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投稿者:R - この投稿者のレビュー一覧を見る
若かりし頃のハリ・セルダンのお話。
いずれ神格化されるセルダンが人間味があってよかった。
拡張版地球史といったシリーズなんだなと実感。
紙の本
ファウンデーションへの序曲
2001/11/28 16:33
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投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アイザック・アシモフの有名な銀河帝国シリーズのうちの発行順序から言えば、新しい方に列される一冊である。しかしながら、内容はシリーズ全体の最も初期の段階を扱っているもので、「ファウンデーション」の頃は既に初老だった心理歴史学者ハリ・セルダンの若き頃の奮闘を描いた物語である。
それまでのファウンデーションシリーズが、どちらかと言えば重たい雰囲気を背負っていたのに対して、打って変わって本書はテンポよく話がすすみ、重苦しい雰囲気は無い。若くして学問に全てを捧げたような根っからの学徒が、親しくなった女性との距離を徐々に狭めていくといったような、ちょっとした風味もあり、アシモフの軽妙洒脱な物語展開が、読者を楽しませてくれる。
ストーリィの骨子は、ファウンデーションシリーズ全体でも非常に重要な位置を占める「心理歴史学(サイコヒストリ)」が完成していく過程であり、セルダンが如何に心理歴史学を完成させたかが描かれている。
これまでのファウンデーションシリーズを読んだ人ならば、是が非にでも読むべき一冊である。
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「心理歴史学」を発表したセルダン。皇帝に謁見するが、実用にはならないと説明するが… 追われ、殺されそうに。
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いま読んでいます。
まさか、ハリ・セルダン自身の物語とは予測していませんでした。
まだ、2章目なのですがぐいぐい引き込まれているかも。
アシモフ・・、あと50年くらい書き続けてほしかった。
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『ファウンデーションと地球』に続くストーリーではなく、
ハリ・セルダンの若きし時代の物語。
セルダンのイメージがちょっと崩れた。
まあ若いときなんてこんなものか。
しかし長い旅路が全て仕組まれたものだった、
というストーリー構成が基本的に好きではない上に、
『ファウンデーションと地球』も同じストーリー展開だったので
ちょっと、という感じ。
でもダニールが出てきたのが嬉しい。
疑問。
ヴェナビリは結局ヒューマノイド・ロボットだったのか?
ヒューマノイド・ロボットだとしたら
いつ・どこで、造られたものなのか?
どこかで回答が得られることがあるんだろうか。
ま、いろいろ思うので
甘くなりがちなSFだけれど★2で。
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ファウンデーションシリーズの時系列的なはじまり。シリーズの発表順に読んでくるとセルダンが想像以上に馬鹿っぽくてかわいくみえる(笑)
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http://shinshu.fm/MHz/67.61/archives/0000409346.html
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銀河帝国興亡史6 それだけで何も言うことはない
表紙 7点鶴田 一郎
展開 7点1990年著作
文章 7点
内容 730点
合計 751点
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鋼鉄都市シリーズから某キャラクターを追いかけて読了。
ファウンデーションシリーズを1から読もうと思ったがだいぶ長かったので邪道だと自覚しつつも「ファウンデーションへの序曲」から入った。
鋼鉄都市シリーズ、ファウンデーションシリーズ双方読んでいた人とっては感動だったんじゃないだろうか…それを思うと順番に読んでおけばよかったかもしれないと少し後悔する。
鋼鉄都市のヒロイン、グレディアも魅力的だが、ハリセルダンのパートナー、ドースはより自立した女性像になっている。強く聡明で読んでいて気持ちが良い。
鋼鉄都市のキャラクターが出るのは元々知っていたが彼が「ロボットと帝国」から長い時を経て人間を見守っていたことを思うと涙が出てくる。
リアルタイムで読んでいた人たちはこの気持ちとどう折り合いをつけていたんだ!?
続きが気になるのですぐに「ファウンデーションの誕生」に手をつけることにする。
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前作で未来への展開に行き詰まりを感じていたので、過去に戻るのは良いと思った。
ファウンデーションシリーズでは伝説的存在となっているハリ・セルダンが等身大の人物、ひとりの若者として描かれている。
ただ、セルダンが心理歴史学に取り組んでいく過程が強引な感じがする。解けないと思っているものに取り組むにはドライビングフォースが弱いような・・。
前作までの第二ファウンデーションやガイア、地球(ロボット)のような超能力的なものがセルダンに働いているなら納得いくが。前作までの内容が伏線になっているかもしれないと思うと、すべてが(良い意味で)怪しく見えてくる。
前作までの人類発祥の地やロボットを匂わせ下巻へ続く。
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SF古典。銀河帝国興亡史の中では後に書かれたものであるが、時系列的には序盤である。
数学者ハリ・セルダンは銀河帝国の首都惑星トランターで開催された数学者大会で心理歴史学を応用することで人類の未来を予言できるとの理論を発表した。量子力学で否定されたラプラスの悪魔のような主張である。この理論に目を付けた銀河帝国皇帝クレオン一世はセルダンを強制的に召喚する。理由も説明されなかった。ここには権力の強引さがある。
セルダンは「皇帝に拝謁をたまわり、お褒めの言葉をちょうだいすることになるとしても、嬉しいとは感じなかった」(21頁)。この思いは大いに共感できる。
皇帝は「儀礼は大嫌いだ。何につけても儀礼、儀礼で、もううんざりだ」と言う(24頁)。これが本音ならば共感できる。しかし、相手の心を開かせるための策略ならば卑劣である。皇帝はセルダンに対等な会話を求めるが、既に強制的に話し合いの席に着かせている時点で自由で対等な話し合いは成り立たない。尋問と変わらない。
セルダンの以下の台詞は正しい。「陛下がどのような答えを求めておられるかをお教えいただいて、わたくしがそのとおりにお答えするか、または、処罰されずに、思いどおりの答えをする自由な権利をお与えくださるか、どちらかにしてください」(35頁)
皇帝は「思い通りに話せ」と言うが、アリバイ作りの建前に過ぎなかった。セルダンは解放されたが、それはセルダンの自由を尊重したからではなく、以下の深謀からであった。
「幽閉はどんなに形を変えておこなっても、怨みと絶望を引き起こすものでございますし、かれの学説の進展にも、われわれへの奉仕の気持ちにも、よい効果を生じません。むしろ、陛下がなさったように、かれを帰らせ、目に見えぬ綱を永久につけておくほうがよろしゅうございます」(42頁)
結局、セルダンはそれまでの生活を捨てて逃走する。
皇帝がセルダンに強要しようとしたことは、とんでもないことであった。「未来を予言するにはおよばない。未来を選ぶのだ―良い未来を、有用な未来をな―そして、その未来を招来するように、人間の感情と反応を変化させる予言をすればよい」(31頁)。
ディストピアを描くSF作品は現実の予見と見られることがあるが、21世紀の日本政府は近いことを行っている。国土交通省の建設工事受注動態統計はデータの合算や二重計上という不正が行われていた。これによって実際よりも受注を多く見せていた。統計を見た人は実際よりも景気が良いと誤った認識を有してしまう。
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ちゃうねんちゃうねん、できへんねんてぇ…と、そんなことやる気は全くなかった。背中押されまくりのセルダン博士。「それなら、あなたは衰退の一部ですよ。あなたは失敗を受け入れるつもりになっています」「やれというのではなく、やってみてくれないかといっているのです。(略)人類のために」「失敗するでしょう」セルダンは言った。「失敗してもともとです。やってみてくれますね?」すると、セルダンは自分の意に反して、理由も知らずに、自分がこういうのを聞いた。「やってみましょう」これで彼の人生のコースが決まった。
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ハリ・セルダンが若き日に、心理歴史学へどのようにしてたどり着いたかを記している。
クレオン一世に「周到に」興味をもたれた結果、彼が身を隠しながら、理論でしかなかった心理歴史学を実際に運用しようと二万年の「歴史」を手に入れようとする。
公園で出会ったジャーナリスト、ヒューミンの導きで、ストリーリング大学でドースという協力者を得て、その後危険を察して、より「古い何か」をもつマイコゲンへと逃れていく。
皇帝の前でも頑なに心理歴史学は理論であると言い張っていたセルダンは、協力者達との対話を通じて、実学の可能性を探っていく様子に引き込まれる。
また、それまでのハリ・セルダンは全てを悟った老人のイメージだったが、心理歴史学を練り上げていく若者の姿は、興味深かった。