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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1996.10
- 出版社: こぐま社
- サイズ:18cm/47p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7721-9024-4
紙の本
マローンおばさん
著者 エリナー・ファージョン (著),エドワード・アーディゾーニ (絵),阿部 公子 (訳),茨木 啓子 (訳)
森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩...
マローンおばさん
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商品説明
森のそばで、ひとり貧しく暮らしていたマローンおばさんのもとに、すずめや、ねこや、きつねたちが訪れ、おばさんは、貧しい中から彼らに必ず何かを分け与えた。読み継がれる有名な詩を邦訳して紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
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著者/著名人のレビュー
貧しい一人暮らしを...
ジュンク堂
貧しい一人暮らしをするマローンおばさんの小屋に、おなかをすかせた動物たちが次々と訪ねてくる。日曜日にはスズメが、火曜日にはネコが、水曜、木曜と動物たちは増え…。分かち合える食べ物にも事欠くマローンおばさんだが「あんたの居場所くらい ここにはあるよ」と迎え入れる。
『ムギと王様』(石井桃子訳・岩波書店刊)などで根強いファンを持つファージョンの静かで温かい詩に、アーディゾーニが美しいペン画の絵をつけているこの小さな絵本は、この十年、どれだけ多くの大人や子どもの心を慰め、人から人へと贈られたことか。
動物たちに居場所を与えつづけたマローンおばさんは、土曜日の朝、目覚めてこなかった。ロバはその背に眠っているおばさんを乗せ、天国の門へと進んでいく。すると聖ペテロは、「あなたの居場所がここにはありますよ」と、おばさんを迎え入れたのだった。
「あなたの居場所くらいここにはあるよ、と自分も誰かにそう言って欲しい、そして誰かにそう言えるようになりたい」そんな感想が様々な世代から届いている。
出版ダイジェスト:2005年12月
テーマ『となりの友が主人公?! 大人のための絵本と童話』より
紙の本
英語の原文もついていて嬉しい
2006/04/17 17:46
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一遍の詩に絵をつけてできた、小さな短い絵本です。一人暮らしのおばあさんと動物たちの優しいお話。あるものの中から分け与えることのあたたかさが心に染みる物語です。
素敵な詩、素敵な挿絵については、他の書評に充分書かれていますので、ちょっと変わったコメントを書かせていただきましょう。
巻末に英文もそのまま載っているのが「おまけ」の嬉しいことでした。翻訳の日本語も素敵ですが、原文も素敵です。少し学校英語とは違うところもありますが、そんなに難しい英語ではないし短いものなので、ぜひ読んでみてください。日本語では気付かなかったことがみつかるかもしれません。例えば主人公の「マローンおばさん」はMrs.Malone。ミセスですから「結婚していたんだろうな。子どもや連れ合いはどうしたのだろう?」などと想像がひろまりませんか?キリスト教的な結末の、英語の表現も実際の使われ方を実感できます。「天国の門」には特に「天国の」という言葉はなくてthe Gateです。聖者の「聖ペテロさま」も英語ではただPeter、ただのピーターさんなのですね。ちょっと宗教色の強い部分も、そんな風に勉強になったりしました。
冬の日に餓え、疲れた動物たちに分け与えるやさしさ。でも、困ったものです、現代の都会ぐらしでは「餌を与えるから増えて困る」と苦情がでることもあるのですから、物語のまま、を実行するわけには行かないのが辛いところ。なんだか少しさみしいですが、「こころざし」だけはマローンおばさんのようでありたいものです。
紙の本
あんたの居場所くらい ここにはあるよ
2015/07/04 00:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「あんたの居場所くらい ここにはあるよ」
マローンおばさんの優しい言葉が、心に響きます。
ひとりぼっちで貧しくて、誰からも顧みられないマローンおばさん。次々とやってくる、ひもじい傷ついた動物たちに、わずかな食べ物、粗末な寝床を分け与えます。そして時が来て、マローンおばさんに与えられた、新たな居場所とは、、、
アーディゾーニの挿絵も素晴らしく、何度でも読み返したい絵本です。
紙の本
ひさびさに泣いてしまった
2001/01/18 18:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Stella - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が子どもへの絵本の与え方の講習会を受講した時に、講師から紹介された本のひとつ。読み聞かせてもらって思わずジンとしてしまいました。手元において読むと、涙があふれてしまいました。
長い詩に挿絵をつけ、絵本風に仕上げたものです。人の間には居場所がないマローンおばさんが、貧しい中から動物たちに居場所を与え、その動物たちがマローンおばさんの居場所を訴えるところは感動ものです。
キリスト教臭さが気になりますが、とてもいいおはなしです。
紙の本
泣いてしまう…
2020/08/18 13:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tansoku - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな場所が誰にでもあれば、そして一人でも味方になってくれる人がいれば、と思いました。
自分が存在しても良いと思える居場所があることは絶対に必要だと思います。
紙の本
こころに静かに・・・マローンおばさん
2005/08/06 00:56
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、手のひらぐらいの小さな本です。
開いてみると余白の多いぺージが印象に残ります。
左ページの真ん中に小さな白黒のカット。
そして、右ページに文章。
ストーリーのある、詩のような文章です。
* * * * * *
マローンおばさんは、森のそばで、ひとり貧しく、くらしていた。
ひとりぼっちのさびしいくらし。
食べ物もほんのわずか・・・
眠る時も古いぼろの荒布を床に敷くだけ・・・
寒いある冬の日
スズメが一羽
ネコが一匹
母さんギツネと六匹の子ギツネ
そしてロバ
家族が次から次へと増えた。
おばあさんは、荒布もずきんも肩かけも
パンもお茶もー
何もかも分け与えた。
仲間がいるとはうれしいね!
あんたの居場所くらい
ここには あるよ
だけど、ある日、おばさんは起きてこなかった。
動物たちは、おばあさんを連れて
天国の門へと進んでいった。
マローンおばさんは、
「ここは私の来るところじゃない 帰りましょう」
といったけれど
天国の門番の聖ペテロさまがいった。
「母よ、入って王座のそばへおゆきなさい。
あなたの居場所が
ここにありますよ、マローンおばさん」
* * * * * *
とっても静かに心に沁みて来るような気がします。
控えめな白黒の絵が、雰囲気をだしています。
なにか、深いものが心に入ったと思ったのは気のせいでしょうか・・・?。
紙の本
Stellaさん、この本の紹介ありがとう。大切に手元に置いておくことにします。
2001/04/30 17:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちっちゃな絵本である。
判型をよく確認せず、表紙の絵と画家名アーディゾーニを見て大学ノートサイズぐらいの、子どもに読み聞かせる絵本のつもりでbk1にオーダーを出した。
『ムギと王さま』の短編童話集で知られるファージョンの少し長めの詩篇が、見開き17画面にわたっている。
詩には、「マローンおばさん」というひとり身の女性の必要最小限の物に囲まれただけの貧しく静かな生活が描かれている。各見開きに、スミ1色の小さなペン画が添えられている。
テキストにはルビがふられていないことからしても、読み手として想定されているのは、幼い子どもたちではなく「大人」であろう。
物語のある詩篇である。
話し相手も、様子を尋ねる人も、心にかけてくれる人もいないマローンおばさんは、冬の月曜日に窓辺にいた弱ったスズメを胸に抱いて「あんたの居場所くらいここにはあるよ」とつぶやく。
火曜日にはやせたネコ、水曜日には6匹の子を連れた母ギツネ、木曜日には傷ついたロバ、金曜日にはクマがやってくる。
「居場所くらいここにある」と彼らを受け入れ、ささやかな物を分けあたえたおばさんは、しかし、土曜日の夜に息をひきとる。
ロバの背に乗せられたおばさんは、ひと晩ゆられ、日曜日の朝に天国の門をくぐる。そして、門番の聖ペテロから、「ある言葉」とともに迎え入れられるのである。
古代ギリシアの時代から求められた「真善美」という生き方が、もともとのキリスト教の教えには反映されている。現代では消えつつあろうが、西洋世界の精神世界のバックボーンとして辿り着く「ここの地平」に、ファージョンもしっかり根を張っていた。
寂しくも幸福に包まれて召された、このマローンおばさんの最後の一週間のお話は、女性の一生を雪にたとえて描き出したポール・ギャリコの物語『雪のひとひら』にも通じるところがあって、自分の生の行く末、死のあり方を見つめる女性には、とても啓示深いと思う。
もう1冊、これは、女性が抱える、より現実的な問題に関して海辺の貝殻に託して思索を深めたリンドバーグ夫人の『海からの贈りもの』というエッセイとともに、友人たちに薦めたい本であるなと感じた。
この本に出会うきっかけを与えてくれたStellaさんの書評の書き込みに感謝します。
紙の本
題名に惹かれました
2018/11/20 23:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
貧しくとも、心優しく生きる方法みたいな本だなあと思いました。
マローンおばさんの言葉も、自分の生き方のヒントとなりそうです。
紙の本
忘れられた人のやさしさ
2017/11/14 04:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰にも顧みられなくなったマローンおばさんは、それでも慈しみのこころを忘れなかった。
哀れな動物たちを家に入れ、温めあう。
どんなに貧しくとも、マローンおばさんは、やさしさを忘れることがなかった。
ファージョンは美しい詩の形で、マローンおばさんのささやかな愛を表現している。