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オンリー・チャイルド (扶桑社ミステリー)
オンリー・チャイルド
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紙の本
とことん不快な裁判劇
2000/11/26 11:40
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投稿者:OK - この投稿者のレビュー一覧を見る
真性邪悪作家ジャック・ケッチャムによる児童虐待リーガル/サイコ・スリラー。筋書きは少々むりやりなのだけど、よくもまあここまであざとく不愉快で不条理な裁判劇を描けるものだと感心してしまう。とことん不快な話なのになぜかやたらリーダビリティが高いケッチャム節。ある意味では『隣の家の少女』以上に救いのないダークな結末で、ひとつの邪悪をようやく片づけたとしても、その行為がさらなる悲惨な循環を招かざるをえない、といういずれにしても好転しようのない始末の悪い構造になっている。ほんとに底意地が悪いなあ。B級ホラー版パトリシア・ハイスミスといえば近いかもしれない。
『オフシーズン』や『隣の家の少女』のような、おなじみの直接的な残虐描写はそれほど多くない。というより意図的にいくつかの重要な場面を「描かない」まま進めることで、それらを読者の陰惨な想像のなかでふくらますに任せるような書法を採っている。これはやはりケッチャム流の洗練というべきなんだろうか。