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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1997.6
- 出版社: 白水社
- サイズ:20cm/330,3p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-560-04634-4
紙の本
小説の技巧
著者 デイヴィッド・ロッジ (著),柴田 元幸 (訳),斎藤 兆史 (訳)
ジェイン・オースティンからポール・オースターまで古今の名作を素材に、小説の書き出し方、登場人物の命名法、文章反復の効果など作家の妙技50ポイントを鮮やかに解明。小説昧読の...
小説の技巧
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商品説明
ジェイン・オースティンからポール・オースターまで古今の名作を素材に、小説の書き出し方、登場人物の命名法、文章反復の効果など作家の妙技50ポイントを鮮やかに解明。小説昧読の楽しみを倍加させる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
デイヴィッド・ロッジ
- 略歴
- 〈ロッジ〉イギリスのコミック・ノベルの第一人者。小説執筆の傍ら、バーミンガム大学で教鞭をとる。著書に「楽園ニュース」「バフチン以後」など。
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紙の本
小説をもう一歩、踏み込んで読み込みたいあなたへ。
2011/09/17 17:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トグサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説内で用いられているテクニックを、50ほどのテーマで、どういう効果を期待してそのテクニックを使われているか、具体的なテクストを最初に提示し、非常に解り易く解説されてある。
また、具体例と挙げられている小説のテクストも適切。
訳者は、今をときめく柴田元幸さん。
もう少し深く小説を読みほぐしたいんだけどという読者にとっては、まずは読むべき必読の書。
紙の本
小説の「思考」
2002/02/13 19:13
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LastThings - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説を、よりおもしろく読むための本。
作家であり大学教授でもある著者が、小説を様々な観点から読み解く。元は新聞の連載ということもあって、一般読者に向けて書かれたその文章は極めて明晰で、特に予備知識も必要としない。
著者自身の作品について言及している部分もあり、作家が小説に「技巧」をしのばせるときの「思考」を、リアルな形で見ることができる。文句なしにおもしろい。
紙の本
小説のテクストから読み取れる情報量を増やすための一助に
2011/05/02 21:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はイギリスの小説家であり、バーミンガム大学の教壇にも立つ人物。
小説を書くにあたって古今の作家たちが講じてきた技術を全部で50取り上げて論じた一冊です。
例を挙げると、「意識の流れ」や「間テクスト性」、「異化」や「信用できない語り手」など、小説批評論の類いで一度ならず耳にしたことがあるものがいくつもあります。なんとなく聞いたことはあるけれど、実のところその詳細についてはまだ理解できていない、という読者には一定の役割を果たすと思います。
「マジック・リアリズム」を、作家が歴史的にも個人的にも大きな変動を生き抜いてきて、穏やかなリアリズムではその体験を十分表現できないと感じている場合に用いられるとしている点は、膝を打ちながら読みました。
そして「マジック・リアリズム」では現実と幻想の間に緊張をはらんだ結びつきが常に存在し、そこで起きるありえない出来事は現代史のはらむ極度のパラドックスを表す一種の隠喩であるとする一方で、「シュルレアリスム」では隠喩こそが現実となって、理性と常識の世界を抹消してしまうと指摘します。このあたりもなるほどと頷かされるところです。
訳者あとがきに、「健全な技術的知識は、同じテクストから読み取れる情報量を増やしてくれるのである。要するに、小説をより面白く読めるようにしてくれる」(310頁)とありますが、西洋絵画におけるシンボリズムを学ぶのにも似たものを感じました。
難点をひとつ言うと、本書の文章は決して平易とは言えません。訳者は柴田元幸と斎藤兆史という日本を代表する英語の使い手。特に私は柴田元幸の翻訳にはこれまでも随分と楽しませてもらい、その訳業には全幅の信頼を寄せるものです。
それでも本書の訳文はかなり難解に感じました。おそらくは柴田・斎藤組の翻訳の技量の問題ではなく、そもそも著者ロッジの文章がやさしくないのでしょう。