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商品説明
超能力開発途上の陽之助。推理マニアの一角。美人に弱い峻平。3人に超能力による解決を依頼する美女たち。絶妙のチームワークで挑む、予想もしない方向へ展開するユーモアミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
井上 夢人
- 略歴
- 〈井上夢人〉1950年生まれ。徳山諄一と“岡嶋二人”を結成し、「焦茶色のパステル」で江戸川乱歩賞を受賞。89年にコンビを解消した後も、「ダレカガナカニイル…」など話題作を次々に発表している。
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紙の本
もしかして、癒し系
2001/12/28 11:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「僕、超能力者と同居しているんです」なんて、目の前の人が突然言ったらあなたはどんな反応をするだろうか。
この本の主要メンバーは、超能力開発中のヨーノスケ、理屈屋のイッカク、そして物語の進行人でもある僕、こと、美人に弱いシュンペイ。三人の男たちは工場のような倉庫で共同生活を送っている。主人公の一人の僕は牛丼屋で働いているが、お客に丼を出すかたわら、話のタネとして自分の同居人の話をしたりもする。
「超能力者と同居している」と言った時の相手の受け取り方は、大きく分けて四通り。一つは冗談だと思うタイプ。二つ目は、まるで社会の敵だとばかりに、あからさまに嫌悪するタイプ。三つ目は興味を示して話に身を乗り出してくるタイプ。ここまでは、まぁ、一般的な世間の反応といえるだろう。そして最後の一つは、これは少数派であるが、話をしたとたんに真剣に思いつめ、全く疑わないで相談を持ちかけてくるタイプである。
「その人を紹介していただけないでしょうか」というセリフとともに、『007』のボンドガール、『男はつらいよ』のマドンナ役、とまではいかないけれど、一話完結の話には入れ替わり立ち代り、魅力的な女性たちが僕の前に現れる。彼女らはなぜか僕に仲介を頼み(実際、僕は不思議に思っている)、その結果もたらされる相談事によって物語は進んでいく。
本のタイトルの『風が吹いたら〜』は、一人の女性の相談から新たな女性の相談へとつながっていくストーリー展開とよく合っている。風が吹けば桶屋が儲かる、ではこの物語で儲かっているのは誰か? 吹き飛ぶ常識、無用の論理、物事はいつも予想しない方向へと転がっていくが、三人の男たちが迎える結末は、いつだって同じ。
この話は一つのパターンに沿って話されているので、様式はほとんど変わらない。繰り返しの決まり文句が多いので少しダレるところもある。しかし、その中に漂っているのほほんとした情けな〜い、何ともいえない気の抜け具合がおもしろい。