紙の本
花(幸福)を盗んだ者
2002/02/26 21:34
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書に収められた10篇の作品の中では、「最後の花束」が特に面白かった。ある程度結末は予想していたものの、実はそれ以上の仕掛けが施されていたのだ。流石、と言わざるを得ない。このような視点のトリックは、小説という表現形態でしか出来ないものである。その点では、背景を見ることの出来ない「脱出」も、小説らしい面白さを持った作品と言えるだろう。
紙の本
ミステリー短編集
2021/03/20 22:14
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投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
乃南アサさんの短編は本当に面白い。一番怖いのは人間、というのがよく分かる。
途中でオチがわかる作品も多いが、ストーリーが面白いので飽きずに読める。
「今夜も笑ってる」と「留守番電話」が特に好き。
他の方のレビューを見ていると、少数派のようですが。
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ミステリーの短編集。さすが乃南アサという女性の描写の上手さ。ものによって、展開の意外性に結構差があるのですが、特に、表題作より「愛情弁当」「最後の花束」が上手いと感じました。どれも、日常の歯車が少し狂う様子が、短い分で上手く纏まってるところに、余計に怖さを感じます。
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面白かった。人間の心理的部分がすごく。すぐ横にありそうな。自分の感情と変わらないものから生まれる。上手いなぁ〜と思ってしまった。長編も読みたい。04-8-1?
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女性だからこそ執着する二律背反美と恐怖『最後の花束』。日常の隣にありそうな『他人の背広』、この2作が好きです。
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何編かは「何かこれ、どっかで読んだ事がある…」と思ったのだが(実際に読んでいたのかもしれない)表題作、花盗人にはやられた!面白い!
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短編集なので、とっても読みやすいんだけど、たまに胸にズドーンと衝撃があったり。。。あっという間に読んでしまいました。
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淡々とした中に冷たい怖さが潜む短編集。短い中で、的確に人間を抉る手腕には感服です。さらさら読めますが、後に残る。「脱出」「最後の花束」が好き。表題作の「貴方がくれたものは桜の小枝、奪っていったものは私の全て」的な文はよかったです。
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短編が10編。やっぱり乃南さんの短編はスゴイと思う。こんな短い中でよくこんな展開のさせかたができるなぁ、と感心してしまう。日常に潜む落とし穴。ともすれば身の回りで、あるいは自分自身がはまり込んでしまうのではないかという不安。下手なホラーよりもずっと怖い。
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図書館で借りた。
全体的にぞっとする短編集。
留守番電話は怖い話だった。引っ越した先でまだ電話回線の
契約をしていないが電話をさしてみたら前に使っていた人が
解約しておらず、前の人へ向けた電話がかかってくる。
脱出は意外なオチで面白いと思った。
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◆あらすじ◆
「あなたが私にくれたものは、あの桜の小枝だけ。あなたが盗っていったものは、私のすべて」───。
自立できない夫との生活に疲れた女は逃げ場を求めた。
しかしそれが彼女の「脱線」の始まりだった……。
表題作のほか、「最後の花束」「脱出」など、怖くて意外な結末が詰まった全10編。
デビュー当時から直木賞受賞第一作まで、乃南アサの幅広い作風が楽しめる文庫オリジナル短編集。
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※バレあり。
読中・読後感が悪かったです、多分作者さんの狙い通りだと思うので上手い作品なのだと思う。
妻が自分のために心を殺して何でもやるのが当たり前と思ってる男は×ねばいいよ! ああー見ててイラッイラする!! 表題作は、早く主人公が旦那を×してくれないかとやきもきしていました。開始1,2ページで「早く×せ!」と思った。この1冊を読んだゆえだろうか、思考危ない。でも正常な気持ちだとは思う。主人公もパチンコに興じて浪費していると知った時はスッとしました。ここでやっと心が軽くなった。
「他人の背広」や「留守番電話」は気楽に読める。「最後の花束」はさすがに予想外。「向日葵」はしあわせで良かったね。
読後感の悪さから★×1(評価ではなく勝手な好みですね)で失礼します。
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目が離せなくって、それでも空寒い。ぞくって、きた。
初めて乃南さんの小説これだった。
最初から最後まで目が離せなかった。
心の動きと身体の動きとが合ってるのね。
チャコールグレーみたいな色の薄いベールが覆ってる感じ。
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10本の短編。ちょこっと読みにはちょうどいいボリューム。乃南アサさんの本を読んだのはこれが初めて。さまざまな人の業。なんとも言えない読後感。久しぶりに背筋が寒くなった。もう一度読むかと言われればNOだけど、面白かった。
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『薬缶』『寝言』『向日葵』『愛情弁当』『今夜も笑ってる』『他人の背広』
『留守番電話』『脱出』『最後の花束』『花盗人』
久し振りに乃南さん☆
私はホラーとかの怖いのがほんとダメだから(;_;)、
乃南さんの本もあんまりディープなのはダメで(・・、)
でもこれは短編集だったから、
怖さもちょっとあったけれど、スパイスとして楽しめました☆
これはお化けのような怖さではなくて、
日常生活の中からどこか歪んでしまった世界を
ちょっとずつ覗いた感じでした。
そして、率直な感想は……〝うまい!〟。
短篇だけど、構成やストーリー、描写がすごく上手くて
それぞれとっても楽しめました(o^-^o)
乃南さんの、怖くなさそうなのからまた読んでいこうっと♪♪
(2007.05メモ→2010.04ブクログ)