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紙の本
橋上幻像
2021/01/31 03:42
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去・現在・未来をつなぐ「Y字型の橋」を思考の足がかりにし、三つのエピソードが語られる。全て主人公である一人の男を中心に、周囲の人物に起きた出来事であり、それらをもとに主人公が過去と現在、未来について思考する。
一つ目のエピソードは戦時中、支援物資も応援部隊も届かない南方の戦場での飢餓や人肉食に悩み、戦後自殺してしまった男の話。二つ目のエピソードはナチス・ドイツのユダヤ人虐殺から逃れるも、当時の自分と現在の自分がかけ離れた状況にいることに悩む通訳の女性について。三つ目のエピソードは朝鮮戦争の孤児で、アメリカの富豪に引き取られるも、そこで新しく与えられた名前に耐えられずに家を飛び出し、やがて徴兵が始まるとベトナムの戦場を志願し、戦いの後日本国内の基地から脱走して中立国へと逃れようとする男の話。
それぞれのエピソードが過去・現在・未来にちなんで設定されており、二番目のエピソードが過去と現在、三番目が現在から未来なのは分かったが、最初のエピソードが、入れ子構造で、自分の中でよく消化できていない。婚約者の男の過去とその過去をめぐる女性の過去、だろうか。しかしとにかくとても面白かった。