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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1997.10
- 出版社: アスキー
- サイズ:21cm/701p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89366-816-1
紙の本
ダービースタリオン全書
著者 成沢 大輔 (編著),シービーズプロジェクト (編著)
ダビスタ界の重鎮が多数参加し、明らかにしたダビスタの真実。親似コメントの正体や、インブリード・ニックス等の配合テクニックの効果、調教テクニックのすべてなど、ダビスタを遊び...
ダービースタリオン全書
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商品説明
ダビスタ界の重鎮が多数参加し、明らかにしたダビスタの真実。親似コメントの正体や、インブリード・ニックス等の配合テクニックの効果、調教テクニックのすべてなど、ダビスタを遊び尽くす情報がギッシリ。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ダビスタ全書を考える
2001/02/01 04:20
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投稿者:森田揚々 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダービースタリオン・ファンにおなじみのファミ通・攻略本である。
構成は当然の如くゲームに登場する全馬のパラメーターが主体となるのだが、この攻略本が数多く存在するあらゆる種類のゲーム本と違うのはそれに納まらず資料としても活用できるところだ。通常のゲーム本であれば当然、操作方法、パラメーター、裏技等に内容は限られてしまうのだが、この本はそれプラス、全馬の実写真、経歴、配合、種付け料、代表産駒また、インブリード表、JRA主催のその年の年間スケジュール、はたまた驚くことに約300年にも及ぶサラブレッドの初代からの父系の歴史などが詳細に網羅されている。この常識からははずれた過剰なサービスとも思えるほどの情報こそがこの攻略本が他の攻略本と一線を画す所以たるやなのである。
ゲーム本ならずともこの血統配合等を専門とする種牡馬辞典などは以前より多く出版されているが、ここまで一頭一頭の (それこそマイナー種牡馬まで) 写真を良質の紙を使い、カラーで掲載されているのは珍しいのではないか? 配合表にもカラーを混ぜ非常に見やすく手ぬかりも見られない。
またこの書籍の冒頭にはゲームの内容とは多少ずれるかもしれないが、馬の誕生からセリ、トレセンの世界、はたまた馬具というトピックをやはり豊富な写真とともに紹介している。そのつくりは中学・高校時代にお世話になった社会資料集といった感だ。それだけゲームとしてでなく競馬として十分資料となりうる本ということだ。
また分かり易さも多くの世代をこの書籍が惹き付ける理由だろう。これはゲーム作者の功績と言えるだろうが、例えばパラメーターである。パラメーターのABCというアルファベット表記はゲーム界独特の風習であるが、これ以上競馬をよく知らない者に分かりやすく説明する右脳的表記は他にないのではないか。これを見ただけで、ああクリミナルタイプを付けてもハズレの仔がばっかだよなぁ、とかサンデーつければ値がはっても大きなとこ狙えるだろな、とか一目であれこれ描くことができる。本当のマニアには、結論のない可能性ばかりが並ぶ種牡馬辞典のほうが読みごたえがあるのかも知れないが、分かりやすさ、また付け加えるならレイアウトの見事なまとまりからこちらを一般のファンにはゲームファンならずともお薦めすすめする。
もうひとつ。年間スケジュールが付属しているがこれが意外に競馬ファンには重要かつ意味を持つものである。JRAは毎年の慣例とも言える番組の一部組み換えを行うのであるが、ファンにとってはこれが思いのほか煩わしく、得に重賞レースの移動は堪え難いものである。(目黒記念、鳴尾記念など) そんな過去の番組体系が生々しく保存され、確認することでおぼろげな記憶を辿ることができる。(個人的に重賞は過去の名馬たちの活躍の軌跡であり、ファンの思い出なのでJRAにはなるべく重賞レースの変更だけはやめてほしいと切に願う。)
熱く書評を書かせてもらったが、この本も醒めた見方をすれば過去のバージョンのゲーム本である。しかしこの本にはここでしか出会えないもう種牡馬として引退してしまった名馬がいる。死んでしまった繁殖牝馬がいる。その馬たちと再会するにはこのバージョンしかないのである。
なぜこの本が競馬ファンに、ゲームファンに今なおゴミ箱に捨てられることなく、思い出したように手にとって愛読されるのだろう。またあのダビスタ・ブームとはなんだったのだろう。そこにこの本のすごさと果たした役割が垣間見えるような気がする。