噴いた。かっこいいわ。
著者は面白い小説が大好きで、みんなオラに面白い小説を読ませてくれと叫んでる感じがします。前向きでまっとうですがすがしい。
著者のいうところのベストセラー、面白い小説の好みが私の好みに近いので、巻末の「読んで読んで読みまくれ」は読んでみようかなと思いました。
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書く方じゃなくて、読むを楽しむために読みました。
小説がどんな風に出来ているのか、体系的に網羅されている良書だと思います。
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題名からして明快。
中身も熱い!
何が一番熱いって作者の心意気である。さらりと書かれた何気ない言葉に彼の生き様が如実に現れている。
たとえば、書く行為の目的(13頁)で、
「ひとりぼっちのおびえた人々全てに手を差し伸べて、心の底では私たちは一人ひとり皆同じであることを知らせるのも作家の役目」
(18頁)
「小説の目的は、読者とのコミュニケーションである。…読者の心に隠れた糸に触れ、それをかき鳴らす」
書かずにはいられない人間と、小説を読まずにはいられない人間。どちらも孤独な作業の中で繰り広げられるが、その孤独に橋を架けたいとする、著者の、人間に対する優しい愛情。
確かに、テクニックやマニュアルを侮蔑する人々も多い。だが、先達には当たり前のテクニックやノウハウが、入門者にはさっぱりわからない物も多いのだ。著者はそこまで酌んで、徹底的にテクニック的なことを書き連ねる。
ああ、全て彼の奥深い愛情からである。
心が伝わると、頁をめくるのも楽しい。
題名が俗っぽいが、それもまた彼の狙いだからして、なかなかどうして、愛嬌がある。
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読み物として面白いので、自身で小説を書かない人でも楽しめると思います。
古いアメリカの出版事情など現在の日本では役に立たないと思われる情報も多いけれど、ものの考え方としては応用は効くのではないかと思います。
小説を書くときに気をつけるべきことが分かりやすく書かれているし、いやみのない文章で面白かったです。
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学校へ行く時間は無いので教本代わりに購入。残念ながら第一章は読み飛ばし。
頭の中では分かっているけどうまく形にならない疑問や書き方など、作り手にとって壁になるだろう部分をピックアップ、解決策を説明してくれている。
また作者の思いが切にこもってる。
ただし、年代がちょっと古いので市場に関わる話はあまり参考にならないかも。
自分が必要な部分に付箋を貼っておけば迷ったときに役に立つのでは。
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役に立つ部分もあり、ない部分もあり、というのがこの手の本ですね。
何種類も読み込むといいと思います。
翻訳物なので、読みづらい感じを受けることもありますし
古い本なので“今”とは当て嵌まらない部分もありますが
もっとも!なことを言っている部分も多々ありますし
あまりこういった本を読まない方にはオススメ。
それなりに、役に立ちます。
また、これを読んだ後、西尾維新のまよいマイマイを読んだら
西尾さんもこの本を呼んでいることに気付きました。
そこかしこにネタをちりばめる方だなぁ(笑
そういう意味でも「みんな読んでるから読んでみる」というのはアリかと。
小説を読んだ時にこの本のネタがあったりしたら面白いですね。
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ドラマチックではなやかなことばを選ぶことが、読者の興味を引くコツ
実存感がありそれなりに首尾一貫し、おもしろくて好感の持てそうな人物ふたりを考えついたら、彼らに対話させてみる
①作家は今まさに恐ろしい困難に遭遇しようとしている主人公を紹介する
②主人公はその困難を乗り越えようと努力するがさらに深みにハマる一方である
③主人公が穴から這い上がろうとするといろいろやっかいなことが持ち上がる。事態はどんどん悪化していき、ついに考えがつかないほど困難に巻き込まれ、最悪の事態になる。多くの場合、このトラブルは、主人公が問題を解決しようとあがくうちに犯した失敗や判断のあやまりがもたらしたものだ。失敗やあやまった判断は、主人公の個性を形成している欠点や美点の相互作用から生じる
④恐ろしい体験と耐えがたい状況によって、深く傷つき、変貌を遂げた主人公は、自分自身について、あるいは人間が常に置かれている状況について、なにかを学びとる。彼は取り囲まれている危険な状況から抜け出すためには、自分が何をするべきかをさとる。彼はなすべき行動を実行に移す。それは成功することもあれば、失敗に終わることもある。しかし成功するほうが多い。というのも読者は、ハッピーエンドを好む傾向があるからだ
「じらせ」の手法
「時を刻む時計のトリック」
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1996年の夏に出版され、もう15年ほど経つことになる。内容的には古い。参考にならない部分もある。けれど読み物として面白い。クーンツという人が頭の良い、強い心を持った人だということが分かる気がする。
文章作成の際の重要事項の一つに、余分なものを削ること、いわゆる【簡潔な文章を心がける】があると思うが、本作の中でもその項があり、人物のセリフが例文として載っている。ここが大変タメになる。ああ、ここをこう削るのかと、具体的に学べると思う。
巻末の読書ガイド、多くが既読であり、多くが未読だった。なにを読めばいいか分からない人のためには、素敵な道しるべだと思う。