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大いなる旅立ち 上 (ハヤカワ文庫 SF 銀河の荒鷲シーフォート)
大いなる旅立ち(上)
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紙の本
シリーズ全部をまとめて衝動買い、面白い
2003/02/23 20:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は何でこんな本を買ってしまったのかと、悔やんでしまった。士官候補生へのしごきの細々した描写や、たびたびでてくる宇宙軍艦内の晩餐の席での統一協会だかなんだかの祈りの言葉が、気に障った。しかし、まもなく子供の頃冒険小説を読んでいた時の様に、次にどんな展開の話がでてくるかと期待し、ワクワクする気分になってきた。運命の巡り合わせで苛酷な責任を持たされて、困難に立ち向かいそれを乗り越えていく、宇宙軍の若武者の成長物語と言う、定番の話である。ストーリ展開、人物描写、あらゆる点で、ハインラインの同様の作品より、遥かに良くできている。第二作目以降もますます面白くなるとの、翻訳者のあとがきもある。大いに期待できると思う。
このシリーズの残り5巻(各巻上下2冊)をまとめて衝動買いしてしまった。
紙の本
SF好きなら、買って絶対に損はしない!でも…
2002/06/26 17:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sinomiya - この投稿者のレビュー一覧を見る
はっきり言って、この本を上下で買いそろえて、絶対に損はしません。
もちろん、しかも上下巻ということで読むのに時間はかかるでしょう。そして、どうしてこんなに一日は短いのだろうかと、後悔するでしょう。しかし、それはこの厚みのせいではなく、この本があまりにも魅力的であるせいであると思います。
先が気になって仕方ないのです。片手間に読むのは危険を伴います(対人関係的とかに…)。一人でじっくりと読んでください。
この、良い涙を流せる、心が熱くなる物語は是非お勧めです。
シリーズも、つづけて2・3部までは、まとめて買って良いと思います。
しかし、主人公ニッキー・シーフォートは少年とはいえ宇宙海軍の軍人であり、そのネイビーオール(爪の先まで海軍軍規とそれに相応した誇りに染め上げる)のしごきっぷりには古き良き米国海軍の物語のそれらを思わせて、ちょっと苦笑も禁じ得ないものがあります(作者さんはナポレオン戦記のフリークらしいです)。
それもこれも航行の規律と秩序のためだとはいえ、17歳の少年にはこの物語上の事件はあまりにも過酷な試練であり、少年だからこその頑迷さ(?)で、結局は困難を切り抜けていくのではあるのですが、現代日本人としては、やはりその軍人気質や、英国的なしごきに違和感は拭えません。
しかし、そんなしかめつらしいことを言いながら、ぐいぐいと引き込まれるのは、そのヒロイズムと、案外ともろい少年ニックの内面と、その周りを固めるニックによって成長していく、また高め合う、同僚のやはり少年達との友情と交流に、暖かさと真摯さがあるからです、本当に思わず目頭が熱くなります。
精神論や規範による規律になじみある真面目な日本人読者には、キャッチーな(?)お話であると思います。
一方、この表紙のせいなのか、何故か女性に人気のある物語のようなのですが、疑問に思っている最中、友人の一言でその心理の回答を得ました…そうか、読みようによっては、真摯な熱い少年達の物語って、萌えられる一因になんだ…。(汗)
もちろん、そんな邪じゃない人にも是非お勧めです。
いや本当に、熱い感動の物語なんですっ!!
紙の本
次々と襲ってくる波乱に立ち向かう少年の成長を描いた物語
2001/10/15 13:08
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投稿者:木更宜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
急成長していく漢の生き様! 愛と憎しみ、そして友情。
年令設定の低さと偶発性の高さは、やや安直な印象も受けるが、最初から物語に入りこみ安さと身近さがあり、気づくと物語に持っていかれてしまう。軽快で疾風感のある読み物だが、物語の根幹が(或いはキャラクターが)かなりしっかりしているからこそ、読み応えも充分。
小説は主人公(シーフォート)の一人称で進みます。その分、読み手は気が付くと彼の大変危なげな情況に、一緒にハラハラさせられていくようになります。最初は世界観が取っつきにくい所もあるのですが、一度物語に入り込めばそれすらが作者の仕掛けになります。
きっと貴方も途方もなく主人公に科せられた試練に、その乗り越える様に引き込まれていく事でしょう。そしてこの物語の見所は、主人公ではなく、更に彼を支える仲間達の存在にあります。主人公よりも実は彼らの方が共感を抱きやすい気もします。
ヒーローとなるには功績が必要だ。彼は過酷な情況を過ごすうちに、いくつもの実績を積んで、新たなる宇宙の英雄に育っていく。その過程を描いたこの作品。
責任を負う人間の苦労と悲哀、孤独。そして喜びを貴方も彼と一緒に味わってください。
そしてこの本は是非、下巻をそろえてお読み下さい。そうでないと確実に「続きが欲しい!」とのたうつ事になるでしょう。
紙の本
シーフォート君危機乱発!
2002/03/15 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:本門寺四十郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殖民星へと向かう国連軍宇宙軍艦ハイパーバーニアは、その道行きの半ばにして艦長以下全士官が死亡し、残るは士官候補生のみという大災厄に襲われる。かくして17歳の士官候補生が船の指揮を執るという非常事態に陥った。だが、その災厄はまだ始まったばかりだったのだ!
という、「奇絶怪絶また壮絶」というか、「シーフォート君 危機乱発!」といった風情のSF青春軍隊物である。なにしろ、上巻の半分に至ってシーフォート君が艦長に就任すると、上巻の残りでトラブルは一応解決するのである。これで下巻に書くことがあるのかと思って読み進むと、さらにとんでもない事件が待ち受けている。その事件も下巻の半分近くまで来てなんとかクリアして、さすがにもう書くことはなかろうとのほほん読み進むと、なんと、ここからさらに信じられない大事件が発生するのだ!
とにかく、こちらの予想を越える事態が次から次へと、しかも後になればなるほどテンポを速めて襲い掛かってくるのである。ジェットコースタームービーならぬ、ジェットコースターノベルというべきであろう。この展開は文句なしに面白い。
とはいえ、もちろん手放しで誉めるわけにはいかない。光速通信より宇宙船のほうが先に着く情報的に断絶した宇宙を、無線のない18世紀の海洋にたとえて描く、という手法は珍しくないが、ここまでそのままというのはどうなのか、という気もする。また、SF的ガジェットも乏しく、SFならではの気の利いた設定も感じられず、だったら「ホーンブロワ-シリーズ」を読んでいればいいのでは、という気にならなくもない。
そういった意味では、面白いがそれだけでしかない、という評価に落ち着かざるを得ない。
だが、ステレオタイプではあるがキャラは魅力的で、「エンダーのゲーム」のビーンたちに感情移入できた人なら必ずや楽しめる1冊だ。とにかく100ページまで読み進んだら、もう最後まで本を置くことはできないだろう。SFとしては評価はしかねるが、お金と時間を損させない、エンターテインメントとして、高く評価する。
紙の本
「銀河の災難男」を襲う不幸の波状攻撃
2001/11/13 14:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よの - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初、「銀河の荒鷲シーフォート」というシリーズタイトルを見たときは、いわゆる「ヒロイックSF」だと思っていた。しかし、実際に読んでみれば、この本はどちらかというと「銀河の災難男」の苦労物語だった。
果てしなく、これでもかと主人公ニックを襲う不幸の波状攻撃に、気づけば読み手はすっかり捕らわれて、ハラハラしながら読み進めることになっている。
ニック・シーフォートという主人公を表現するなら、くそ真面目で、融通のきかない、短気な男。「若い」という点でカバーしているが、これが50のオヤジだったら、多分かなりイヤな人だ。かっこいいかと問われると、答えはかなり微妙。私はこの男の近くで生活はしたくないし、きっと同じ船にいれば、悪口を陰で言うだろうと思う。けれど、「宣誓」にすべてを託し、覚悟を決めて、きまじめに、とりたてて優れているわけでもない能力の限界ギリギリで踏ん張っているその生き様は、読み手をハラハラさせるのにもかかわらず、見事であり、尊敬できると思う。その覚悟の決めっぷりが見事で、だから、やはりこの男はかっこいいのだと思う。
立て続けに発生する難問を、17の若さで背負わなければならなくなったニックは、不幸ではあるが、それでも立ち向かう姿に、読み手はどんどんと共感してしまい、気づけば心の中でエールを送っている。
この本は、全然ヒロイックSFではない。ちょっと見には普通に見えるクソまじめな少年が、そのまじめさ故に、幸か不幸か英雄じみた「男」にならざるをえなくなり、波状攻撃でやってくる苦境を七転八倒しながら乗り越えていく、泥臭く、汗くさい物語である。読み終わるとなんとなく肩から力が抜けて、かみしめていた奥歯がゆるむ感じがする。
上下巻そろえてから読み始めるのがいいだろう。止まらない続きへの欲求に、あっという間に読み切ってしまうことを保証する。
紙の本
荒鷲でいいのか?
2001/08/10 00:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りえち - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のニック・シーフォートは格好いい。それにつられて読んでも、後悔のない一冊だ。
でも、シリーズタイトルの「荒鷲」に、いつも「?」と引っかかってしまう。「荒鷲」なんていかにも男らしい、宇宙の男っぽい枕だが、なんてニックに不似合いなのだろう。本作の彼は真面目が取り柄の先任士官候補生で、それが度重なる偶然のいたずらから、結果的に英雄になってゆく。彼はいつもぐずぐず考えているし、たまに感情のままに振る舞ってはど壺にはまっているのだから、手に負えない。
それでも、こうと決めたときの潔さには敬服するし、覚悟を決めたときの格好良さは格別だ。そしてそれが、世間の彼の評価となる。そのときのニックは、まさしく「荒鷲」といえるのだろう。だが、彼の心を追いかけて読み進む私にとっては、ニックは優柔不断で生真面目で心優しい、情けない男である。私はそんな彼を応援している。
読むときは、上下巻を揃えてからがお薦めだ。止まらない…いや、止められないこと請け合いである。