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紙の本
タイム・シップ 上 (ハヤカワ文庫 SF)
【星雲賞海外長編部門(第30回)】【英国SF協会賞(1995年)】【フィリップ・K・ディック賞(1996年度)】【ジョン・W・キャンベル記念賞(1996年)】【クルト・ラ...
タイム・シップ 上 (ハヤカワ文庫 SF)
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商品説明
【星雲賞海外長編部門(第30回)】【英国SF協会賞(1995年)】【フィリップ・K・ディック賞(1996年度)】【ジョン・W・キャンベル記念賞(1996年)】【クルト・ラスヴィッツ賞(1996)】【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ハードSF作家が書いた冒険SF
2001/05/05 04:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森山和道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハードSF作家として知られるバクスターが、H・G・ウェルズの古典「タイムマシン」の続編として書いた小説。面白いわ、これ。バクスターが多分小さい頃に読んだであろう原風景的なSFシーンがそのまんま生の素材として随所に織り込まれながら、なおかつバクスターらしいテーマを追求し続けて生まれた小説、といったところ。バクスターの宇宙観、世界観といったものも<ジーリーシリーズ>よりも遙かに分かりやすい形──ある意味「生」のまんま──で、提出されている。
バクスターはハードSF系の人だが、本作は一見、バロウズの冒険小説風の物語展開で、すらすらすいすいと読める。多分、誰でも読める。
以前「SFマガジン」誌上で、柴野拓美氏がバクスターに「ジーリーシリーズは『レンズマン』だね」と言ったら、バクスターが「そういう風に読んでくれると嬉しい」と答えたというエピソードが披露されていた。僕はそれを読んで「あっ、そうか」と思ったのだが、この本を一読すれば、バクスターが元来、昔ながらのSFマインドを基底に持っている作家だと誰もが納得するのではなかろうか。昔ながらのSFマインドとは、SFの持つ冒険小説としての側面と思索小説としての側面、両者を大事にする心、といった意味だと考えて頂きたい。
昔「タイムマシン」を読んだとき、ビルがだんだん上に伸びていったあと今度は横へ繋がりはじめた、という時間旅行の風景描写があった。そのシーンが妙に心に残っていたのだが、その辺も再現されていて思わずノスタルジアに浸ってしまった。
要するに「買い」ということです。
初出:http://www.moriyama.com/SF.98.3.htm#sf.98.3.01
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中途半端
2002/02/08 15:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
結局いつものバクスター、と云う感じ。しかし、ウエルズ世界を枠組みとして用いたことで、バクスターらしさが損なわれており、なおかつ良くなったところがないと云う感じです。
最近ではおなじみになった、過去への介入による時間線の分岐の話を徹底的に突き詰めたものなのですが、多様性を強調していると云うのに、それぞれの時間線自体は異様に均質。異星種属すら出てこない均質さ。なぜどれもこれも、人類全体で同じ方向を向く、なのか。分岐に分岐、また分岐と云うのをサイバーパンクで学ばなかったか。まあ、ストーリー上の都合のためなのかもしれませんが。
さらに、話の核となる意志の力や目的が存在せず、どこかに向かうのかも分からないまま、ただストーリーが流れるだけ、ただウエルズ世界を経巡るだけ。流れも方向性も持たないカタログを見せられている感じです。
ラストの、「帰ろう、故郷へ……」的な部分もいまひとつでした。ベアの『永劫』のラストと同じような感じでしたが、あの詩情は微塵も感じさせず、なぜ主人公があの世界へ戻って行ったのか、なぜ戻って行って、そこに留まることにしたのか、いまひとつ共感できません。
いや、決して面白くないわけではないのです。しかし、本当はもっともっとすごい作品に出来たはずなのではと、どうしても考えてしまうのです。残念です。
紙の本
正当なる続編
2001/03/13 22:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
解説にもあるとおり、数あるタイムマシンもののなかでも、H.G.ウェルズの『タイムマシン』の正当なる続編である。
タイム・パラドックスに正面から挑んだ作品で、そういうSF的バックボーンに興味がない人には作品の意図は理解しづらいかも。