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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.8 12件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1996.9
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社文庫
  • サイズ:15cm/407p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-263340-X

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紙の本

恵比寿屋喜兵衛手控え (講談社文庫)

著者 佐藤 雅美 (著)

【直木賞(110(1993下半期))】【「TRC MARC」の商品解説】

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恵比寿屋喜兵衛手控え (講談社文庫)

700(税込)

恵比寿屋喜兵衛手控え

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恵比寿屋喜兵衛手控え

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みんなのレビュー12件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

エゴイスト喜兵衛

2011/02/13 10:22

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

恵比寿屋喜兵衛の仕事ぶりを通して、江戸時代の公事訴訟のことがよくわかる。もともと江戸に住んでいる人が公事に出るときには、家主や名主が付き添わなければならないが、地方の人が江戸で公事に出るときには、宿泊している旅籠の主人が付き添わなければならない。これは私が思うに、そもそも、およそ「御上」に営業を認められた宿屋ならば、宿泊者の「人別」を記録する義務があって、それが一種の身元保証になっていた、ということかと思う。そして、特に、訴訟手続きの代行をしたり相談に乗ったりした宿を「公事宿」と言った。

公事宿の主人としては、仕事の腕がいい。しかし、夫として、父としては、自分勝手な男で、だから私は喜兵衛に好感を持てない。喜兵衛は、妻の絹がいさめるのもきかずに、娘の糸を甘やかしてだめにしてしまった。糸はろくでもない男と結婚して、貧乏して苦労している。絹が、わたしたちがいけなかったのだ、と口に出して言うときは、心の中では夫だけが悪いと思っているときだ、と、喜兵衛は思っている。そして、病気で寝込んでいる妻に暖かい心遣いを見せず、妾宅に通う。絹は気が強くて折れることを知らないが、妾宅の小夜はつつましくてやさしい。と、喜兵衛は思っている。

だが、私に言わせれば、小夜が我を張らないのは、もともとの穏やかな性格もあるだろうがそれに加えて、喜兵衛に「世話になっている」立場だからだ。喜兵衛がそういう立場を自覚する女を選んだのだとも言える。喜兵衛は、絹の気の強い性格を愛して一緒になったくせに、彼女が病気になって寂しく寝て暮らすことしかできなくなると、我の強い女と一緒にいても安らげないからと、遠ざかる。なんて薄情な男だ。

越後から出て来た六助の公事に取り組んでいるうちに、なぜか、二度も、喜兵衛の命が狙われた。喜兵衛は、公事の相手方の黒幕は商売敵の大津屋茂左衛門で、恵比寿屋を乗っ取るつもりで、自分の命まで狙ってきたのではないかと考えた。大津屋茂左衛門には、かつて、同業の糀屋を乗っ取ったという前例がある。恵比寿屋の女中のおふじは、元は糀屋の主人の娘だったのだ。

このおふじがまた、ファーザーコンプレックスで、自分の父親が落ちぶれたのは、理不尽な裁きを下した与力のせいだと思っていて、それだけならいいが、いや、むしろ、気の毒だが、恋仲になった六助に、与力の手先になるのをやめさせようとする。それはちょっとひどい。六助の訴訟を審理した仁杉七右衛門は、おふじの家を没落させた与力とは全然、別人だ。仁杉七右衛門は評判の名与力で、審理の過程で六助の才能を見抜いて部下にしようと考え、六助もそれを喜んでいたのに。六助、こんな女とはわかれろ、と私は思ったが、この小説では、結局どうなったのか、判然としない。

ところで、大津屋は絹の実家でもあり、茂左衛門は、昔、そこの手代だった。実は、絹は喜兵衛と出会う前は、茂左衛門と相思相愛だった。それを喜兵衛が奪ったのだ。

私は、茂左衛門は、喜兵衛が絹を横取りしておきながら、彼女が年をとって病気になってから、妾を囲って疎んじていることに、怒っているのではないかと思った。喜兵衛は、物語の終盤になって、ようやく、そこに思い至る。やっと、自分がいかに冷たくて勝手だったかに気がついたか、と私は思った。

そんな喜兵衛の前に、疎遠になっていた息子の重吉が、姿を現わす。重吉は、人柄も頭も良いけれど、公事宿の主人には向いていないのを自覚して、家を出て、職人になって結婚して幸せな家庭を築いていた。その重吉が喜兵衛に、絹の実家が窮地に陥ったときに、助けの手を差し伸べないわけにいかないことを気づかせる。

そのとき、エゴイスト喜兵衛が、六十六部の姿を目に留める。物語の途中では、喜兵衛が昔剣術を習った師匠とその奥方の話が繰り返し出てきて、喜兵衛と絹と茂左衛門との関係を暗示しているように思われたのに比べて、最後の六十六部の登場は、やや唐突だと思う。

たとえば、ローレンス=ブロックの『八百万の死にざま』や藤沢周平の『消えた女~彫師伊之助捕物覚え~』では、最後の一行に、物語のすべてが収斂され、浄化されるような気分を味わうことができるのだが、この佐藤雅美の『恵比寿屋喜兵衛手控え』は、これもハードボイルド小説の一つと言えると思うのだが(リーガル・ハードボイルドとでもいうか)、前二者ほどには、最後の一行にカタルシスを味わうことができない。

とはいうものの、旅人を泊める宿の主人が、罪滅ぼしのために旅から旅を続ける六十六部に自らの姿を重ねた、という終わり方も、悪くはなかった。

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紙の本

公認世話焼き

2002/05/29 03:03

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:シャリア・ブル - この投稿者のレビュー一覧を見る

江戸時代の 公認世話焼き 恵比寿屋喜兵衛のもとに
飛び込んできた一つの事件。そして、
それに取り組んだ喜兵衛の見た真相とは?
直木賞受賞の本格時代サスペンス。

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2012/05/06 22:57

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2010/03/23 21:36

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2016/03/21 04:46

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2009/09/24 22:25

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2013/07/31 13:37

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2016/12/04 12:14

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2013/10/26 04:48

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2017/02/18 17:59

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2017/11/16 14:27

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