「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
マザーグース・ミステリ
2004/07/11 23:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:明けの明星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
エラリー・クイーン・ファン・クラブのランキングで10位を獲得し、山口雅也氏もお気に入りの、人気がある作品のようです。
<靴に棲む老婆>コーネリアが支配するポッツ家には六人の兄弟姉妹がいました。サーロウ、ルーエラ、ホレイショは少し頭のねじが外れかかっている。ロバート、マクリン、シーラはいたってまとも。怒りっぽいサーロウがロバートに時代錯誤な「決闘」を申し込んだときから、不可思議な事件は幕を開けます。……あとは読んでのお楽しみ。
とても不思議な雰囲気を持った作品です。扉の解説に、「陰惨かぎりない雰囲気を、やわらかな童謡のユーモアでくるみ、一種独特の気品がにじみ出ている。」とあります。まったくその通りです。これぞ「マザーグース・ミステリ」でしょう。
作者はエラリー・クイーンですから、謎解きのほうでも堪能させてくれます。マザーグースの狂気と幻想のかげに隠れた、狡猾な真犯人は誰なのか? 作者はバッチリ読者の期待にこたえてくれます。
エラリー君は、ポッツ家の毒気に当てられて、少々カンが鈍くなっています。━━シーラ・ポッツのせいでもあるでしょう。我らがヒーロー、エラリー君は「分析」を語り出しながら、自分の正気を疑い出します。━━こんなところも、なんというか、マザーグースではありませんか。
犯人の正体を知ってみると、犯人のとった行動がいかに必然的だったかが、よくわかります。
一読の価値がある名品です。