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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1997.11
- 出版社: 国書刊行会
- サイズ:23cm/226p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-336-04006-0
紙の本
書物の王国 6 鉱物
「鉱物」をテーマにした文学を集める。石・宝石・結晶などの無機物たちの愛と憧憬を描いた随筆、博物誌、神話・伝話・民間伝承、怪談奇談、思想・随想、小説、詩歌等、古今東西36作...
書物の王国 6 鉱物
紙の本 |
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- 税込価格:49,390円(449pt)
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商品説明
「鉱物」をテーマにした文学を集める。石・宝石・結晶などの無機物たちの愛と憧憬を描いた随筆、博物誌、神話・伝話・民間伝承、怪談奇談、思想・随想、小説、詩歌等、古今東西36作品を紹介。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
石の夢 | 渋沢竜彦 著 | 9-18 |
---|---|---|
貝の火 | 宮沢賢治 著 | 19-33 |
水晶物語 | 稲垣足穂 著 | 34-48 |
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紙の本
美の存在する空間。
2002/07/21 01:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉱物は美を凝縮した、もしくは内に美を閉じ込めた存在である。鉱物をテーマにした本書では、美しい鉱物たちが多数登場する。宮沢賢治の「貝の火」に出てくる貝の火という宝珠は、冷たく美しく澄んでいながら、内部では赤や黄の焔をあげて、ちらちらとせわしなく燃えているように見える。川に溺れたひばりの子を助けて、ひばりから貝の火をもらった兎の子、ホモイ。だが貝の火は、持ち主が清らかな心を持っていなければ次第に曇ってしまうという宝珠だった……。美しいものは例えば宝石のように高価だったり、もしくは雪や花のように儚い存在だったり、月のように自分のものにすることは出来なかったりする。それゆえにまた美しい。美しいものを手にするのは、本当に困難なことなのだ。
長野まゆみ「鉱石倶楽部」は鉱石を菓子になぞらえて紹介しているが、本当に美味しそうだ。「食べてしまいたいほど可愛い」などという言葉があるが、花も鉱石も、美しいものを食べてしまえればどれだけ良いだろう、そしてそれは美味に違いないと思うのは、私だけではあるまい。それでも食べてしまえば無くなるのだから後悔するだろう。美しいものは、そうした曖昧で危険な狭間に存在するのだ。幻想であっても、幻想ゆえに夢は膨らむ。