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- カテゴリ:小学生
- 発売日:1996/12/01
- 出版社: 教育画劇
- サイズ:22cm/243p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-87692-581-X
紙の本
バッテリー 1 (教育画劇の創作文学)
【小学館児童出版文化賞(第54回)】【野間児童文芸賞(第35回)】そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。子どもだとか小学生だとか中学生だとか、関係ないこと全部すてて、...
バッテリー 1 (教育画劇の創作文学)
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:10,010円(91pt)
- 発送可能日:1~3日
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商品説明
【小学館児童出版文化賞(第54回)】【野間児童文芸賞(第35回)】そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。子どもだとか小学生だとか中学生だとか、関係ないこと全部すてて、おれの球だけを見ろよ。多感な時期を野球に明け暮れてすごす少年たちを、生き生きと描き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
あさの あつこ
- 略歴
- 〈あさのあつこ〉1954年岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。全国児童文学同人誌連絡会会員。作品に「ほたる館物語」「ゆうれい君と一子」「一子がしった秘密」がある。
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紙の本
漫画ちっくな「やめられない面白さ」
2000/09/25 23:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おぐに - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言えば、すごく漫画ちっく。もちろん、これはほめ言葉だ。
主人公、原田巧はリトルリーグで脚光を浴びた天才ピッチャー。弟の青波は虚弱体質だが心優しく、実は兄の一番の理解者。家庭の事情で父の故郷に転居した巧は、その小さな町で、最高のバッテリー、永倉豪と出会う。
この設定はもう、古き良き「あだち充」系青春野球漫画そのもの。
誰もが読み飽きたような設定なのに、読み始めるとこれが止まらない。無茶苦茶おもしろいのだ。
この「止まらないおもしろさ」というのがまた、漫画ちっくなんだな。
結局、私は続編2、3巻と読むうち、徹夜してしまった。
あえて言うなら、森絵都の「DIVE」に似たテンポの良さ。だから森絵都が好きな人なら、この3冊はお勧めだ。
第1巻はもう、とにかくいい。少年たちの心のひだが丁寧に描かれていて、文句なし。
第2巻になると、少々説教臭くなる。何しろ、テーマは中学校の管理教育。主人公の主張にも古めかしいものを感じるし、型にはまりすぎている。
ところがどっこい、それでも夢中で読めるのは、脇役のキャラクター設定の見事さゆえだ。そもそも主人公の天才投手君にしろ、大人顔負けに老成した相手役の捕手君にしろ、「いるかよ、こんな中学1年生!」とチャチャを入れたくはなるが、その周りを取り巻く脇役の一人ひとりがとても生き生きしている。
それぞれの思春期をもがく友人たちも。その周囲にいる親たちも。
主人公だけが魅力的で、脇役は似たり寄ったりの児童文学が多い中で、これまた森絵都にも言えることだが、「バッテリー」の作者は脇役づくりがものすごーーくうまい。
第3巻まで読み切って、なお「続編が読みたい」と思わせてくれた作品だ。
紙の本
最強バッテリーの作り方。
2002/02/22 11:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る
野球をするために生まれてきた天才児、原田巧。誰よりも速い球と、誰よりも恵まれた才能を持つ巧だが、それゆえに、野球を純粋に楽しむ気持ちと、自分の速球を捕ることの出来るキャッチャーにまだ出会っていなかった。しかし、父親の転勤で引っ越してきた町で、巧は最高のキャッチャーに巡り会うことになる。原田巧と永倉豪。二人のバッテリーとしての野球が、そこから始まる。
ピッチャーとしては天才、しかし人間としては欠陥だらけという巧のキャラに惹かれる。自分の才能を誰よりも理解し、自信を持っている生意気な巧は、学校や先輩、教師や大人たちの理不尽な言い分に一人反発する。普通はそこで妥協するだろ。というようなところでも、絶対に自分の意思を貫き通そうとする巧は、全部が全部正しいわけではないけれど、子供の頃に我慢してきた、私たちの子供なりの言い分を代弁してくれているようで気持ちが良い。
それを補うように人が良く、面倒見が良い豪は、巧とは正反対の性格で面白い。巧のことを分かろうと努力するのに分からない。しかし、自分は巧のキャッチャーであり続けたいという豪のジレンマは、まだまだ続きそう(現在4巻まで読破)。しかし、彼らが最高のバッテリーになることは、間違いないだろう。
第35回野間児童文芸賞受賞作。たいへんオススメな一作。
紙の本
クールで孤高の天才ピッチャー。
2001/05/18 21:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miyagi aya - この投稿者のレビュー一覧を見る
両親の転勤によって小さな街に引っ越してきたクールな天才ピッチャーの原田巧が理想のキャッチャーである永井豪と出会ってどんどん強くなっていく…というのが大筋の児童書です。
中学生のお話ですが、あまり爽やかに青春ものっぽい雰囲気はないです。というのも主人公の巧が友情とか協調性とかをどこかに置き忘れてきたような性格で、自分の能力に対しては確固たる自信を持っていて、どれだけ速い球を投げられるか、勝つか負けるかだけが全てであるという信念を曲げようとしないからです。
中学生どころか大人まで唸らせるほどの才能を持つ巧には若さと才能ゆえの驕りがあり、けれどその自信に見合うだけのものを必ず身につけようと努力する姿は潔くすらあります。自制心が強くてプライドが高くて何より意志の強さがハンパじゃない。こんな中学生いるの?と思ってしまうほど、クール。その巧が、家族との軋轢や大人の視点から見た正しい理屈など、野球とは関係のない所からの圧力におびやかされて息苦しさを感じているのを見るたびに、こちらまで胸が苦しくなるような気がしました。
けれど、そんな巧が引越し先で出会ったのが、彼のクールで辛辣な物言いにも動じない大らかさを持った豪です。彼とバッテリーを組むようになって巧は変わり始めます。角がとれて丸くなるとか周囲との協調性を学ぶなんてことじゃなく、巧はより真剣に、迷いなく、自分の野球に対する思いを強くしていくのです。
彼らの野球に対する情熱にほんの少し自分の中学時代を連想させられながら、あっという間に最後まで読み終わりました。図書館で借りても本屋で探しても良いのでとにかく一度目を通してみてほしい本です。
紙の本
軽薄短小やさしさごっこを蹴散らして強烈な個性、登場!
2000/08/16 17:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:後藤竜二 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原田巧。小学校を卒業したばかりの春、父の転勤で母の実家に転居。転居したその日もランニングを欠かさない。修学旅行の夜にさえ、ホテルのまわりを走る少年なのだ。
「今日走らなければ、明日、ほんの少しだが確実に身体は、重くなる」「トレーニングを休んだ後のわずかな肉体の重さとけだるさがいやだった。」
しかし、はじめての道に迷い、同年令の永倉豪と運命的な出会いをする。自分の豪速球をまともに受け止めてくれるやつはいない、だれも頼りにならないと思いこんでいたのに、豪は数球の練習だけでたしかに捕球し、その球にほれこむ。
「たぶん、最高のバッテリーになる。なんの前ぶれもなく、そんな思いが胸をゆさぶった。身体の中で何かがはじけたほどの強い感情だった。」
試合のシーンがまったくない野球小説というのもスゴイが、父も母も、固有名詞で記されていることに見られるように、登場人物たちのすべてが、それぞれ妥協することなくギリギリのところで強烈な個性をぶつけあっている姿を描き切る力技は、まさしく豪速球の真っ向勝負。尋常一様ではない。
病弱な弟・青波のキャラクターが新鮮で、さらに物語を深いものにしている。
「ぼくな、お兄ちゃんみたいになりたいんじゃのうてな、野球がしたいんじゃ」
物語の中では、スーパーヒーローの兄を食っている感もあり、ゆかい。
それにしても、わが道を行く天才少年投手は学校の野球部でやっていけるのだろうか?
やさしさごっこにうんざりしている方におすすめ。
続編2、3がすでに出ている。
99年度野間児童文芸賞受賞。
『バッテリー2』は99年度日本児童文学者協会賞を受賞。