- カテゴリ:一般
- 発行年月:1996.9
- 出版社: 日経BP社
- サイズ:20cm/348p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-8222-4059-2
紙の本
勇気ある経営 最新経営イノベーション手法を超えて
人から借りた安直な解答は役に立たない。原点に返れ。気鋭の女性経営コンサルタントが豊富な実例と巧みな比喩を交えながら論ずる、ビジネスの不変の真理。【「TRC MARC」の商...
勇気ある経営 最新経営イノベーション手法を超えて
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商品説明
人から借りた安直な解答は役に立たない。原点に返れ。気鋭の女性経営コンサルタントが豊富な実例と巧みな比喩を交えながら論ずる、ビジネスの不変の真理。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
一人歩きしそうなイノベーション手法を集め、本質的な問題解決を行うにはどうしたらよいかを語った経営書
2001/09/12 19:33
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投稿者:好川 哲人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろなソリューションというのは一人歩きすることが多い。一人歩きしそうなイノベーション手法を集め、それが実際に一人歩きしている事例を紹介し、その手法に対する疑問を投げかけた上で、その手法を適用したい問題の本質がどこにあるかを分析し、本質的な問題解決を行うにはどうしたらよいかを語った経営書である。
一例をあげると、フラットな組織。著者のマッキンゼーにおける経験よりフラットな組織などはありえないとこき下ろしている。その上で、諸悪の根源がヒエラルキーにあるという認識がそもそも間違いであり、要は責任と権限を考えてみた場合に、諸悪の根源になるヒエラルキーではその配分がおかしく、ヒエラルキーとして機能していないからだと指摘。その上で、そのバランスをきちんと設計すれば、ヒエラルキーはあった方がよいと主張している。
本書は一見イノベーションなんか必要ないという風に読める。しかし、よく考えてみると、すべて「現状から変える」にはどうするかという議論をしていることになる。そのときにコンサルティングファームのように手法ありきではだめでよく問題の本質を見極めなさいといっているわけである。まさに、イノベーションを引き起こしていくためのもっともポイントになる部分であり、これから経営革新を企む経営者は、まず、横文字ばかりのビジネス書の前に本書を手にとって見るべきであろう。
この本は、ビアスの『悪魔の辞典』のパロディーの形をとっており、読んでいて非常に爽快である。1章で1つのソリューションを扱っている(ビジョン、企業文化、ミッション、エンパワーメント、…)が、そのソリューションがいかに役に立たないかという展開をしている部分の口上は芸術的でさえある。訳者の苦労も並大抵ではなかっただろう。それゆえに、その後にくる、「だからこうすればよい」という部分がよりインパクトがある。
よく似た本に昨年出版された『こんな経営手法はいらない』がある。こちらは経営手法を導入したときに陥る失敗の分析の方に重点がおかれている。この本も併せて読んでみるとよいだろう。悪魔の辞典のビジネス版ということでは、山田英夫氏の『ビジネス版 悪魔の辞典』がある。こちらは現場で起こっていることに焦点を当てている。これらの本はやはり、批判や風刺を面白がるだけではなく、その意味を深く考えて見て初めて読む価値がある本だろう。
(技術士好川哲人の「eマネジメントの本質」第5回 イノベーションと経営革新 後編 より)