紙の本
真実は最後まで
2002/06/19 23:33
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投稿者:Xdriver - この投稿者のレビュー一覧を見る
素顔の分からない天才ポップシンガーROMMY(ロミー)。その時代の先駆者の歌声は賞賛と罵声の両方を浴びていた。しかし突然録音スタジオでROMMYの死体が見つかる。隠された真実は如何に?
謎があちこちにちりばめられ、二転三転しつつも、最後には一本の線としてきれいにまとまっていくという作者お決まりのパタンではある、だが今回の謎のきれいさがそんなワンパターンの不安などは吹き飛ばしてしまった。たった一つの謎がすべてを支配するという美しさ、これが本格の醍醐味だろう。惜しむらくは脇を固める細かい謎の拙さだろうか、いっそ触れずに済ませればよかったような点まで書いてしまったのが、興味をばらけさせることにつながったようだ。
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おそらく10年以上ぶりに讀んだ歌野晶午。
「長い家の殺人」と「白い家の殺人」を讀んだが、内容はまつたく覺えてゐない。
あまり面白いと思はなかつた記憶がある。
この本は阪急梅田驛改札口のすぐ近くにある本屋で、「お薦めの本」としてゐたので買つてみた。
讀み進めて、これは推理小説ではない、と思つた。
確かに殺人事件らしき事件は起こつてゐるのだが、それはストーリーのなかで、重要な位置を占めてゐるわけではない。
むしろ、「ROMMY」といふ歌手の謎めいた生涯を描いてゐるのだ。
などと納得してゐたら、やられてしまつた。
最後の最後にひつくり返された。
なかなかやるやんか、歌野晶午!
それでもこの大きなどんでん返しがなかつたとしても、それだけで充分に魅力のある作品だと思ふ。
ROMMYといふ歌手にはそれだけの存在感があつた。
2004年3月12日讀了
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なんというか、ミステリというよりは普通のエンターテイメント小説に近いかな。真相自体は二転三転さらに最後の大告白と大盤振る舞いなんだけど謎解きの面白さというよりはROMMYという人間の生き様を読む小説だったような気がした。まあまあ。
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ミステリというよりは、ROMMYその人物の話というか、いやもちろん、事件は起こるんです。ラスト、ROMMYの告白はやりきれないです。でも最後はみごとに全部つながるんです。ああ、悲しい。ROMMYの生き様、覚えておきます。中村君もありがとう
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大人気の歌手ROMMY。
録音スタジオの仮眠室で彼女は絞殺されていた。
犯人はスタッフの中にいるのは確かだが,
それぞれの思惑から警察への通報は遅らされる。
その間に彼女の死体は解体されている。
天才シンガーの隠された真実とは…。
日記や手紙などの文体が挿入されており,
アーティストブックのような形式になっている。
構成が練られた印象を受けるとともにその趣向が面白い。
実在する歌手のようなリアリティを楽しむことができる。
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2009.4
サプライズは用意されていたけど、長いし変やし中盤はちっとも面白くない。カリスマ歌手を描いたチープな小説だった。
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とにかく長い。急展開というか強引というか、これだったら真ん中全部省いていいのでは?とついつい思ってしまった。でもこの人の本にはいつも新しい感覚を覚える。
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プロフィールをいっさい明かさないアーティストROMMYが、レコーディングスタジオの仮眠室で殺されていた。
誰が、何故殺したのか?
しかも死んでいたのはROMMY本人ではなかった。
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殺人事件のトリック自体は拍子抜けするほど簡単なものなので、その点は少し物足りないかも知れません。しかし、ROMMYの隠された真実には驚いたと言うか、やられました。案の定、私はラストまで気が付きませんでしたよ…。
所々に出て来る写真やイラスト、そしてROMMYの歌詞が読み手の気分を盛り上げてくれます。中でも歌詞は、どれもがとても印象的でした。ラストは少し物悲しいかな…。
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歌手が主人公。スタジオ内での事件。
音楽描写が受け付けなかった。
叙述オチ。序盤で気づいてしまい余計冷めた。
サポート者の内面が中途半端。
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ものすごい力作です。あの殺害方法に意味を持たせるために、時代を設定したのかな? 昭和の良き時代の、どこか悲哀を伴うエネルギーをガンガンに感じます。
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発刊された直後に読めばインパクトも大きかったかもしれないけど、
この手の話は、最近は結構出てるから。。。
やっぱミステリは旬の時に読まないとダメだね。
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「ガラス張りの誘拐」に続いて二作目ですが・・・別にもういいかな、この作者の本は。
今回も時候が入れ替わってる(←なんていうんでしょうね、こういう作風、学問的に)スタイルです。が。あんまり効果ないんですよね・・・
「ガラス」もそうだったけど、メインキャラがNot very immersiveなので、時候入れ替えでキックを小説の最後に持ってきても、ねぇ・・・「あらそうですの。」で終わりです。
ま、今回「女王様」とか「美しい」とか言われてた主人公が、実は男なんです落ちだったので、「イヤイヤ、そりゃないよ」と多少読み返しはしましたが・・・むしろ粗探しのために(笑)
なので良い意味での裏切りは全くないです。残念ながら。
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前に読んだときはノベルス版でサブタイトルは『―そして歌声が残った』だった。生い立ちや素顔が謎のアーティスト ROMMYと海外の大物歌手がそろうレコーディングの日、控え室で「彼女が死んでいる!?」と関係者たち紛糾。LADY GAGA先取り感。
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ロミーは純粋な少女であった。同時に娼婦にあった。
人々を惹きつけ、すべてを愛し、陥落した。
彼女は息絶えたが、歴史となり永遠の美を持つ。
凋落せずにこの世に残り続ける彼女の魂は、
残念ながら天国には辿り着けないのかもしれない。
褪色しないゆえ人工楽園である現世に縛られるのだから。